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Principle 9: 資源を配分する

Principle 9
家庭医は資源を管理する役割を担う。病院への入院、精査、処方、専門医への紹介など、資源のある程度の部分を管理できる。資源は有限であるため、家庭医は個人とコミュニティの双方の利益のために、資源を管理する責任を負っている。時に個人の利益とコミュニティの利益が衝突することがあり、ここに倫理的な葛藤が生じることになる。

McWhinney, I. and Freeman, T., 2016. Mcwhinney's Textbook Of Family Medicine. Oxford: Oxford University Press.

後半の記述のとおり、目の前の患者の利益と、コミュニティ(公共)の利益の両方を考えるという視点は、しばしば葛藤を要する。集団のために目の前の患者を犠牲にするという選択を医師が選ぶことはしばしば困難であるため、ここに明確なルールが必要になる。しかし、実際の現場にはこうした明確なルールが存在しないことが多く、倫理的葛藤に直面することがありうる。

下記の文献はこの点について書かれている、Harvard T.H. Chan School of Public HealthのProf. Weinsteinの記事である。費用対効果分析の位置付けや、様々なステークホルダーの立場からの考察が書かれているため、ご一読いただきたい。

Weinstein MC. (2001). Should physicians be gatekeepers of medical resources? Journal of Medical Ethics, 27:268-274.

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