「年籠り」ストーリー解説
まずは脱出マップ「年籠り」沢山のDLと感想、本当にありがとうございます。
思っていた以上に反響があり、頑張って作って良かったなといった感じです。これからも精進します。
さて、当記事は件の「年籠り」ストーリー解説になります。こういうものに解説を入れるのは野暮というか、完全に蛇足なのですが、せっかく頑張って作ったので皆に知って欲しいなという思いのもと筆を握らせていただきます。
そもそも解説しないと理解できないストーリーって何???????
⚠脱出マップのネタバレを含みます。
ストーリーは、神学を専攻しているという学生の視点で始まります。
閉じ込められてしまったんですね。ちなみにこのマップ、マルチだと「私」の部分が「私達」になるおまけ程度の小ネタを仕込んでいます。気づいてくれたかな!?
手記 1
あなたは神社の中を調べていくうちに、1つの手記を見つけます。それには、以前あなたと同じような目にあった人の体験談が書かれていました。この手記のおかげであなたは、自分も村人たちに騙されたのだと気付きます。
手記 2
手記2では、手記の持ち主(以下A)と仲間たちの、不安定な精神状態が描写されています。そして、この村で信仰している神様が「土着神」であることをAは知ります。この土着神は実際に存在する神様で、有名なものだと「稲荷神社のお稲荷様」も土着神だと言われていますね。そして、1/26。雷の影響で壁にヒビが入り希望が生まれましたが、それと同時に、何も食べていないAの体は限界を迎えようとしています。
手記 3
手記3では、遂に仲間が亡くなってしまい、希望だった壁も見失ってしまいます。この「圧死という不可解な死因」には、明確な引用元が存在するのですが、これは後述することにします。
さて、ここでひとつ疑問が浮かびます。
Aは1/26の時点で、1週間近く何も食べていない状態なのです。そんな人間が、何故3/7まで生き延びているのでしょうか。
この密室の中で、骨と服だけになった仲間の亡骸を見て、Aは何を食べ、何を思ったのでしょう。
手記3が入っているシュルカーボックスには、タンジーという花が入っています。
Aの決意は、ここで固まりました。
手記 4
手記はこれにて完結しています。さて、怒涛の解説のお時間です。野暮も蛇足も知りません。
まずはストーリー。Aはついに精神が限界を迎えてしまい、祭壇をめちゃくちゃに蹴りとばします。奥にある洞穴には無数の骨とおどろおどろしい影。
あなたよりも前にAが、Aよりも前に誰かが。この村では、無数の人間が生贄にされてきたのです。もはや自分が助かる術は無いと絶望するA。しかしAは強い子です。次の犠牲者である"あなた"を助けるため、Aはミシャグジ様と取引をします。そして、どうやらその取引は成功したようです。
ここでいう取引は、来年の犠牲者を助けるための取引。Aは既に、自分が生き残ることは考えていませんでした。
ミシャグジ様
ミシャグジ様は、長野県の諏訪大社で祀られている、実在する神様です。ここでAが「ミシャグジ様なら全て説明がついてしまう」と言っている4つの謎に着目していきましょう。
蛇の文献
ミシャグジ様は「蛇神」とも言われており、象徴として蛇の姿で描かれることがあります
神とは思えぬ所業
性格の荒い土着神だから。と言ってしまえばそれでいいのですが、わざわざ「神とは思えない」と表記しているのにも理由があります。ミシャグジ様の実態については様々な説があげられており、「石の神」「木の神」と言われることもあれば、「精霊」だという説もあります。つまり、ミシャグジ様が本当に神様であるかどうかは、諸説あるという訳ですね。
石棒
「古い木の根元に石の棒を祀ることが最も典型的なミシャグジ様のあり方である」という説を引用しています。
4本の御柱
ミシャグジ様が祀られている諏訪大社の四隅には、4本の「御柱」という巨木がそそり立っています。
「取引」について
手記4にして初めて、あなたはAが巫女であり、女性であることを理解します。
「神様を信じることに対してバカバカしく感じている」
「巫女であることに感謝したのは最初で最後」
という描写から、Aは自分が巫女であることをあまり快く思っていなかったようです。
さて、ミシャグジ様は子孫繁栄の神でもあると言いました。最後のページには血と涙。Aはミシャグジ様に対して、一体どんな取引を持ちかけたのでしょう。
「不可解な圧死」の引用元について
手記3で記した「圧死」の引用元について少しだけ話をさせてください。
ミシャグジ様を祀っている諏訪大社では、「天下の奇祭」とも言われているお祭り、御柱祭が行われています。これは長さ17m.重さ13tもある巨木を人力で引きずる豪快なお祭りです。諏訪大社にそそり立つ巨大な「御柱」そんなものが落ちてきたら、まあひとたまりもないでしょう。神社は神のテリトリーです。神を否定するような行動は冗談でもしたらいけないですね。ましてや、相手が土着神なら…
脱出
あなたはAの遺した手がかりを元に、この神社から逃げ出すことに成功します。
友が死に、希望も消え失せ、それでも尚、肉を喰らい、体を捧げ、次の犠牲者を助けようとした手記の持ち主。
彼女の強い意志は、荒々しい性格である土着神をも動かしました。神の前では人は無力です。しかし無力だからこそ、人は考え、そして未来に希望を託すのです。つまり……
うまいことまとめられないですね…
後書き
「年籠り」で紹介したものは、諏訪大社やミシャグジ様について本当に軽く触れただけのものであり、引用したものも諸説あるものばかりです。
当マップで少しでも神様について興味をもっていただけたら嬉しいなと思っています。
それでは、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
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