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新居昭乃ニューアルバム「Botanical Note」CDとハイレゾの音の違いについて

X(旧Twitter)でCDとハイレゾ版の音の違いを
ユーザーの方と少しお話ししたことがありました。
SNSでは文字数の制限もあり不十分だと思い、CDとハイレゾの違いについて
こちらで書いてみたいと思います。あくまでも僕の個人的な感想です。

レコーディングで使用される機材も時代と共に変化してきて
今ではAAC-LC、Lossless、ハイレゾ等、
ファイルベースの音源が増えてきました。
海外では大手のCDショップはなくなり、殆どの音楽ユーザーは
配信、サブスク等、ファイルベースに移行しています。

けれど日本ではまだまだCDの需要があり、
アナログ盤も含め、ユーザーにとっての様々な選択肢が残されています。
僕はCDというメディアが最終的な完成品である、
という時代が長かった人間ですが
それは好ましい状況だと思っています。

今回のニューアルバム「Botanical Note」は48khz / 24ビットという
フォーマットでレコーディング、マスタリングしました。
「Botanical Note」ハイレゾ版は48khz / 24ビットですので、
僕たちが現場で聴き、その都度、判断してきた音がそのまま反映されています。
一方、CDのフォーマットは44.1khz / 16ビットですので、
ハイレゾフォーマットをそこに落とし込む作業が必要になります。
エンジニアによって様々な選択肢があるのですが、
僕の場合はコンピューターの中で自分がベストだと思う方法で
CDのフォーマットに変換しています。

音の印象ですが、ハイレゾは前に述べた通り、
自分たちが現場で聴いてきた音です。
リバーブの切れ際や音が反射する壁の材質まで伝わるような繊細さがあります。

CDはハイレゾから情報量を落としていくわけですから、
劣化とは言いたくないのですが、明らかに音は違ってきます。
ですが、分離の良さや、角が取れて音同士が馴染むと言いますか、
うまく纏まって聴こえたり、覇気のある音に聴こえたりもします。
CDはアートワークも楽しめて
手に取ったモノ感が嬉しいということもありますよね。

それと重要なのはハードです。
いくらハイレゾと言ってもある程度の機材や機能がなければ再現性はないです。
最新のオーディオインターフェイス(一番需要なもの)に変えたら
今まで聴いていたMP3がとてつもなくいい音で鳴った経験があります。
CDプレーヤーやオーディオ機器についても同じことが言えます。

ここまで音そのものについて書いてきましたが、
実は本質はそこでは無いと思っています。
子供の頃、ラジオから流れてくる大好きなアーティストを
カセットテープで録音して聴いていました。
決して良い音でありませんが、
アーティストの持つヴァイブレーションは十分に届いていました。
昭乃さんが伝えたかったことはどんな環境で聴いても
届くように作り上げたつもりです。
それぞれ、ご自分に合った環境で聴いていただければ幸いです。

保刈



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