【院試解答】東大院 工学系 数学 2019年度 第4問【ベクトル解析】
東京大学大学院 工学系研究科の入試過去問の解答例です.2019(平成31)年度の数学(一般教育科目)第4問について解答・解説します.問題は研究科のWebサイトから見ることができます.
本記事に掲載されている解答および解説は、私が独自に作成したものであり、大学公式の模範解答ではありません。内容の正確性には細心の注意を払っておりますが、誤りや不備がある可能性もございます。本記事の使用により生じたいかなる損害についても、私は一切の責任を負いかねますことをご了承ください。
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I.
解答
$${f(x,y,z)=x^2+2y^2-z^2}$$とおく.勾配ベクトルは法線ベクトルの一つであるから,勾配ベクトルを求めると
$$
\begin{aligned}
\mathrm{grad}f&=\nabla f\\
&=\begin{pmatrix}
\frac{\partial f}{\partial x}\\
\frac{\partial f}{\partial y}\\
\frac{\partial f}{\partial z}\\
\end{pmatrix}\\
&=\begin{pmatrix}
2x\\
4y\\
-2z
\end{pmatrix}
\end{aligned}
$$
となる.よって,点$${A(2,0,2)}$$における勾配ベクトルは
$$
\begin{pmatrix}
2\times 2\\
4\times 0\\
-2\times 2
\end{pmatrix}
=\begin{pmatrix}
4\\
0\\
-4
\end{pmatrix}
$$
となる.ゆえに,求める法線の方程式は
$$
\begin{gathered}
\frac{x-2}{4}=\frac{z-2}{-4}, & y=0
\end{gathered}
$$
$$
\therefore x+z=4, y=0
\tag{答}
$$
である.接平面$${T}$$の方程式は
$$
4(x-2)-4(z-2)=0
$$
$$
\therefore x=z\tag{答}
$$
である.
解説
曲面$${S_1}$$と点$${A}$$における単位法線ベクトル$${\vec{n}}$$を図示すると下図のようになります.
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