WEB会議で「キーン」と鳴ってしまうのはなぜか?
4月からコロナ渦によって弊社にもリモートワークの波がやってまいりました。
急に必須となったオンラインミーティング、オンラインプレゼン…その中で、一度は経験するであろう煩わしい事象。
「なんかキーーンってなって声が聞こえない!」
「私の声だけ大きいって言われましても…」
「エコーかかってますけどお風呂にいるんですか?」
WEB会議にはつきものだと思います。
「なんかわかんないけど繋ぎ直したら戻った」とか
「なんかわかんないけど離れたら戻った」とか覚えないですか?
今回のnoteでは、この「なんかわかんないけど」を簡単に解説し、解決方法をご紹介します。
最後までお付き合いいただけますと幸いです。
※専門家ではないので、所々適当なところがあるかもしれませんがあしからず。
■まず前提として
題字について書くにあたり、大前提があります。
「Mac book(ノートPC)は、撮影機器でも音響機材でもありません」
日々adobeを動かし、美しい色彩を映し出す傍らの薄い銀色の板は、WEB会議のためにスティーブ・ジョブズが生み出したものではないはずです。多分。
適当な音響設計でオンラインミーティングを行って、ハウリングやエコーが起きてしまうのは当たり前です。
内蔵カメラの画質が悪かったり、動きが遅かったり、内蔵マイクの音質が悪いのも当たり前です。
一番手っ取り早くオンライン通話の質を上げる方法は、「とても高いWEBカメラ」と「とても高いマイク」と、それをPCに繋げるインターフェースを買う事だと思います。
が、しかしそんな所にお金をかける余裕もないのが世の常。
付属の小さなカメラとマイクでクライアントに臨まなければいけない時があるからこそ、トラブルの原因を知っておくのは大切だと思います。
■なぜハウリングやエコーは起こるのか
・通話している時に「キーン」と鳴ってしまう。
・声が何回も返ってくる。(山びこのようになる)
これらは「ハウリング」「エコー」と一般的に呼ばれています。
これらのトラブルの原因はズバリ
「音がマイクとスピーカーの間を永遠に行き来するため」
です。
『マイクから入った音がスピーカによって増幅する→増幅した音が再びマイクに入る→その音が....』
というようにぐるぐるマイクとスピーカーの間を行き来しながら音が増幅し、音の周波数が一定以上になると、私たちを不快にさせるあの「キーン」という音がなるのです。
このことから別名「フィードバック」「音が回る」とも呼ばれます。
ハウリングまではいかないけれど、声がたくさん返ってくる状況が「エコー」です。
余談ですがロックバンドが曲の最後に鳴らす「キーン」も原理はハウリングと一緒で、『フィードバック奏法』と呼ばれています。
■マイクには種類がある
(ここ読み飛ばしてもOKです)
それではなぜ、爆音のライブ会場の中、ミュージシャンが歌うマイクや、ドラムの音を拾うマイクでハウリングは起こらないのでしょうか?
それは
「マイクには指向性マイクと無指向性マイクがあるから」
です。
・指向性マイク → 拾いたい範囲の音だけ拾う
・無指向性マイク → 空間全体の音を拾う
簡単に説明するとこんな感じです。
(専門的には指向性マイクの中にも色々種類があるそうです)
ボーカルの人が使うマイクは、丁度口が来る位置の範囲の音を拾えるように感度や中の構造、イコライザー(音の周波数をを調節するもの)などが調節されているのです。カラオケのマイクも指向性マイクでしょう。
そしてノートPC付属のマイクは、おそらく「無指向性マイク」です。
WEB飲み会の時、結構遠くの冷蔵庫を閉める音や、グラスを机に置く音が聞こえた経験ありませんか?
それは、PCのマイクが360度、全範囲の音を拾っているからなのです。
それではなぜ、1人でmac bookでイヤホンをせずに人と話してもハウリングが起きないのか?
mac book のマイクはキーボード近くの左側に内蔵されているらしいく、スピーカーと近いのにハウリングが起きません。あくまで私の予想ですが、音声がスピーカーから出る際、ハウリングを起こしやすい周波数をリアルタイムでカットしているのではないかと思います。
良い指向性マイクを買えばハウリングはほぼ起こらないはずです。(web会議用にそんなもの買う人、なかなかいませんけどね)
■ハウリング、エコーを起こさない方法
まず典型的な悪い例は
●1部屋の中で複数人のPCでマイクやスピーカーをオンにしている
これだと、他人のスピーカーから出た音を自分のpcのマイクが広い、かなりの確率でハウリングが起きてしまいます。
マイクとスピーカーをオンにするのを1人に限定しましょう。
●1つの外付けマイクをみんなで使用している状況でハウリング・エコーが起こる
これは「スピーカーの音が大きい」または「スピーカーとマイクが近い」のが原因として当てはまります。
マイクを一度離し、スピーカーの音を下げてみましょう。
....
それではWEB会議に、同じ場所にいる全員の顔を個別PCで映し、かつ全員が発言しないといけない時はどうすれば良いか?
それは
●全員がマイク付きイヤホンをつける
これです
イヤホン付属のマイクは口から離れてますが、意外とちゃんと声を拾ってくれます。(テレビ番組で出演者が付けているピンマイクの位置も大体同じです)
かつ、そこまで感度が高くないので、周りの音を拾いにくいのです。
なので同じ部屋にいても、全員がそれぞれのPCでWEB会議のルームに入り、音が自分にしか聞こえないようイヤホンをし、自分の声しか拾わないようなマイクで話せば、ハウリングやエコーが起こらない状況を作り出すことができます。
■それでも起こる時は?
上記の条件をクリアしてもハウリングやエコーが起こる時。
その時は、一度落ち着いて、マイクまたはスピーカーの音量を下げましょう。
mac bookの場合、システム環境設定で、マイクが拾う音量を調節することができます。
「自分だけ声が大きい」もここで解決することができます。
またskypeなどでは、稀にシステムの方から声が返ってくるバグ?によってエコーがかかる場合があるそうです。
その時は一度会議を終了してください。
どのような理由でトラブルが起こるか知っておけば、それをクリアしてる時はシステムが原因だと焦らずに判断できるはずです。
そして、お相手側の音響設計がよくないばかりにハウリングやエコーがかかる時もあるでしょう。
その際も、こちらが原因を理解していれば、「マイクを一つのPCに絞ってみてください」や「スピーカーの音量をもう少し下げてください」など、ある程度の指示が可能かと思います。
■まとめ : with コロナ時代のマナーとして
リモートワークが推進され、WEBプレゼンやWEB会議、WEB面接への対応が必須になったこれからの時代。
「名刺の正しい渡し方と受け取り方」や「飲みの席でのマナー」なんかより
「オンラインで話す際の音響設計にリテラシーがある事」の方が、よっぽどマナーになり得ると思います。
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最後までご覧いただきありがとうございます。
会社にてnoteに1人1ヶ月1投稿という取り組みを行っており
私なりに、すぐに役立つ情報を記事にしてみました。
他の社員の方も十人十色、面白い記事をこのgrand design tokyoアカウントにて順次アップしております。
是非覗いてみてくださいね。
デザイナーのNayutaでした。
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