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アルバム「Botanical Note」について

Botanical Note 発売を記念して、新居昭乃、保刈久明、ふたりでアルバム制作について話してもらいました!

以下、保刈久明 「ホ」
   新居昭乃 「あ」

ホ】Botanical Note ニューアルバムについて、前回の「ミツバチの羽音」に
  引き続き、ふたりでお話するということで、よろしくお願いします。
あ】よろしくお願いします。
ホ】前もそうだったけど、オレが進行役になるのかな?
あ】すみません(笑)
ホ】じゃぁそんな感じで(笑) 
  今回の「Botanical Note」ね、このアルバムは、レコ発ライブをやろうという
  のが決まって、それがきっかけになってスタートしたのかな?
あ】そうなんだけど、元々「植物」をテーマにアルバム作りたい、っていう構想は
  あったの。
ホ】じゃぁ「Botanical Note」っていうタイトルも、前からあったの?
あ】けっこう前に決めてたの。確か「Feathers in Your Heart (ライブ)」のリハ
  中に(マネージャーの)シンリちゃんに、『次のアルバムのタイトル、
  「Botanical Note」にしようと思うんだけど、どうかな』って聞いたのを覚え
  てるから、去年の春頃かな。それまでもちょこちょこシンリちゃんには、どん
  なアルバムにしよう、とか相談してたんだけどね「Botanical Note」『すごく
  いいと思います』って、言ってもらって。
ホ】レコ発ツアーをやろうって決まったのって、いつ頃なの?
あ】去年の年末位だったと思います。
ホ】その時には、どうだったんですか、曲は。もうあった?
あ】曲は、、「Henichesk」 しかなかった。
ホ】えっ(笑)ほんとにそうなの? 何かモチーフみたいなものは? 
あ】何小節かのフレーズだけ、みたいなのはいくつかあった。
ホ】それはもちろん「Botanical Note」を作る前提での?
あ】イヤ、そうじゃなくて、
ホ】そうじゃないのか(笑)
あ】何気に作ってたものがあって、使えるものは使ったんだけど、、。
ホ】うーん、アーティストみんな、あるあるだとは思うけど、まぁいいや。 
  じゃぁ、1曲目から話して行きましょうかね。

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1Henichesk
ホ】これはもうライブではやってるよね。
あ】うん。
ホ】モチーフは「ひまわり」?
あ】うん。平和を願って歌っている曲です
ホ】「Botanical Note」っていうテーマともシンクするっていうことだね
あ】うん。
ホ】これ、シンプルにウクレレだけでライブでやってる曲じゃないですか。だから
  当初ね、オレはそのまま昭乃さんの歌と演奏だけでいいかなと思ったんですけ
  ど、CD化する上でね、やっぱりちょっと色付けしたほうがいいのかなと思っ
  て、オレもウクレレをダビングさせてもらって、コーラスもね、広がる部分が
  あればね、聞いてくれる人のイメージも広がるんじゃないかな、と思って。 あ】うん、すごくいいアイデアだったね。ひまわり畑になったと思います。


2 Vine
ホ】これは、どういうイメージなんですか?
あ】Vineって蔓だけど、蔓の植物ってどこにでもあって、伸びるのが早くて、空に
  向かって伸びていくって素晴らしいなって、、そんなイメージ。
ホ】生命力的な?
あ】生命力もだし、上へ上へと行こうとする力強さが欲しいなっていう。
ホ】あぁ自分も?そういう願いがこめられてるってことですね。
あ】このアルバムね、お母さんがもう危ないっていう中での制作になったからね。
  なんとなくお母さんを思って作ったようなアルバムになったのね。Vineは、私
  も同じ場所に行くからね、っていうようなね。
ホ】お母さん花が好きだったでしょ? そういう気持ちもこもってるのかなって、
  私も思いました。
あ】そうだね、ずっと気になってたから植物をテーマにしたのかもしれない。

ホ】音的なことに関して、どうですか?
あ】Logicに入ってるギターのループで、かっこいいの見つけて、Vineのイメージ
  とカチッと合ったから、それを聞きながら曲を作っていったんだけど。そのギ
  ターは耳コピして、そっくりに保刈くんに弾き直してもらったよね。 どうで
  もいいことだけどそのループを私はハチロク(8分の6拍子)で取ってしまっ
  てたんだけど、実は4拍子のシャッフルだったんだよね。それがわかった今と
  なっては、聴いてるとちょっと変な感じになるんだけどね(笑) 
ホ】僕的には、サビがちょっと、昭乃さんにしては明るくて(笑)、ポップだから
  オーソドックスにアレンジしたつもりです。
あ】なるほどー。すごく気に入っています!
ホ】じゃ、よかったですね。


3 Black Beanstalk
あ】私が「曲作らないとー!」って焦ってた時に、保刈くんが出してきてくれたモ
  チーフ、、、
ホ】(笑)そうなんですよ。オレはこの企画を聞いた時に「これはマズいな」と。
  だって前のアルバムが出てから2年でしょう、そんなタームで出したことない
  でしょう。
あ】うん。
ホ】だからもうこれはヤバイなって思って、昭乃さんが煮詰まったら「これはど
  う?これはどう?」って出すために3、4個位モチーフを作ってたから。
あ】そして3、4個位出してくれたもんね。
ホ】その中の1個がこの曲のイントロとAメロの部分になったね。
あ】私、そのモチーフがすごく気に入ってね、それでもなかなか曲にならなかった
  から「使わないなら返して」って言われたよね。「絶対使う」って言って返さ
  なかったけどね。
ホ】オレらの中でそういうやりとり多いね。持ってかれたってことですね。はい。
  これって「ジャックと豆の木」だよね?
あ】これもふわーっと空に昇って行くような感覚がある曲になったから「ジャック
  と豆の木」が重なって、種ともこちゃんの「不思議な樹」っていう「ジャック
  と豆の木」を題材にした曲があるんだけど、大好きな曲だから、それも思い出
  したりして。童話のダークな雰囲気を出せるといいな、って思って、わかりや
  すくBlack って付けました。
ホ】童話って、元々はすごく怖いっていうよね、今は子供が読むようにハッピーな
  話になってるけど。そういうとこに的を当ててったのかなと思ったんですけど
あ】うん、雰囲気としてはね。歌詞の内容としては別にダークなことを言ってはい
  ないんだけど。唯一大サビで、巨人がジャックを食べようとしてるよ、って暗
  示してみてるけど。ジャックって巨人のところから宝物を盗んで来るでしょ、
  それって悪いことに思えるけど、でも元々はジャックのお父さんのものを巨人
  が奪ってたっていう説もあるみたい。いいとか悪いとか、一概には言えない、
  っていうことも言いたかったことではあるのかな。ジャックのポケットに一粒
  の豆が残ってた、っていう説もあって、古い民話だから色んな説があるんだけ
  ど、それが微かな希望に繋がるといいなって思って、歌詞に取り入れました。
ホ】そういう話を聞いてたんで、アレンジはダークな部分もあって、ちょっと深く
  て、なんだろう、怖いまではいかないけど、、、
あ】怪しげな感じね、間奏とかね
ホ】うん、そういう雰囲気にまとめたつもりです。


4 Orlaya
あ】これはもう最初からyukakoさん(yk (Hello1103) )に声で参加していただく
  ことを前提に作った、yukakoさんの声のイメージからできた曲です。
ホ】ちょっと話が前後しちゃうかもしれないけど、前の「ミツバチの羽音」ってい
  うのは、ほとんど自分でアレンジして、プライベートな気持ちで、やりたいよ
  うに作っていったアルバムじゃない? オレも手伝ったり、ゲストにも入って
  もらったけど。で、今回この「Botanical Note」っていうのは、もっと色んな
  人に入ってもらってるじゃない? オニキさん(Yuji Onikiさん)に曲も書い
  てもらってるし、そのへんはどう考えてたの?
あ】yukakoさんの声を知って、ぜひ一緒に歌ってもらいたいって思ったところか
  ら、そこからね、次のアルバムは人の力を借りたいっていう気持ちになって。
ホ】前とは違う方向に行きたいっていうのがあったんだね。外に向いているという
  感じですかね。
あ】他の人の声ありきで作った自分の曲っていうのは初めてだったかもしれない。
ホ】想像を遥かに超える声と声のマッチングが素晴らしくて。なんだろうね、ふた
  りの声はまったく違うんだけど、合わさるとまた別の世界に行ける。
あ】自分の声だけで作ってた時とは全然違うものになったよね。視界が広がる感じ
  がして。
ホ】yukakoさんとHello1103っていうユニットを組んでるHitomiくん(Katsuhiro
  Hitomiさん)が、レコーディングしてくれてね、マイク3本立ててくれて、
  1パートにつき3本のファイルを送ってもらったんだけど、どれも素晴らしく
  て。どれを使うか迷いました。贅沢な悩みでした。
あ】yukakoさんと同じく、すごく丁寧なお仕事だったよね。感動しました。

ホ】これ、歌詞的にはどういう?
あ】歌詞もね、yukakoさんのイメージがあって、Orlayaって真っ白な花で、とて
  も清らかな雰囲気があって、yukakoさんの佇まいと重なるな、って。何度か
  お会いしたりお話ししたりしてるうちに伝わってくるお人柄があるでしょう。
  日々を積み重ねるように誠実に生きている人には、素晴らしい恵みの雨が降っ
  てほしいっていう気持ちです。でもその雨って、じつは誰にでも平等に降るも
  のなんだよね。
ホ】音的には?
あ】最初にピアノとリバースの音を作ったんだけど、、。ほぼ私のデモ音源に忠実
  にアレンジしてくれたよね?
ホ】そうだね。


5 Sprout
あ】作曲はオニキユウジさんで、歌詞は、私が作ったものを元にして、オニキさん
  も考えてくださったので、共作という形になっています。
ホ】この楽曲を作ってもらう時に、もちろんBotanical Noteのコンセプトみたいな
  ことは、話したんですよね?
あ】うん。それは最初にお伝えして、で、Sprout っていう曲は元々このアルバム
  を作ろうと思った時から持ってたイメージで、小さな双葉をつけた種がどっか
  からか飛んできて、荒れ果てた廃墟に落ちて、芽を出して花を咲かせてくれる
  といいな、どこにでもそういう芽はあるんだっていう思いで、、、で、それは
  オニキさんもよくわかってくださって。
ホ】オニキさんには以前にもね、Happiness is Here を作ってもらったり、Saint
  Bleu だっけ、歌詞作ってもらったり、コラボさせてもらってたよね。
あ】うん、それ以来のコラボ、、。 オニキさんがまた音楽活動に戻って来られた
  タイミングで、オニキさんの未発表音源をね、ぜひアルバムとして出させてく
  ださい、っていうお話をして、それが『Separate Peace』として完成したの
  でものすごく感激だったんだけど、そのお話をさせてもらってた時に、自分の
  アルバムも作るので良かったらまたコラボしてくださいってお願いしました。
ホ】昭乃さんがこよなく敬愛するオニキさんとコラボできて、とてもハッピーだっ
  たんじゃないですか?
あ】そうなの。やりとりさせてもらってる間、ずっと幸せでした。
ホ】これはね、僕はタッチしてなくて、ミックスまでオニキさんにお任せしたんで
  ね。面白かったのが、イントロがフェードインしてくるっていう。いや、こう
  いうのあるんだなって。今まで自分が聴いて来たレコード、プログレとかには
  あったんだけどね、なかなか斬新で、おっ?っと思いました。
ホ】あ】さすがオニキさん。
あ】この曲ね、最初にオニキさんがいくつか曲を送ってきてくださった中にあっ
  て、すごく惹かれた曲で、、ふたつ目のコードがいいんですよね。ひとつ目か
  らふたつ目に行ったとこで、あぁこれはもう素晴らしい、歌いたい、ってなり
  ました。


6 Hoshi no mi
あ】これは前に作ってたモチーフがあったんだけど、曲にしようと思って取り組ん
  でた時にもう、tico moonのおふたりとチェロの結城貴弘さんの演奏をイメー
  ジしてました。tico moon のおふたりには絶対アルバムに参加していただきた
  いと思っていたのだけど、この曲を演奏してもらえたらとてもいいな、って。
  自然とチェロのフレーズも浮かんできて、結城さんに弾いてもらうことを想定
  して、アレンジを完成させて行ったっていう感じです。

ホ】これね、tico moonさんのプライベートスタジオにお邪魔して録音してもらっ
  たんですけど、前回の「ミツバチの羽音」の時もお邪魔したけど、スタジオが
  よりグレードアップしてて、マイクがとにかくすごいマイクで、、、ハープの
  自然な残響、ギターの響き、余すところなく録音されてて。結城さんの音もす
  ごく良くて、僕はミックスの時、EQとリバーブをちょっと足した位で、ほと
  んど手を加えてないです。 
あ】結城さんもすごくお忙しい中で、時間を削って録音してくださったと思うのだ
  けど、めちゃめちゃいい音でしたよね。
ホ】うん、ご本人も出来上がりを気に入ってくれてたみたいで僕もホッとしまし
  た。パフォーマンスももちろんいいんだけど、素晴らしい音で音源もらえたん
  で、助かったし、すごくいいものができたと思います。
あ】オケができて、「これは一生懸命歌わなくちゃ」って思いました。
ホ】全部一生懸命歌ってください。
あ】はい(笑。 そうそう、「星の実」っていうのもね、前から構想があったの。
  実際の植物だけじゃなくて、架空の植物のことも歌いたいなって思ってて、、
  時空を超えるファンタジーになりました。


7 Flora City
ホ】僕から先に言わしてもらうけど、昭乃さんが作ってたモチーフがいくつかあっ
  た中でね、放っておかれてたものなんだよね。
あ】うん、できない、ムリ。って。
ホ】僕はこれを聞いた時に、可愛い曲になりそうだなって、ボツにするのはもっ
  たいないなって思って、ダメもとでちょっと広げてみたっていうか、Aメロの
  部分だけトラック付けてみたら、昭乃さんも、できそう、ってなってね。
あ】救済していただいて、、。
ホ】ちょっとね、なんか90年代ぽいっていうか。
あ】そうね、いい意味で古くさい感じがあって、だから歌詞もちょっと「深海魚に
  なって」とかね、バブルな雰囲気の言葉も使って、「エメラルド通り」とか
  「メトロポリス」っていうアニメに出てきた通りの名前だったり。その頃たく
  さん読んでた星新一のね、軽快さの中に潜む皮肉や毒のような感じも意識しま
  した。 イメージとしては、荒廃した街に花が降ってくるっていう、雨がどん
  どん花びらに変わって行って、街が埋もれちゃうような。できればね、そんな
  世の中になってほしいけど。
ホ】それは何?人間が自然を壊していくとか、それに対するアンチテーゼみたいな
  こと?
あ】そこまで強いメッセージではないけど。
ホ】地球的にというより、内面的に、なんとなく先が見えなかったりとか、後ろ向
  きになってる感じがあるよね。そこに花を降らしたいってことですかね。俺が
  まとめちゃっていいのかな。
あ】はい!


8 Colony
ホ】これは最初からイメージ固まってたんじゃないですか?
あ】最初のアルペジオが浮かんで、それに乗せて歌ってて、「コロニー」の風景、
  人類がどこから来たかわからないけど、もしかしたら生命の種は宇宙を渡
  って来たかもしれない、で、地球に住みついて、コロニーを形成したと。
ホ】これフルのMVが公開されてるじゃないですか。あれに近いんだよね?
あ】そう。あれは宇宙飛行士が苗を運んで来てるけど、元のイメージとしては、苗
  っていうか、種っていうか、菌。みたいなものが宇宙を旅して、どこかの惑星
  に辿り着いて、っていうイメージですかね。
ホ】オレはそんなS Fみたいなイメージだって知らなかったから、曲を聞いた時は
  もっと牧歌的な、ネイチャー的な歌なのかなーと思ってたら、違うっていうこ
  とで、アレンジ変えていったんだよね。 これもtico moonのお二人にね、弾
  いてもらって。
あ】こういう曲もお二方すごく合いますよね。ハープはシーケンサーみたいなフレ
  ーズなのだけど、友加さんのリズムになると数段豊かに聞こえますね。
ホ】影山さんアコギのイメージ強いですけど、エレキもすごくかっこいいよね。
あ】そう、音がすごくかっこいい。もちろん保刈くんのギターの音もかっこいいん
  だけど、今回は、影山さん友加さんのアンサンブルでお願いしたいな、と思っ
  て。おふたりとも、いつもだけど曲の理解度が深くて、、何も言わないうちに
  伝わっているのがすごいです。
ホ】本当にいい人たちと出会ったね。 で、これももうベースはタカシくんに頼も
  うって決めてたんでしょう?
あ】そうだね。フレットレス入ったらいいなと思って、最初からタカシくんにお願
  いしたいと思っていました。
ホ】タカシくんってね、昭乃さんが参加してるCodex Barbèsっていうバンドで、
  スティックベース弾いてて、、
あ】そう、ギターとベースを楽器ひとつでやってしまうという離れ技ができる人
  で、ライブもね、「フィンブルの冬」で出演してもらって。これもタカシくん
  のプライベートスタジオで録ってもらって、すごくいい録音で、、。
ホ】昭乃さんの楽曲を聞けばおのずとそうなるのか、そういう人と巡りあっている
  のかわからないけど、これももうバッチリだったね。 そういう意味で恵まれ
  ていますよね。
あ】うん。もうほんと恵まれてる。タカシくんには初めてアルバムに参加してもら
  えて嬉しかったな。


9 Cosmos
ホ】これもオニキさんとの共作だね。
あ】これはね、オマケみたいにして送ってもらったモチーフだったの。
ホ】あぁ、それを拾って曲にしたんだよね。途中、オニキさんが構成を変えてくれ
  たとこもあったよね。
あ】そう、再構築してもらって完成しました!
ホ】昭乃さんがアレンジした時にはベースは入ってなかったんだけど、オニキさん
  がベース弾きたいって言ってくれてね。やっぱり良かったよね、オニキさんの
  ベースが入って。なぜか俺がギター弾いてるんですけどね。
あ】なんで「なぜか」なの?(笑) 私が、トレモロでなんか弾いて、ってお願い
  したんだよ。
ホ】俺はもう、こういう曲は大好きなんで、こんなもん朝メシ前です、っていうん
  で、やらしてくださいって言ってね。
あ】あははは。一瞬で終わったよね。

ホ】コスモスって、お花だと思ったんだけど、違うの?
あ】宇宙のコスモスですね。
ホ】それ、掛けてるってことですか?
あ】うーん、でもね、冬が終わる時の曲だからコスモスは咲いてないの。
ホ】それ、ダメじゃないですか。これ、だってBotanical Noteの流れで来て、コス
  モスって言ったら、ふつう花だって思うじゃないですか。
あ】もうどうにもならなかったの。
ホ】そこは、罠なんですね。昭乃さんの罠。 そういうことらしいですので、皆さ
  ん注意して聞いてください!
あ】歌詞の内容としては、冬の陽だまりのような、安心感というか、何も心配する
  ことはないよ、っていうことが言いたかったです。オニキさんのモチーフを聞
  いて、そういう気持ちになったの。


10 Garden Gate
あ】はい、また名曲が来ちゃいました。これは作詞作曲、編曲までオニキさんで
  す。歌も歌ってもらって。そこに私が入ってしまって、、。
ホ】オニキさんとデュエットさせてもらって、どうですか?
あ】オニキさんは、おそらくコーラスはやってもいいって考えてくれてたかもしれ
  ないけど、全部歌うつもりではなかったと思うのだけど、私が全編オニキさん
  の声を生かしたいですってお願いしました。
ホ】たまたま声を一緒に出して聞いてみたら良かった、みたいな?
あ】うーん、私だけが歌うより、オニキさんの声があったほうがずっと良かった
  の。なんならオニキさんだけのほうが、、
ホ】それはダメだろ、自分のアルバムなんだから オレはこれはすごく好きな曲な
  んですよ。
あ】ね、私もすごく好きな曲。
ホ】オレはアルバムの中に入ってたら絶対いいと思って推してたんだよね。
あ】そう、全体ができてきた時にこの曲の存在が大きくなりました。
ホ】全然違う世界だからね、バリエーションもつくし、オニキさんの声があって、
  コラボっていう意味合いも強まるし、良かったと思いますよ。
あ】うん。このオケは、オニキさんが全部演奏してくださってたんだけど、私か
  ら、エレピはサカナくんに弾いてもらうのはどうですか?って提案させてもら
  って、サカナくんにお願いしたら、アコーディオンまで弾いてくれて、そした
  らオニキさんが、サカナくんのウーリッツァとアコーディオンをフューチャー
  する形でまた再構築してくださって、、
ホ】サカナくんやっぱり素晴らしいアーティストで、あのアコーディオンもかっこ
  いいし、エレピもね、アプローチが効果的で、すごくいい感じになったんじゃ
  ないでしょうか。
あ】サカナくん入ってくれて、Garden Gateの世界がより確立されて行った感じが
  しました。 Garden Gateっていうタイトルもかっこいいでしょう?
ホ】どういう意味なんですか?
あ】私なりの解釈ではね、、境界線の話してたことがあって、オニキさんと。 日
  常と異世界の境界線って、わりと身近なところにあるんじゃないか、というよ
  うな感じかなと思います。「a stone’s throw away」って、すぐそこって意味
  だそうなの。どの庭にも幽霊がいる、とか、慣れ親しんだ場所にゲートがある
  のかな。オニキさんの歌詞の世界、すごくイマジネーション掻き立られます。


11 Clover
あ】これは、チエさん(kidlitさん)にピアノ弾いてもらって、yukakoさんと3人
  だけでやる曲にしたい!って思って。
ホ】プロダクションがすごくはっきりしてる感じしましたね。これは、チエさんの
  ピアノ、いつもだけど本当に素晴らしくて。Orlayaの時も言ったけどyukako
  さんとの声の混ざり方がとても素敵で、昭乃さんひとりで完成させることもで
  きたけど、全く違う世界が作れたのかなって、それはきっと聞く人も感じ取っ
  てくれるんじゃないかなって思うね。
あ】歌詞的には、、時間が止まるっていう、、Stayっていう私の曲がありますよ
  ね、あれは、美しい瞬間を留めたいっていう歌だったんだけど、これは、止ま
  った時の歌です。
ホ】どんな歌でも、聴き手の受け取り方ってそれぞれだから、解釈は委ねてしまっ
  ていいと思うけどね。
あ】時が止まるように感じる瞬間ってあると思うんだけど、、一番美しい世界の中
  にいて。だからシーンとした風景をイメージしてたんだけど、チエさんがあん
  なふうに、いつにも増して魔法の粉を振り撒いてくれて、それで、「止まった
  んだけど、ものすごくキラキラした風景の中にいる。眩しい、素晴らしい。」
  っていうイメージに変わったの。そのほうがずっといいし、それは本当にチエ
  さんのおかげだと思っています。そして、yukakoさんに入っていただいて、
  yukakoさんは感情を乗せて歌うというタイプではないと思うのだけど、
  yukakoさんのお声が入って、より情緒的になったし、風景に奥行きが出た感
  じがしてます。私はその風景を歌う人、おふたりは煌めき担当です。 この曲
  ね、Orlayaもだけど、ツアー用にyukakoさんがMVを作ってくださっていて
  ね、その中で私たち3人を象徴するアイコニックなものが出てくるのね。ライ
  ブ来てくださる方には楽しみにしていただけたら嬉しいです。
ホ】この曲もね、アルバムの中で素晴らしい存在になったんじゃないかと思いま
  す。

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ホ】ざっとね、1曲ずつ、わたくしが進行役となって、色々と話して来ましたが、
  今回ね、昭乃さんの大好きな人たちに入ってもらって、良かったね。
あ】演奏はもちろん、人としても、大好きな人たちに入ってもらえて本当に幸せで
  す。だいたい今までは8割がた曲ができていて、じゃぁアルバムにしましょ
  うか、って作り始めることが多かったけど、今回、短期間で作ったにしては
  後悔するところがない、納得のいくアルバムになったのって、すごいなって思
  います、皆さんのおかげです。
ホ】オレ、もう絶対できないと思ってた。
あ】(笑)初の試みではあったけど、、
ホ】Botanical Note っていうコンセプトが決まってたっていうことと、オニキさ
  んはじめ皆さんの力を借りてできたことが大きかったんじゃないでしょうか。
あ】本当に。それから私があれこれ迷ったりした時に「こっちだぞ」って引っ張っ
  てくれた保刈くんの功績も大きかったと思います。ほんとにどうもありがとう
  ございました。
ホ】それはいつものことなんで大丈夫です(笑)オレはね、ものすごいホッとして
  ます。ほんとにできたんだなって(笑)
あ】ジャケットもね、がんばって描きました。色鉛筆で。
ホ】これ、すごいいいじゃないですか。けっこう好きですよ、一番好きかも。
あ】えーーっ、それは意外!


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 いかがでしたでしょうか。
「Botanical Note」それから昭乃さん20年の思いが形になったYuji Onikiさん「Separate Peace」たくさんの方に聴いていただけますように!

編集: Pure heart Label おてつだいゆり
Pure Heart Label SOTRES

 


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