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未来の大学への期待

今回のコロナ禍で、大きな影響を受けたものとして大学教育があると思う。入学式がなくなり、4月からいきなり、オンライン授業、システムダウンと結構色々あったようだ。そんななか、先日「オンライン時代のアカデミアとは何か?」というイベントがあったので参加してみた。

大学の歴史と新しい大学

吉見俊哉先生によれば、大学は中世にできて、一度死んだ後、19世紀のベルリン大学で復活したが、今、二度目の危機に瀕しているという。そして21-22世紀の大学はグローバルな知識基盤と社会実践をつなぐような大学になるだろうと言う。(因みに吉見先生が学部学科のカンブリア爆発があったという話には笑った。確かに名前から何を教えているのかよくわからない学部・学科がたくさんある。)そして第3世代の大学は、1)少なく深い科目と考え抜かれたカリキュラム、2)壁を超える流動性、3)教育・研究と組織運営の分離の3つが基本原則となるだろうと言う。

吉見先生が言われていたように、新しい大学を作るのは比較的簡単かもしれない。しがらみがないからだ。オンラインメインの大学であればコストもかからないだろう。問題は現状の大学をどうしていくかではないかと思う。オンライン授業自体は今回色々試行錯誤されることで、その短所もより明確になるのではと思う。(図書館の利用がリモートからオンラインで閲覧できるようにするというのはニーズが高そうだ。)その上で、人が集まる空間としての大学の意味もより明確になるだろう。理系では実験設備とかも大事だろう。

未来の大学への期待

しかし、今回のオンライン授業で、学生が授業料返せと言っていて、それは米国でも同じらしいが、確かに知らない間に日本の大学の授業料ってこんなに高くなっていたのかと思った。デフレがずっと続いてきた日本で大学の学費だけこんなに上がることが異常だと思う。

オンライン大学であれば、そんなに授業料もかからないはずだし、何より納得できなければ他の大学に移るのももっと簡単になるだろう。そもそも通学にかかる物理的な距離や時間を考えなくてよいとなれば、年齢の多様化も進むと思われる。イベントの中で、障害がある方の意見もあったが、障害があると通学するだけで過度の負担になるので、オンライン授業はありがたいとのことだということで、確かにそうだなと思った。こういう色々な問題が解消されそうなので、新しい大学ができることには期待を持ちたい。



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