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「男臭」考

 そもそも、消臭製品の宣伝文句として「男の5大臭に!」ってどうなんですかね。汗、タバコ、体臭、加齢臭、焼肉……なんか、トップ企業がやって良いことかこれ!? って感じがします。
 こういう売り文句を突っ込む気概もそうだし、この五つを男という性別を表すかのように堂々とぶっ放してくる姿勢には最早こちらが瞠目してしまいますが。
 汗! タバコ! 体臭(これに関しては何なんだ?)! 加齢臭! 焼肉(これも何なんだ本当に)!!!
 ちょっと乱暴に過ぎないか? と思うなど。
 それに本当に男臭を何とかしたいならイ……げほげほ。これは止めておきますかいくら眠い文章とは言ってもね。

 いやまぁ消臭効果はちゃんとあるので日常的に使っているんですけど

 そんな話をしたいのではなくてですね。

 このファブリーズの「男臭」という素晴らしいパッケージを見て考えたというか、気づいたことがありました。

 「臭い」というのは、物理的(?)、というか現象的なもの以外にも、形容詞的に使われることがあります。
 例えば、この小説臭くない? みたいな。

 ここから下は私の超個人的な考えであって、もしかしたら本当に品性の無い下劣なことを口走ってしまっているかもしれないのですが、それはちょっと置いておいてください。後で説明します。

 さて、私はある時、書いたときの記憶がなくなった程度の昔の自分の小説を読み返していて、こんな感想を抱きました。

「いや、男臭がすごいな」と。

 どういう描写に男臭を感じたかと言えば、主に以下の二点です。

1:男性キャラに比べて、女性キャラの容姿の描写が長すぎる。
2:男性キャラは大抵、陽キャ未満の陰キャ寄りパーソナリティ。

 いや臭っさ! と思いましたね。自分で。
 作者を知らなくても、これ絶対男が書いてるだろ! みたいな。もう、ヒシヒシと伝わってきて全身が痒くなってしまいます。自己産の文章なのに。もっと作者の性別を隠す努力をしろよと思いました。いや私は性別非公開なんですけど。

 私の小説についてこうなんですけど、思い返してみると、私が今まで読んできたラノベとかって結構この傾向が強いです。というかほとんど全部がそう。

 女性キャラの描写はめちゃくちゃ細かいですよね。男キャラの見た目は何にも分からないのに、女キャラになった途端、やれ髪は何色でどれくらいの長さだ、身長はどうだ細さはどうだ、目立ち鼻、瞳の色、顔の彫りの深さ、胸囲、パンツの色、すごく細かく描写される。

 まぁこれに関しては、世間一般的に、二次元のキャラクターとして男性を作る場合には、容姿を差別化しづらいというのはしょうがないとは思いますかね。ぶっちゃけ黒短髪と制服で容姿がほとんど固定されていますし。
 ハス太くん? あれは例外ですよ。君もしかしてハス太くんを男として見てるんですか?

 次、男キャラのパーソナリティが陽キャではない。
 これはややもすれば一個目の特徴より難しい問題かもしれないですよね。こういう作品の主人公の男って、だいたい、舞台となる学校のクラスの中心にはいなくて、友達は少なめで、世間・学業・先生に対してとにかく斜に構えている。見事に。全員。それでヒロインの言動にやれやれつっこみを入れたりするポジションなのがほとんどである。

 あんまり口にしたくないし自分も耳が痛いんですけど、これは商業誌としての役割なのかなとか思う。
 高校生を想定して考えてみると、ラノベを熱心に読みふけるのって、少なくとも陽キャの可能性は低いですからね。小説っていうのは主人公のパーソナリティが自分に近いと、ある程度読みやすい。感情移入できたり投影できたりするので。それで、学校でラノベを読む男子のなかで、どんな属性の人が一番多いかって考えて、よしじゃあそれに迎合するような主人公を編もうと作者さんが考えると、そうなってしまうのでしょう。
 さらに言えば、そういう斜に構え系主人公は何もしなくてもモテます。つっこんでるだけなのに一方的にモテる。これも読者層に迎合略。

 このような考えのもと自分の作品を読み直してみたら、まぁなんとその傾向の強いことか。なんかしょんぼりしてきました。次から気をつけます。

 描写の対策として、以下のようなことが挙げられるかもしれない。

1:男性キャラの容姿も事細かに描写する。
2:そもそも男性キャラも女性キャラも、容姿の描写を避ける。
3:陽キャないし中庸なパーソナリティを書く。

 一個目は既に挙げた理由から難しいかもしれませんね。男の見た目で説明することなんて、精々髪の色くらいでしょう。あとは筋肉量とか? 目つきとか、纏う雰囲気とか、ここらへんは私の文章力が乏しいので難しいですね。もっと本を読もう。
 舞台が髪染め禁止の学校だったらみんな黒髪になってしまうので、個性が出ませんね。

 それに最初から容姿の情報を全開にしてしまうと、叙述トリックの幅を狭めてしまうかもしれない。何の説明も無かったけど実は主人公は超合金ロボットでした、みたいな。

 二個目は個人小説であれば可能かもしれませんが、商業誌には難しいのかなとか勝手に思っています。売り出すとしたら書店で手に取ってもらえるような魅力的な表紙や挿絵が不可欠ですからね。私も実際小説をパケ買いすることがあるので、この点は疎かにできません。

 三個目はもう、頑張れとしか。

 どうすれば小説を消臭できるのか。難しい課題ですね。それを読んで「○○さんの文章だな」とか思ってもらえるのは良いかもしれないですけど、作者の人格とか周辺の情報があまりに伝わってくるものは私としては、そういうものを書くよりはもっと訳の分からないものを書きたいと思ってしまう。

 眠たいときに書いた文章です。読みづらいですね。こんなクソみたいな記事を作るな。

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