無限の引き金

　一つのことにつまずくと、背後にある無限の引き金が一斉に引かれて何もできなくなる。今日は私が洗濯機を数日回さなかったせいで夫の白シャツがカビてしまったことをきっかけに、親とのトラウマティックな記憶や父方の親戚に対する不信感、将来への漠然とした不安、あらゆる自己嫌悪が一気に迫ってきた。背中がガチガチに固まって、もう二度と姿勢を正せなくなるような、姿勢を正そうとしても頑強な岩壁がそれを許さず、むしろのしかかって私のすべてを潰しにかかるような感覚に陥る。これも俗に言うパニック発作の一種なのかもしれない。

　ちゃんと数えたことはないけど、体感として少なくとも週１回、多いときには一日数回こんな状態になるから、私の首〜背中はマジでガチガチだ。揉んだりツボ押ししたり自分なりの努力はするけど素人には限界があるから、定期的にプロの力を借りないといけない。働くどころか家事すらまともにできない、主婦とは名ばかりの無職がマッサージに行くなど穀潰しもいいところだが、施術を受けると明らかにパフォーマンスが上がるのだ。筋肉が緩むと頭も緩んで、いい感じに体が動くし、心も若干軽くなる。自律神経が整うからってのもあると思う。

　正直言って、心身共にほんとうに楽な状態は死しかないと思う（から、楽になりたいという動機で○にたくなる気持ちはすごくよく分かる）。生きた状態で心身ともに楽だと感じるポジションを探すためには、今していることに加えてどんな努力が必要なんだろう。楽するために努力が必要なのも皮肉な話だな。でもできる限り楽になりたい。