マクロ撮影で、マイクロフォーサーズOM-1を選んだ理由とは!?
皆さん、こんにちはI'm a graphic designerです。前回、マクロ撮影の沼に足を踏み入れた経緯を書かせていただきました。今回はさらに沼の深みにハマってい来ます。マクロ撮影に興味のある方は、ぜひご一読お願いしますね。
ということで、今回は「マイクロフォーサーズの利点を最大限活かす。OM-1を用いたマクロ撮影」と題してお送りさせていただきます。
今回のマクロ撮影で使用するカメラ OM SYSTEM OM-1
マクロ撮影をさらに楽しむために。
フルサイズからマイクロフォーサーズカメラへ
まずは、もともとLマウントのフルサイズミラーレス一眼カメラPanasonic LUMIX S1とS5とSIGMAの105mm F2.8マクロレンズに2倍テレコンを装着して、マクロ撮影を楽しんでいました。マクロ撮影では、センサーに写る像の大きさと同じ大きさで撮影ができる、つまりは撮影倍率が等倍で撮影できるレンズを用いての撮影です。物などのディテールを大きく写し出したり、小さなものを大きく写すことができます。
マクロ撮影はいくつかの点を克服して撮影しなければなりません。マクロ撮影の経験のある方は、ご存知だと思いますが、とにかく被写界深度が浅くなり、フォーカスの合っている範囲が狭くなります。SIGMA 105mm F2.8マクロレンズで開放F2.8なんかで撮ろうものなら、極細の範囲だけフォーカスがあって、ほとんどボケた写真になります。
スナップ撮影では、街並みや人物を撮影することが多いでしょう。被写体が大きければ、F2.8やF1.4などという明るいレンズで開放で撮影も利点を活かせます。しかし、被写体の小さなマクロ撮影では、ボケすぎると困るわけです。
フルサイズLUMIX S1とSIGMA 105mm f2.8 マクロレンズを用いて、開放F2.8で撮影。フォーカスが合っている範囲が極めて狭い。いわゆる被写界深度の浅い写真です。これだと何の写真なのかわからないですね。
マクロ撮影のポイント【その1】ボケすぎない
フルサイズに比べて、マイクロフォーサーズは「ボケない」なんて聞いたことはありませんか。詳しい説明は過去の記事で書いていますので、ぜひこちらをご覧ください。
フルサイズより小さいフォーサーズセンサーでは、ボケが得られにくいのは事実。ボケにくいというとネガティブに感じますが、ボケすぎないことも時には利点になります。マイクロフォーサーズを使うとレンズを適度なボケが得られることがよくわかります。ボケすぎない撮影ができるということです。
試しにフルサイズのカメラで絞りF4とマイクロフォーサーズのカメラで絞りF4で撮影し、比較してみましょう。
フルサイズとマイクロフォーサーズ ボケの比較
写真・上)
フルサイズカメラ LUMIX S1に24-105mm F4 通し標準ズーム使用します。焦点距離を34mmに設定し、OM-1と同様の画角になるように調整。絞りはF4です。
写真・下)
マイクロフォーサーズカメラ OM SYSTEM OM-1 に17mm F1.8の単焦点レンズを使用。焦点距離は17mm、絞りF4で撮影。
フルサイズとマイクロフォーサーズ 絞りF4 撮影 比較
フルサイズとマイクロフォーサーズどちらのカメラも同じ焦点距離で、同じような画角で撮れるようにしました。ともに絞りはF4です。もちろんレンズの性能にも左右されるので、全く条件が同じではありませんが、目安になるでしょう。写真中央の定規で20cmの数字付近にフォーカスを合わせました。
写真・上がフルサイズ。写真・下がマイクロフォーサーズです。フルサイズでは定規の18cm〜22cmあたりまでおおむねフォーカスが合っています。そこから次第にボケ量が増しています。マイクロフォーサーズでは、16cm〜25cmくらいまでおおむねフォーカスが合っています。そこから次第にボケ量が増えます。
フルサイズ、マイクロフォーサーズが同じ絞り値の場合は、フルサイズの方が被写界深度が浅い。つまりはフォーカスがあっている範囲が狭いということになります。比べてマイクロフォーサーズは被写界深度が深い。つまりはフォーカスがあっている範囲が広いということになります。
フルサイズとマイクロフォーサーズ ボケ量を同等した場合の比較
フルサイズは、先ほどと同じく絞りF4です。マイクロフォーサーズOM-1は、絞りをF2にします。いかがでしょうか?ほぼ同等のボケ量になったのではないでしょうか?絞りの比較の結論。同じ絞り値ではフルサイズの方がボケる。逆に言えば、マイクロフォーサーズの方がボケない。
マイクロフォーサーズがフルサイズと同じボケ量を出すには、F値の明るいレンズを選ぶ必要があります。ネガティブに言えば、マイクロフォーサーズはフルサイズに比べてボケないのですが、ポジティブに言えば、ボケ量が少ないんです。
何度も同じようなことを繰り返してますが、ボケにくいは、マクロ撮影にとって、大きなメリットなんです。
マクロ撮影のポイント【その2】
「小さなものをより大きく写す」
マイクロフォーサーズのカメラは、フルサイズカメラに比べてセンサーサイズが小さいです。それによって、焦点距離が変わります。詳しくは過去の記事に詳しく書いていますので、興味のある方は、そちらをご覧ください。
フルサイズとマイクロフォーサーズ
同じ焦点距離の場合の画角の違い
続いて、フルサイズもマイクロフォーサーズも焦点距離が同じだった場合は、どうでしょうか。フルサイズLUMIX S1にSIGMAの14mm-24mm F2.8 広角ズームレンズを装着します。マイクロフォーサーズOM-1は、さきほどと同じく17mm F1.8の単焦点レンズを使用します。
写真・上)
フルサイズLUMIX S1にSIGMAの広角レンズ14-24mm F2.8装着。絞りF4で撮影しました。
写真・下)
マイクロフォーサーズOM-1に先ほどと同じく単焦点レンズ17mm F1.8を使用。絞りF2.0で撮影。
フルサイズとマイクロフォーサーズ、どちらも同じ焦点距離17mmで撮影した場合の画角の比較です。フルサイズは広範囲撮れていますね。マイクロフォーサーズは寄って大きく撮れます。同じ焦点距離の場合はマイクロフォーサーズは、フルサイズに比べて2倍に大きく撮影できると言えます。
この大きく撮れることは、マクロ撮影にとって、これまた大きな武器なんです。
マイクロフォーサーズの利点は、ボケすぎず
小さなものを大きく写すことに長けている。
マクロ撮影に最適のカメラシステム。
マイクロフォーサーズの利点をまとめると、ボケ過ぎず、小さなものを大きく写すことに長けていることが、よくわかったと思います。その他にもセンサーサイズが小さいことでレンズを小型軽量に設計でき、コストを抑えた小型軽量のシステムができることなどメリットがあります。
フルサイズが優れている、マイクロフォーフォーサーズが劣っている、のではなく、どちらも撮影シーンにっよって、得意な分野に違いがあるということです。
マクロ撮影では、フルサイズよりもマイクロフォーサーズは利点を活かせるシステムだということがおわかり頂けたのではないでしょうか。
マイクロフォーサーズの中で
私はどうしてOM-1を選んだのか。その理由
マクロマイクロフォーサーズの利点はよくおわかりいただけたかと思います。数あるマクロマイクロフォーサーズのカメラの中で、どうして私がOM SYSTEM OM-1を選ぶことになったのか。その理由について書かせていただきます。それは、「ボケすぎない写真をいかに撮るか」ということです。ボケ過ぎない写真であり、かつ撮れ高、歩留まりを上げるには、どうすれば良いか。そこで注目すべきカメラの機能があります。それは、被写界深度合成という技術です。
マイクロフォーサーズのカメラで候補となったカメラ
マイクロフォーサーズのカメラを購入する上で、ずいぶんと検討したカメラがいくつかあります。候補にあげたカメラは次の通りです。これらの機種に、それぞれ長所と短所があります。かんたんに機種ごとに長所短所を述べておきます。
悩みに悩んだ結果…
私が選んだ機種は OM SYSTEM OM-1
価格の面では、LUMIX G100、LUMIX GH5mk2、OM SYSTEM OM-5をあげていました。デザインの面でもG100が気に入ってましたが、4K動画でクロップされる点、被写界深度合成の機能がないことがウイークポイント。被写界深度合成の機能があるGH5mk2は購入直前、クリックして買い物カゴで決済一歩手間まで行きましたが、取りやめ。その理由は、LUMIXとOM SYSTEMでは、被写界深度合成の撮影方法が異なっていることです。
LUMIXは、被写界深度合成の撮影の際に、画面上のあらゆるポイントをフォーカスを合わせて、たくさん写真を撮り、その後に合成処理を行ってくれます。これこれでメリットもあるのですが、被写体が生き物の場合、長く止まっていないので、被写体ブレが起こります。ようするにブレた写真を量産して撮れ高が激減するわけです。たんに物撮りであれば全く問題ないことですが、私は蜘蛛など虫を撮影したいので、いかに撮影時間を短くするか、そこが非常に重要になってきます。
OM SYSTEMの被写界深度合成の撮影時間は、LUMIXに比べるとかなり速い!しかしながら、被写界深度合成は撮影時に処理されず、専用ソフトで現像しなければなりません。ここは面倒で残念なポイント。(→コメントでご指摘いただきました。「撮影後にソフトで処理しなくても撮影時に合成できますよ」とのことです。私の勉強不足でした…失礼しました。正直、まだまだ使いこなせてません。OM-1のポテンシャルを全然引き出せてない…)軍配は、OM SYSTEMに。
同じOM SYSTEMのOM-5とOM-1でも、さすがはフラッグシップ機のOM-1、あらゆる面でOM-5を超えています。4K60Pの動画撮影や、被写界深度合成の性能も上。もちろんUSB-C端子を備えていますし。ということで、私はマクロ撮影の相棒をOM SYTEM OM-1を選んだというわけです。
北斗神拳みたいなものですよ。私にとってOM-1とは。常人が30%の力しか使えていないように、私もOM-1の力を30%程度しか使えていない。北斗神拳の如く、OM-1の残りの70%の力を引き出さねばならない。
まだまだ、私はこのOM-1のポテンシャルを引き出せてません。特にコンピュテーショナル フォトグラフィの機能を使いこなせていないので、本当のOM-1の実力を知るのは、これからでしょう。OM-1の底知れぬ実力。まずは、深度合成を使えるように精進します。
おわりに
さてさて、私がマクロ撮影でマイクロフォーサーズOM-1を選んだ理由がおわかりいただけたのではないでしょうか。まだまだOM-1らしい写真表現「コンピュテーショナル フォトグラフィ」が使いこなせていませんが、これからOM-1の実力を引き出せるよう、使い込んでいきます。マクロ撮影の作例は、後日ご紹介させていただきますね。
ネガティブな印象を持たれている方も多いマイクロフォーサーズですが、フルサイズにはない利点も多く持っています。特に私のようにマクロ撮影を楽しみたい方には、良い選択肢だと思います。底知れぬOM-1を使いこなせるように精進いたします。
長々と長文をお読みいただきありがとうございました。
それでは、芸術の秋、良きカメラライフをお過ごしください。I'm a graphic designerでした。また、お会いしましょう。さようなら〜。
関連リンク
私が使ってよかったと思うカメラなどの機材などのレビューを「物と音」WEBSITEでも紹介させていただいています。よろしければこちらもご覧いただけたら幸いです。お時間ありましたら足をお運びください。
*なおこの投稿でのリンクは、Amazonアソシエイトを利用しております。リンク先はAmazonとなります。商品の詳細はAmazonでご確認いただけたらと思います。これから機材のご購入を検討されている方の参考になればと思います。
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