神戸サポへのネルシーニョ取説

Twitterで投稿したもののまとめ。ざっくりしてますが、掴みはこんなもんかなと。個人的には来シーズンの神戸の躍進を祈念しております。イチ、ニイ、サン、Vitoria!

ネルシーニョが人として優れているのは「リスペクト」を欠かさない所だったな。試合に負けても、ミスをした選手を公の場で批判する事は絶対にしない。あくまでその選手を起用することを決断した自分のミス。審判員を敗戦の言い訳に使う事も無い。逆に、審判員のミスを糾弾する敵将を宥める事すらある。

そういう他者へのリスペクトを欠かさないネルシーニョだからこそ、“Vitoria精神”の下、一見ドラスティックとも見える彼のチーム作りを安易に批判せず見守ろう、リスペクトしよう、という雰囲気ができたのではないか、と思ってる。“盲信”ではなく“信頼”。

一方で、プロの監督として、自他に厳しい基準を設け、勝利を追求する。必要とあればフロントにも補強や環境面などで高い要求をするし、「こいつは戦えない」と思えばクラブアイコンを放出する事も辞さない。彼の言う“Vitoria”追求の為には取り得る手段は全て行う。

神戸サポに対して提言するなら、「ネルシーニョ連れてきたから大丈夫」と丸投げするのではなく、勝利の為に彼の要求に応えて欲しい。彼はサポに対しても要求してくる。全ては勝利の為に。信念を持って行う彼の行動を“盲信”ではなく“信頼”しサポートした時、彼は結果でもってそれに応えてくれるはず

クラブアイコンやスタッフの放出を繰り返した事を感情論で批判する人も当然居たけれど、“Vitoria”という観点から見た時、ネルシーニョの決断が正しかった事はその後手にしたタイトルの数が表している。「全ては勝利の為に」。その為なら彼の決断はブレない。

基本的にネルシーニョの言動は「リスペクト」「Vitoria」の2つで説明できるので、そこを理解しているかが肝要。サッカーのスタイルだって「これなら勝てる」と思えばポゼッションも選択するし、ハイプレスショートカウンターだって選択する。彼に「スタイルがない」と言われるのはそこが理由。

その為にチームには戦術的な幅を持たせるし、その準備もする。2010年、J2で戦うに当たって、日替わりフォーメーションを採用しつつ、軸となるポゼッションとカウンター、サイドアタックをとにかく叩き込んだ。勝利の為には「相手の戦術に合わせて何でもやれる」事が必要だったから。

あと、ネルシーニョのサッカー観を理解する上でもう1つ。彼はよく「ニュートラル」という言葉を使う。「相手の長所を消して、状況を五分にする」という意味で。その上で「自分達の長所を発揮していけば勝てる」というのが彼のサッカー観。

なので、状況をニュートラルにする為に、「タマギワ」「キリカエ」の2つを口酸っぱく言い続ける。「球際」が弱ければ相手からボールを奪う事ができないし、キープもできない。「切り替え」が遅ければ、一番の得点機であるカウンターを相手に許すし、こちらもカウンターを繰り出せない。

その球際と切り替えを実現する為に、まずフィジカル面で一定の基準に達しなければ試合に出られない。意識改革も求められる。神戸の選手達は元々ハイプレスショートカウンターに親しみがある分、馴染みやすいとは思うけど…もしネルシーニョの要求に応えられなかった場合、その選手は居場所を失う。

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