【場末のアートコラム】NFTが流行ってるけどそれって儲かるん??
はじめに
日本でも2021年09月頃から急激にNFTが浸透してきました。
爆発的に広がった理由としては、NFTの売買を行うプラットフォームであるOpenSea(NFTのメルカリみたいなもの)が普及したことと、Polygon(ポリゴン)と言うEtherenum(イーサリアム)よりも取引手数料(いわゆるガス代)が圧倒的に低いブロックチェーンで取引が可能であると言うことが大きいと思います。
例えばOpenSeaではEtherenumでも取引が可能ですが、取引ごとにかかる手数料が半端じゃないです。その辺りのお話はこちら(※OpenSeaで流行りのNFTアートを購入したら手数料が馬鹿高かった話)にまとめてありますので是非ご覧ください。
今のNTF界隈は現代アートのコレクターが参入していると言うよりはむしろ、ギーク界隈(テクノロジーのアーリーアダプター達)の人達の主戦場と言ったイメージです。ですので、人気を博している作品も現代アーティストのものではなく、イケハヤ(@IHayato)などインフルエンサー達によるものが多いです。
また、NFTの技術自体も朝日新聞出版社のような大手からの書籍販売も予定されており、今後もより一層の盛り上がりが期待されています。
NFTはアートなのか?
NFTはアートの文脈で語られることも多いですが、実際はどうなのでしょうか?
例えば2021/10現在ではイケハヤさんの下記の作品が約350万円で取引されています。
Crypto Ninja #001 より抜粋
価格としては、飛ぶ鳥を落とす勢いの現代アーティストであるKYNEやbacksideworks.より高いです。
現状のNFTは現代アート界の巨匠より、Twitterのフォロワーの多いインフルエンサーの方が高値が付く傾向があります。その理由として、購買している層がアートコレクターではなくテクノロジーに関するアーリーアダプター(ギーク)であることが挙げられます。暗号通貨を先んじて買っていた層と被る感じですかね。
この作品はドローイングでもなければシルクスクリーンでもなく画像データに過ぎません。350万円支払うことで起こることは、ブロックチェーン上にあなたの所有権が記録されるだけです。
ではこの作品はアートなのでしょうか?
個人的にはアートだと考えています。
理由はデュシャンの泉と同じです。現代アートの価値は、技巧や芸術性ももちろん大事ですが、発明品であることが最重視されます。つまり、デジタルアートの新たな文脈を作るNFT作品にはそれだけの価値が付いても何らおかしくはないのです。
NFTって結局儲かるん?
では、今からNFTを購入して儲かるんでしょうか?
多くのNFT作品は技巧や芸術性に劣ることから既存のアートコレクターにはやや敬遠されがちだと思います。
またKYNEなどの現代アート作品と違って、これを買えば必ず転売で儲かる!と言う作品がNFTにおいては少ないことから転売ヤーと呼ばれる人達も入って来ていない印象です。
これらを鑑みて、投機的に今からNFTを買うことがありかと言われると、"アリだが難しい"のが結論だと思います。確かに、いつかのビットコインのように今から良い作品を買っておけば価格が今後跳ね上がるのは間違いないでしょう。ただ、現状は過熱気味でややバブル感があるので有象無象が入り混じっているのが正直なところです。
ですので、本物を買う審美眼に自信がある方にとっては購入の絶好の機会です。今のNFTマーケットをポジティブに捉えると、本物を安く買うチャンス、ネガティブに捉えるとほとんどがゴミである状況です。
もし本物に絞って買い集めることが出来れば今後、あなたに大きなリターンをもたらしてくれるでしょう。
ここで注意したいのは、NFTの価値は必ずしも既存の現代アートの文脈には当てはまらないことです。技巧や芸術性より、ギークのコミュニティ内での評判やポジションがNFTの価値を形成している大きな要因の1つです。
いままさにNFTのビッグウェーブが来ているので乗り遅れないようにしたいですね!
最後に
最後まで読んで下さりありがとうございます。これで今回の記事はおしまいです。スキやコメントを頂けると今後の励みになります!
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