見出し画像

【院試解答】東大院 工学系 数学 2024年度 第3問【複素解析】

割引あり

東京大学大学院 工学系研究科の入試過去問の解答例です.2024年度の数学(一般教育科目)第3問について解答・解説します.問題は研究科のWebサイトから見ることができます.

問題PDF


本記事に掲載されている解答および解説は、私が独自に作成したものであり、大学公式の模範解答ではありません。内容の正確性には細心の注意を払っておりますが、誤りや不備がある可能性もございます。本記事の使用により生じたいかなる損害についても、私は一切の責任を負いかねますことをご了承ください。
©︎ 2024 院試対策室, GOSHOURAKU Hirokouji

#大学数学 #院試過去問 #院試解答 #東大院試 #複素解析 #留数定理

I.

解答

$$
\begin{aligned}
&\quad z\bar{z}+\sqrt{2}(z+\bar{z})+3i(z-\bar{z})+2\\
&=(z+\sqrt{2}-3i)(\bar{z}+\sqrt{2}+3i)-9\\
&=(z+\sqrt{2}-3i)\overline{(z+\sqrt{2}+3i)}-9\\
&=|z+\sqrt{2}-3i|^2-9\\
\end{aligned}
$$

となるので,与不等式(1)は

$$
|z+\sqrt{2}-3i|^2\le 9
$$

$$
\therefore |z+\sqrt{2}-3i|\le 3
$$

となる.これは点$${-\sqrt{2}+3i}$$を中心とする半径3の円およびその内部を表すので,図示すると下図のようになる.

与不等式を満たすzの領域

解説

複素数の式が満たす領域を図示する問題です.共役複素数と絶対値の関係を用います.わからない場合は$${z=x+iy~(x,y\in\mathbb{R})}$$とおき,実数の式に持ち込めばよいです.

ここから先は

5,554字 / 1画像

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?