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ふたつのキーワード
ここ久留米において、地元経済の再発展はあり得るのか?
この問いにヒントを投げかけるある青果生産者の方がいらっしゃいました。
『全てを福岡へ出荷しておけば私たちは栽培に集中できる、煩わしいことを考えなくてよくなる。しかしそれで地元はどうなるのか?』
70歳を超える彼はこう続けます。
『自分たちはもういいけど、後世に残す地元はどうあるべきなのか...』
広大な敷地で栽培される多くの生産物は安定して出荷できる福岡のマーケットが有効です。しかし彼は久留米の市場へも出荷枠を設定しこれを絶やすことが無いようにと今も手間を惜しまずにいてくれています。
林業では伐採した分の苗木を植えることが当たり前に行われています。植えたご本人が成長した木を見ることはありません。
合理性だけでは無しえないチカラというのがそこには確かにあります。これを体系化し可視化し応用する、再現性を持たせ永続的に機能させる。頂いたヒントは勇気に変わります。
まず始めにふたつのキーワードをピックアップしてみました。これを足掛かりにこの地元、地域経済の再発展に取り組みたい、少しづつでもたどり着ける未来を創造したいという思いで、市民シンクタンクは創設されます。
1.ノン・ゼロサム(non zero sum)
人は子供の頃から競争や勝負を学び、無意識的に相手に勝つことを目指すようになります。
これをゼロサムと呼び、誰かが勝てば負けるものがいる、総体としてみれば勝って負けるのでゼロという概念です。
対してノン・ゼロサムという言葉は誰も負けずに相対的に勝っている状態を指します。
2.ペイフォワード(Pay it forward)
自分が受けた善意を他の誰かに渡すことで、善意をその先につないでいく、直訳すると「先に払う」という意味になります。善意を与えてくれた本人に恩を返す代わりに、他の誰かに(先に)善意を送ることから、日本では「恩送り」とも言われています。
文化形成
ノンゼロサムとは目指すことであり、ゴールではありません。
50年先の未来への道筋をここに示すペイフォワードの精神、私たちはこれを文化形成と規定します。
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