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〜heldioガイド〜【G】五所万実先生

heldioとは?
・慶應義塾大学文学部の堀田隆一先生が「英語史をお茶の間に」をモットーにVoicyで毎朝6時に配信されているラジオ

・このガイドは、heldioを楽しむための道案内となることを願い、お茶の間の住人が作成しているものです。
・アルファベットのAから順にheldioにまつわるキーパーソンやキーワードを紹介します。
\今日からあなたもheldioリスナーに/


五所万実先生(目白大学外国語学部英米語学科)

みんな大好き!五所先生!
実は五所先生は英語史研究者ではなく、商標言語学をご専門とされている。しかし頻繁にheldioにご出演されており、なんと2023年1年間の全放送回の中からベスト回を決めるリスナー投票の結果、五所先生の初登場回が第3位に輝いたのである。
2023年ベスト回 第3位
#667. 五所万実さんとの対談 --- 商標言語学とは何か?
https://voicy.jp/channel/1950/498242

堀田先生との接点は?どのような経緯でheldioに?と思われた方はまず、「いのほた言語学チャンネル」の五所先生ゲスト出演回*をご視聴いただきたい。
第112回 商標の言語学---五所万実さん登場https://youtube.com/watch?v=YSpDEqk7qYg&si=DhHcrSuDsnkJ6ltm

*第112回以降、1回おきに計4回ご出演されている。

いのほた?「ほた」はもしかして堀田先生のこと?それなら「いの」は一体誰のことだろうか。答えは堀田先生と同じく慶應義塾大学文学部ご所属の井上逸兵先生(ご専門は社会言語学)である。同僚というお立場のお二人が言語学の存在とその面白さを世の中に広めるべく、開設されたYouTubeチャンネルである(当初は「井上逸兵・堀田隆一言語学英語学チャンネル」という名称であった)。こちらは毎週水曜と日曜日に新作動画がアップロードされている。

そう、五所先生は井上先生の門下生なのである。このようなご縁でheldioにもご出演されることになったのだが、初登場以来たちまち人気者となった。ご研究内容の面白さはもちろんのこと、放送を聴いていただければすぐに伝わると思うが、明るくはつらつとした声、またコメント欄でフィードバックしてくださるなど気さくなお人柄ゆえだろう。

商標言語学とは?

それでは五所先生ご専門の商標言語学とはどのような分野なのだろうか。
商標とは、自己の商品やサービスを他人と区別するための標識であり、私たちの身の回りには商標が溢れている。文字だけでなく、色彩動きも商標として用いられ、商品やサービスがどこ・誰によって作られているのかを示す働きをする。
つまり商標には自他区別のための識別力や差異力が求められるわけであり、「似ている」という疑いがある場合には法廷で争われるケースもある。
また駅やお店に設置されている「エスカレータ」は、それ以外の表現方法が思いつかない人が多いかもしれないが、もともとは登録商標だったという。しかし商標としての識別機能を失い、その商品を指す一般名称として認識されるようになった=普通名称化したと判断されている。
このような「商標の類似性」や「普通名称化判断」といった法領域の問題に対して、言語学的分析を基にアプローチするのが商標言語学なのである。

五所先生のheldioご出演回
商標、商標言語学の導入編
#671. 五所万実さんとの対談 --- 商標の記号論的考察
https://voicy.jp/channel/1950/498274
#674. 五所万実さんとの対談 --- 商標の比喩的用法
https://voicy.jp/channel/1950/498306

リスナー参加型、商標に関するクイズ:どれが一番「ぽい」?
#695. 五所万実さんより商標に関する「ネーミング課題」をいただきましたhttps://voicy.jp/channel/1950/516116
解答編
#702. いいネーミングとは? --- 五所万実さん,藤原郁弥さん,まさにゃんとの対談https://voicy.jp/channel/1950/518638

『法と言語』

商標言語学についてもっと詳しく知りたい!と思われた方は、2024年2月に出版されたばかりの『法と言語』に収録されている五所先生の論文をご一読いただきたい。
商標言語学は「法言語学」と呼ばれる応用言語学の一分野である。法言語学とは馴染のない分野かもしれないが、同書では法と言語に関するさまざまな問題が取り上げられており、対象の幅広さを窺い知ることができる。

橋内 武・堀田秀吾(編著)2024.『法と言語』くろしお出版.

こちらのご著書に基づくheldioでの対談はまだ実施されていないが、近日中の実現を望みたい。

このようにheldioでは英語史だけでなく、言語学の他分野も学ぶことができるのが魅力の一つだ。関心が広がること、間違い無し!

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