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家庭医療のprinciplesを目に触れるように

自分は今日現在で15年目の家庭医だが、日本で家庭医療を学び、実践し、後輩の育成に関わるようになって、長い間気にしてきたことがある。

それは、家庭医療のprinciplesというものを学ぶ機会が、研修プログラムとしてはどこにもないということである。こうしたprinciplesがあるからこそ、家庭医療はユニークなacademic deciplineになっているはずなのだ。しかし、基本的に研修プログラムでは「どんな病気が診られるようになるか」という点についてフォローされることがあっても、principlesについて学ぶ機会があまりないのではないかと思う。実際のところ、このprinciplesを知らなくとも研修プログラムを修了できるし、専門医試験にも合格することができる。

では、そのprinciplesというのはどこに記されているのか?テキストはある。McWhinneyと言えば家庭医療業界の誰もが聞いたことがある名のはずだ。他にも家庭医療のprinciplesを学ぶための資料はあると思うが、おそらくこれがもっとも代表的なものだろう。が、自他のプログラムの専攻医への指導経験を踏まえても、どうもこれが読まれている形跡がない。

McWhinney, I. and Freeman, T., 2016. Mcwhinney's Textbook Of Family Medicine. Oxford: Oxford University Press.

https://www.amazon.co.jp/dp/0199370680/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_z81mFbY3AZ3GN

確かに、ちょっと読みにくかったり、抽象的に書かれている部分もある。が、どうにかしてこのprinciplesが人の目に触れるようにしたい。そんなことがきっかけで書き始めることにした。

とりあえず、上記の書から下記の部分をご案内していきたいと思う。

1. The Origins of Family Medicine
2. Principles of Family Medicine
6. Philosophical and Scientific Foundations of Family Medicine
7. Illness, Suffering, and Healing

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