【オールドデジカメ】OLD SONY vs NEW SONY 笑いが絶えない新旧対決!
こんにちは I'm a graphic designerです。
皆さん、突然ですが格闘技はお好きですか?
先日11月4日、アゼルバイジャンで開催された総合格闘技「RIZIN LANDMARK 7 in Azerbaijan」のメインイベント、フェザー級タイトルマッチ。チャンピオンのケラモフ VS 挑戦者の鈴木千裕。いやぁ驚きました。興奮しました。想像を遥かに超えた試合展開。結果は、1Rわずか1分18秒のKO劇。勝者、鈴木千裕が新王者となりました。格闘技は試合をするまで何が起こるかわかりませんね。
今回のnoteは、総合格闘技のお話ではありません。カメラのお話なのですが、発売時期も重量もセンサーも全く違う無差別級SONY新旧対決です。果たして結果はどちらが勝つのでしょうか?
【 選 手 紹 介 】
OLD SONY:サイバーショット DSC-P2
まず紹介するのはOLD SONYから。
OLD SONYを代表するこの選手は、2002年6月に発売したコンパクトデジタルカメラ SONY サイバーショット DSC-P2です。1/2.7インチ SUPER HAD CCDセンサー有効画素数200万画素を搭載。超小型軽量でバッテリーとメモリースティック含む重量はわずか206gと軽量級の選手です。
静止画解像度はわずか1600×1200ピクセル。動画にいたっては、320×240ピクセルという現代では考えられない解像度を誇る。見た目のデザインは、さすがはSONYといったところで、発売から20年以上たった今も色あせない洗練された都会的なデザインが特長です。
NEW SONY: Cinema Line α FX3
続いてNEW SONYの紹介です。
シネマティックで印象的な映像表現と動画クリエイターのためのCinema Lineシリーズ最小最軽量のFX3。現代のカメラとしては、低い解像度で有効約1026万画素裏面照射型のフルサイズセンサー搭載。NEW SONY代表選手ですが、NEWといっても2023年に発売なんですけどね。FX3は、サイバーショットDSC-P2の発売から19年後に登場したミラーレス一眼デジタルカメラ。FX3は今のSONYのカメラの中でも異色の存在で、カメラボディに直接アクセサリーを装着可能なネジ穴を施した、無骨な業務用機といった趣です。着脱可能なXLRハンドルユニットが付属しますが、今回は取り外しています。他のαシリーズとは違って、これまた仕事道具といった印象で実に格好よろしいです。
対決の舞台
新旧2台のカメラを持って、近所の公園へ
☆ ROUND 1 : 公園の蛇口
対決の舞台である近所の公園にやってきました。紅葉が進み随分と木々の葉も落ちた頃。植物の色は様々で、緑、赤、橙、黄、茶と様々な色がみられます。これらの色の再現性はいかがでしょうか。まずは公園にある蛇口を撮影してみましょう。三脚を立てて、だいたい同じ位置から撮影することにします。さぁ、ラウンド1のゴングがなりました。
200万画素のサイバーショットDSC-P2から。電源OFFからONまでの起動は遅いですね。のんびりとしてます。スローな動作すら長所と言って良いくらい。カメラを手にするだけでなんだか笑みがこぼれます。スローライフ!スローカメラ。「人生、急がなくて良いんだよ」なんてカメラが教えてくれているよう。
使いづらくてしょうがない操作系もデジカメ黎明期ならでは。不便なんですが、その不便さが滑稽に思えて笑いが止まりません。カメラを構えて、こんなに笑えたのは初めてではないでしょうか。記憶にありません。
SONYのカメラのメニューUIや操作系がPanasonic LUMIXのカメラと比較すると使いにくいなんて話題になったりもしますが、サイバーショットDSC-P2は、そんな次元の話ではありません。マニュアルの設定がどこにあるか、オートフォーカスの設定はどこで確認すれば良いのか、まるで分からず。随分と使い倒したカメラのはずが、さっぱり記憶が抜け落ちています。さらには、思わず画面をタッチしてフォーカスを合わそうとする始末。なんとか1枚撮影完了!
現代では、お世辞にも綺麗とは言える写りではありませんが、現代のカメラとはレベルが違いすぎて、笑いが止まりませんでした。オールドデジカメは実に面白い!
フィルムカメラのように本格的ヴィンテージを味合わなくとも、適度なレベルの不便さで、デジカメ黎明期のオールドカメラを楽しめます。
サイバーショットDSC-P2の写りは、全体的にざらざらと乾いた印象。センサーサイズが小さいこともあり、被写界深度はとても深く、色あせたような感じ。ISOは100。屋外でもノイジーな感じがしますね。何か見覚えがある写りだなぁと考えていたら、これは使い捨てカメラ「写ルンです」で撮影したような仕上がりかな。写りのどうこうともかく、撮っていて、めちゃくちゃ楽しくて、心が踊るんですよ。笑いが絶えない。
続いて、FX3。レンズは贅沢極まりないGM50mm F1.2という大口径単焦点レンズを装着。さすがに現代のカメラ、ISO80でノイズは皆無。被写界深度はとても浅く、蛇口の背景はとろけるようにボケる。背景に何が写っているのか全くわからない。艶感しっとり感は半端ない。
写りだけで言えばラウンド1の判定はFX3ですが、心の躍り方は、圧倒的にサイバーショットDSC-P2の圧勝でした。ハイスペックな現代のカメラが当たり前になりすぎて平和ボケと言いますかカメラボケしてカメラの性能に頼りすぎた、堕落した自分に気づかされます。
☆ ROUND 2 : 遠方からの体育館ショット
続いて遠方から体育館を撮影します。屋外に設置されたバスケットボールのリングを中央付近に配置した構図で撮影します。
絞りをどこで設定すればいいの変わらず、F5.6で撮影。F2.8で撮影したいのですが、現代のSONYのメニューユーザーインターフェイスに慣れてしまった私としては、設定がわからず。20年ぶりに触るものですから、思うように操作ができません。仕方なくF5.6で撮影となりました。手前の植物を前ボケをつくり、写真に奥行きを出したかったのですが、これまた深〜い被写界深度で、端から端までビッチリとフォーカスが合ってます。ラウンド1の蛇口よりもノイズがうまく抑えられて良いんじゃないでしょうか。
撮影を終えた後に気づきましたが、広角端ばかりで撮っていました。次回は望遠端でも撮って写りを確認したいと思います。
続いてFX3。手前の植物は少々煩い感じですが、しっかりとボケています。なんだかミニチュア写真みたい。ラウンド2は、なかなか両者良い勝負ができたのではないでしょうか。そんなことはないか…
☆ ROUND 3 : バスケット リング
ラウンド3は、バスケットのリングに近づいて撮影します。サイバーショットDSC-P2で写すと、令和の時代とは思えない色あせた景色に変えます。何を撮っても懐かしさを感じさせてくれる、平成の頃の想い出写真のように。
そして、ここでもカメラを構えれば自然と笑みが溢れる。撮る者を楽しませる多幸感あふれるカメラだと感じました。FX3とGM50mmF1.2単焦点レンズの組み合わせは、現実の世界以上にドラマチックな素敵な景色に切り撮ってくれます。空気感と言いましょうか。私が撮らずとも誰が撮ろうともシネマチックに映し出します。モンスターカメラ&レンズですね、流石の一言。
☆ ROUND 4 : 落ち葉
ラウンド4は、落ち葉です。落ち葉の微妙な色の違いが表現できるでしょうか。サイバーショットは、私が使いこなせていないこともあるポテンシャルを引き出せないまま撮影。とは言いつつも200万画素のセンサーで、なかなか繊細な描写をしてくれました。FX3については、シャドーの諧調も繊細に再現できてます。現代のカメラなんですから、これくらい描写して当然なのでしょう。
☆ ROUND 5 : 滑り台
サイバーショットはコンデジなので、メニューの操作がしづらい。私の知識不足で適切に設定できないことに加え、20年前の小さな液晶画面では、露出を確認することが難しい。とにかく液晶モニターの解像度が低いのです。言い訳のようですが、FX3の液晶に慣れてしまった私の目には厳しい。フォーカスが合っているのか、どうなのか判断はできない。ファインダーで目視できるが、ただの覗き穴で、実際の世界が見えているだけ。晴れた屋外では液晶モニターを見るだけではフォーカスも露出も判断しかねる。結果、露出オーバー気味で撮影となりました。
FX3の写りは、滑り台をにフォーカスを合わせて、背景の木々はやわらかくぼかして、主役を引き立てた写真が、いとも簡単に撮影できます。FX3はファインダーがなく、屋外では見えにくいと感じていたFX3のモニターですが、サイバーショットと比較すると雲泥の差。とても鮮明で確認しやすいですね。
☆ ROUND 6 :
電柱に記されたステンシルフォトグラフィー「警」
さぁ、この新旧SONY無差別級対決も大詰めとなってきました。今日のこの試合で、最も接戦になったラウンドがこのラウンド6です。
公園から歩いて事務所へ帰ります。帰路の途中に出会った、信号機の電柱に取り付けられた謎のボックス。警のステンシル文字が描かれているので、警察が管理しているモノなのでしょう。そのステンシルフォトグラフィー「警」を撮影しました。サイバーショットが随分と検討していますね。空のグラデーションが良いですね。サイバーショット!侮れません。FX3-50mmF1.2単焦点レンズは、これでもかというくらい力技でボケボケです。なんですかね、この空気感。何を撮影しても絵になります。シネマティックは止まらない!
☆ ROUND 7(ファイナルラウンド) : ミニカー
私の事務所に帰ってきました。いよいよ今日の試合のファイナルラウンドです。テーブルにミニカーを並べて撮影します。屋外とは違って屋内は随分と暗くなります。この暗さの中、1/2.7インチ SUPER HAD CCDセンサーはどこまで戦えるのでしょうか?
被写体は、タウンエース、トヨタ2000GT、スズキアルト、3台のミニカーと木の模型です。さぁ、いざ撮影です。
サイバーショットDSC-P2でカシャッ!想像よりもノイズが乗らないですね。たいしたもんです。なかなか写りも良いですね。細かな描写ができています。このラウンド7の時点でも、サイバーショットのメニューUIを把握することができておらず、シャッターを押すだけでしたが、F5.6ではなく、F2.8で撮影となってました。絞りオートで撮影できたのでしょうか。よくわかりませんが、結果としてF2.8で撮影できたことは喜ばしいこと。
続いてFX3です。50mmF1.2の大口径レンズで開放1.2は、あまりにもボケすぎます。そこでF4まで絞って撮影することにしました。これでも手前のタウンエースのヘッドライト付近にフォーカスが合っている程度で、被写界深度は浅くボケボケです。
番外編:写真と動画
そうそう、FX3では撮影していませんでしたが、サイバーショットDSC-P2で撮影した写真を番外編としてご覧いただきましょう。公園のグラウンドで元気溌剌なシニア紳士の皆さんが野球の練習をされていました。バックネット越しに撮影をさせていただきました。逆光気味ですが、彩度も残っていてなかなかの描写ですね。
動画も撮らせていただきました。これが実に面白くて、一桁たりないんじゃないかと目を疑うばかりの340x240ピクセルという低解像度です。パソコンに取り込んでQuickTimeで閲覧するとこの荒れ具合。あまりにも荒れすぎているので、記録ファイルのコーデックの詳細を確認することにしました。あれれっ…160X112になっていましたね。ただでさえ低解像度なのに、さらに低く設定されて記録しておりました。160X112ってさすがに低いすぎですね。失礼しました…
もしかするとデフォルトの設定が160X112になっているのかもしれませんね。ちなみにコーデックの詳細を確認すると、フレームレートは25となっていました。25fpsもあるのかなぁ。ちょっと怪しく思えて、半信半疑ではいます。次回は340x240の最高解像度で記録しますね。どんな映りになるのか楽しみです。
OLD SONYは、写真と同じく動画でも笑わせてくれました。このOLD SONYを使っていると動画のスペックもどうでも良くなってきます。なんと言っても340X240の解像度ですからね。4Kとか8Kとか高解像度で動画を記録しなくても、低解像度記録がここまで楽しいだっていうことを教えてくれました。この動画撮影での楽しさの気づきは、今回の対決の思わぬ収穫でした。カメラの良さは性能だけでは語れないと言うことを。
このサイバーショットで映像作品をつくりたい。これからの楽しみが増えました。
OLD SONYのメディアの取り込みについて
サイバーショットはSDカードではなく、メモリースティックということもあり、データが取り込めず。そこで、あわててAmazonでエレコム カードリーダーを注文しました。早速本日届いて、無事データ取り込み完了。このカードリーダーを使えば、メモリースティックはもちろんのこと、コンパクトフラッシュも読み込めます。価格はなんと1500円と驚きの安さ。ありがたや〜。
新旧SONY対決を終えて
さぁ、7ラウンドに渡る死闘が終えました。判定は…どうしましょう。
もちろん現代のNEW SONYのFX3とGMレンズの破壊的なボケは、圧倒的でしたが、写真はボケだけじゃないんですよ。カメラの性能、スペックだけには現れない何かがある。オールドデジカメのサイバーショットDSC-P2の描写は、当然FX3に負けたかもしれない。しかし、カメラを構えるだけで笑みがこぼれ、腹がよじれるくらい笑わせてくれ、心を踊らせてくれた。こんなに楽しい体験は、本当に久しぶりでした。写りは圧倒的にFX3が勝者。楽しさはわずか200万画素のサイバーショットDSC-P2が圧勝でした。
皆さんは、この新旧SONY無差別級対決は、どちらが勝者だと思いますか。
おわりに
SONYのカメラのメニューUIが、今ひとつだってネガティブなコメントが聞かれますが、20年経った今、NEW OLD SONYを使った後にOLD SONYを使うと随分と進化しているんだなと実感します。タッチ操作ができる解像度の高いモニター。読みやすいフォント。わかりやすいメニューUIや配置されたボタン類。当たり前のように使っているNEW SONYの道具としての使いやすさとプロダクトとしての完成度をあらためて知る。
また、至れり尽せりの現代のカメラを使っているとちょっとしたことで不平不満ができます。1026万画素しかないとか、6Kや8Kが撮れないとか、オートフォーカスが外れることがあるとか、不平不満もでますが、OLD SONYを使っていると、そんなちっぽけなことはどうでも良いことだと思えてきます。6000万画素の高解像度モデルが欲しいとか、8K動画記録のカメラが欲しいとか、ほんと贅沢を言い過ぎだったんですよね。
OLD SONYはそんなスペック至上主義を忘れさせてくれ、カメラを構えると不便さで笑みがこぼれます。そして不思議と心が躍る。すっかり忘れていたカメラ本来!?の楽しさを思い出させてくれる笑みが溢れる素晴らしいカメラでした。そう言った意味では、今回の対決、真の勝者は、サイバーショット DSC-P2かもしれませんね。何十万円もする高価な最新機種を買わなくても、中古で安いオールドデジカメでその何倍も楽しめます。たっぷりとお釣りがきますね。
さてさて、笑いが絶えなかった今回のカメラの無差別級新旧SONY対決。皆さんのご自宅にオールドデジカメが眠っていましたら、引っ張り出して撮影してみてはいかがでしょうか。新商品が発売するたびに、欲しくなってしまう不治の病が治ることでしょう。ただ、オールドデジカメ沼にハマる病にはご注意ください。
みなさんも良きオールドデジカメ ライフをお過ごしくださいね。
それでは、I’m α graphic designerでした。さようなら〜。
執筆の励み
最後まで、お読みいただき実にありがとうございます。
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私が使ってよかったと思うカメラなどの機材などのレビューを「物と音」WEBSITEでも紹介させていただいています。よろしければこちらもご覧いただけたら幸いです。お時間ありましたら足をお運びください。
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