国上寺の「イケメン官能絵巻」から考えるお寺のイノベーション

国上寺の「イケメン官能絵巻」が話題になっている。国上寺(山田光哲住職)が今春、本堂に「イケメン官能絵巻」を設置、公開したが、燕市教育委員会が原状復帰を求めていて、寺側は拒否しているという。詳しくはこちら

寺側は、勝手に文化財に指定されても、一法人としては経営が成り立たないので、集客の一環としてやっている、教育委員会(燕市)側は、文化財なんだから勝手に現代作家の作品を設置するのは許されないという感じらしい。寺側としては、今後も法人として存続していくために、新しいチャレンジをしていかなければいけないので、その一環として集客のために「イケメン官能絵巻」を展示したのだという主張であり、市側は、文化財として歴史的に意義のあるものだから変更は許されずそのまま保存すべきという主張であると見て取れる。詳しい事情はわからないが、市側から保存に十分な費用が賄われていないのであれば、個人的には寺側の主張に一理あると思うが、根本的な問題は以前のエントリでも書いたが、お寺の役割のイノベーションが必要ということだ。

確かに葬式・法事というビジネスモデルがあまりに有効に機能したためにイノベーションが起こらなかったというのは、高度成長モデルから日本企業が脱せられない事に較べてもはるかに長いのでより難しいのは理解できる。しかしそれでも以前は、寺が社会にとって役割を果たしていたのだから、現代の状況において、寺の役割とは?ということから問い直すことが必要で、それは寺という場所性を生かしたものになると考えている。


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