夜更かしの言い訳

エスパーの方って居ます?いわゆる超能力者。
いや、居たらハルヒのところかお医者様のところに行って欲しいんですけど。

でも実はたまーに居るんですよ。

……まあ小説の話なんですけどね。
てなわけで一人称小説の難しさの一つ、「見えすぎている問題」のお話です。

想像してください。
あなたが立っている目の前に人を一人置きましょう、知り合いでもそうじゃなくても構いません。その人とあなたは今向かい合って立っている状態です。そしておもむろにその人が黙ってあなたに向かってゆっくりと手を伸ばしてきました。

問題です、その行動の意図はなんでしょう?
正解は「愛おしさからあなたの頭を撫でようとした」でした。

これが見えすぎている問題です。

まずもって一人称小説を定義しましょう。といってもとっても簡単、「僕、私」の目線で見たもの感じたものを描写した小説、今回はそういう風に定義します。

ではこの定義に基づくとさっきのお話で何が問題になるのか。
こちらも簡単、「彼、彼女」の脳内にしかないものをなぜか「僕、私」が知っているからですね。

具体的に説明しますね。
まず見えすぎてるポイントその1、「愛おしさから」の部分、これは「僕、私」ではなく「彼、彼女」の感情です。それ以前のやり取りから「彼、彼女」の「僕、私」に対する感情を「僕、私」が推察することはきっと可能でしょう。ですがそれはあくまで推察であり、確定された事実ではありません。これが感情が見えすぎているというので一点。

次に見えすぎてるポイントその2、「あなたのお頭を撫でようと」の方。
こちらもその1と同じく「彼、彼女」の意志のお話ですね。あなたに向かって手が伸びてきた、それが心なしか頭の方に向かってきている気がする、そして表情に怒りなどのマイナス感情は見受けられないから頭を撫でようとしているんだな!……それあなたの感想ですよね?予想にすぎない意志をいつの間にか確定事項にしている、これが二点目。

もちろんもっと他に例はあると思いますが、思いつかないので割愛。

この問題の何がタチ悪いって、これ自体にストーリーを破綻させたりして作者に明確に気づかせるほどの力はないということと、「気を付ける」以上の対策法がないこと。気づく人は気づく違和感なのに、目立たないせいで見過ごされやすい……それって下手な誤字とか時系列の混濁よりも怖い気がしません?しないか……うん、僕も誤字の方が怖いわ。それに正直僕もあんまり気づかんかもしれん。

でも大きなミスの下に隠されたこういった小さなミスの大軍を無くしていけたら(ないし無くしていけるだけの力があったら)、きっとその細かに積み上げる力は絶対他のところでも活きる。多分。

でもそこを気にしていられる段階じゃないからほんとあーあ、って感じ。
まーた面倒になって雑な〆しようとしてるよこの人。

あーあ


おわり

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