見出し画像

FF3ピクセルリマスター 遊んでみた今更な感想

さて、FF3ピクセルリマスターの感想になるのですが・・・。
あまりアレコレ言うのも申し訳ありませんので、良い点からお話させて頂きます。


『ファイナルファンタジーIII』
© 1990, 2021 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
LOGO ILLUSTRATION: © 2006 YOSHITAKA AMANO
「記載されている会社名・製品名・システム名などは、各社の商標、または登録商標です。」


まず、グラフィックと音楽が綺麗になったのは嬉しいです。
音楽については賛否があったとは聞いてはいますが、私としては違和感なくスッと入ってこれました。
浮遊大陸を出た時の音楽なんて、コントローラーを置いて聞き入ってしまうほどのリメイクぶりでした。
クリエイターの方の仕事に感心させて頂いたものです。

果てしなき大海原

またダッシュでの素早い移動については、昔では長いと好評(笑)のダンジョンも快適に移動でき、早くなった戦闘のテンポと相まって、リメイクならではのストレスフルな作りが印象的でした。
途中で中断セーブができるのも、攻略する上で非常に助かったものです。


さて、ここから物申していくわけですが、ふと冷静に考えてみると、なんだかピクセルリマスターで感じる違和感に、共通するものが多いと思ってしまうのです。それは・・・。

・中途半端な改変
・デバッグの甘さ
・似ていると思ったからこその落とし穴
・演出のこだわりがない(例:はねるシドじいさん)

に現れているかと思っています。


中途半端な改変

FF2でもありましたが、何故そこに手を入れたのか、と思う点がいくつかあります。
いや、昔のままでリマスターしても意義が薄れてしまうので、調整するのは当然と言えるのですが、「何故そうしたのか?」という点が多いような気がします。

例えば、FF3では弓矢を装備するとき、片手に弓、もう片方に矢を装備するのですが、FC版では矢に本数の制限があり、なくなると撃てなくなります。
しかし、リマスター版ではそれが撤廃されていました。

これは本数ではなくて、武器としての数です。
矢筒の数・・・と言ったところでしょうか。

確かに、矢の本数を管理するという不便はなくなりました。
しかし、これはFF3(と4)の仕様であり、原作準拠の移植であるのならば、残しておいてほしかったものであります。
・・・めんどくさいですけどね(笑)


あと、個人的に非常に気になったのは、竜騎士の鎧の色が黄色(金色)から黒色になっている、というところでした。
闇を意識した暗黒騎士より暗い・・・と話題にもなっていましたが(笑

ピクセルリマスターでは黒色です。

いや、これは非常に疑問に思いました。
かくいうのも、私はこの槍を装備できる「竜騎士」というのがFFシリーズの職業の中で一番好きなのです。
他の方はFF3においては、「ガルーダというボスを倒すためだけのジョブ」というのが一般的で、それ以降は使われることはほぼないでしょう。お世辞にも強いとは言えませんし。

私はその後も使い続けるほど好きで、でも装備できる武器が4つしかなく、絶望しながらガマンして使っておりました(笑)。
それぐらい印象深いものだったので、この改変についてはすぐに気づきましたし、違和感しかなかったわけです。

はっきり言うと、「色を変える意味がない」と言いきってしまえるほどのことでした。

少し調べてみれば「FC版はとある理由で青色が使えず、黒魔導士のパレットを使った結果、黄色に近い色になった」という話もあるので、
本来の色に戻した・・・といったほうが正解なのかもしれません。
後のシリーズでも、黄色の竜騎士というのはいませんでした。

それでも原作準拠であるならば、リマスターの竜騎士は黄色のままで良かったのではと思いますし、そのままにしておいてほしかった・・・と寂しい気持ちになりました。


デバッグの甘さ

FF2と同じく、進行不可になるものを含めたバグが発売当初から発表されていました。
幸運にも私は進行不可になるものは遭遇しませんでしたが、ここまで多いのは異常としか思えませんでした。

1から3が同時発売でしたので時間がなかったのかもしれませんが、それなら段階的に発売しても良かったのではないかと思います。
FF3を何回もクリアした人間としては「何故それを想定しない?」と首をかしげてしまうこともあったりして、デバッグの甘さを感じてしまってならないのでした。
・・・あとでアップデートできますので、そこまで重要視する時代ではなくなったのかもしれませんが・・・。


似ているからこその落とし穴

これはプレイして最後に思ったことなのですが、その作品ならではのことに関する仕様の甘さやバグが多いような気がしてならないのです。

例えばFF3だけは、飛空艇が山を自由に越えるとこはできません。
インビンシブルという巨大戦艦のみが数マスの山を越えることができるのですが、その山を越える挙動がどうも滑らかではないのです。
他の作品では地形に関係なく山を越えることができるので、FF3のみの仕様となり、そこの挙動がなんだかおかしいのです。

カクっというか、少しワープしたような挙動になります。

6までのFFは同じシリーズでありながら一つ一つが違うシステムといっても過言ではありません。それがウリになってた感もありましたし。
ですが、
リマスターする上で共通フォーマットを作った後にそれぞれの作品の要素を追加や修正していった結果、そこに無理が生じて違和感になったのではないかと・・・。


演出のこだわりがない

FF1・2と同じです

これは個人的には一番残念なところでした。

尚、魔法のエフェクトが1・2と同じであったのは、想定された残念な点であり、語るまでもないとは思いますので省かせていただきます。

例えば、非常に細かいところではありますが、巨大戦艦インビンシブルから地上に降りるときの演出の内容につきまして・・・。

FC版では、外に出るために梯子にキャラクターが重ねると、まず上を向いてから、下に落ちるような挙動をして外に出ます。
ですが、リマスターでは梯子にかさなったらそのまま画面が暗転して外に出るのです。

落ちるって表現している音なのですが・・・

FC版ではその演出を加えることによって「高いところから地上に降りている」のを表現していました。
ですが、リマスターにおいてはあくまで「出口」であることしか演出されていません。

インビンシブルは停留時においても地面に降りることはなく、唯一山を越えられる飛空艇だったので、その「高さ」を表現したかったのだと思います。
しかし、リマスターではそれが一切ありませんでした。

山は越えられません

・・・まあ、リマスターではこれだけ高く飛んでおいて山を越えられないというのは、違和感ありましたけど・・・。

進行的な話をすると、2段階のステップを経由するより、すっと降りられたほうが早いのは当然です。
ですが、その「演出」を省くことに、そこまで意味があったりするのでしょうか・・・。
いや、こんな重箱の隅をつつくようなもの、知らないのは当たり前かもしれませんね・・・。

ただ、原作の演出を軽視している、もしくは気づいていないという点がいくつもあるのです。これは残念としか言いようがありませんでした。


はねるシドじいさん

いくつも語りたい点があるのですが、もう一つだけ語らせて頂けるなら、「シドに話しかけたら、永遠に飛んで移動していってしまう」というバグについてです。

これは、カナーンの街に住んでいる「シド」という飛空艇技師に話しかけると、右にぴょんと跳ねて移動して道を譲ってくれるというものなのですが、
その後も話つづけると、延々と右に跳ね続け、ついには建物の外まで行ってしまうというバグだったのです。

FC版では話かけると、壁を越えて右にジャンプします。

こんなもの修正するのも当然ですし、もしも残しておいたとしても何の問題もない軽微なバグです。リマスターではもちろん修正されていました。

普通の人であるならば、気にもかけない点でもありますし、そこまで注視している人なんていないでしょう。
というか、「そんなもの語る価値もない」という方もおられるでしょう。


ここで引き合いに出させてもらいますのは、Steam等で販売されている「ロマンシング・サガ2」のリマスターです。
ご存じとは思われますが、ロマンシング・サガは、スクウェア社が制作した、近年まで続くRPGの人気シリーズです。
その中でSFC版の2では、このシドの移動バグと同じようなものがありました。
とあるキャラに話かけるたびに上にぴょんと移動し、ついには建物の外に出ていってしまいます。
(「アバロン、アバロン、麗しの〜」で検索すればわかると思います。)
近年発売されたリマスターでは、直されてしかるべきだったのでしょうが、これはしっかり残されていました。

壁にめり込んでます・・・^^

私はこれを見た瞬間「分かってるなぁ~」とニヤリとしてしまいました。
進行上何も問題もなく、直してもそう手間もかからないものを、あえて残す。
知らない人が見ても分からないけど、知ってる人が見たらニヤリとできる。
ここに、製作者のこだわりを感じました。

だから、そういった「当時に少なからず話題になった点」を残して、当時やっていた私に「分かってるなぁ~」と言わせてほしかったのです。

残念ながら、ピクセルリマスター全般においては「分かってないなぁ・・・」と思われる点のほうが多かったもので・・・。


とまあ、いろいろ違和感、ともすれば残念な点を語らせていただきました。

FC版をやったことのない方にとっては、どうでもいい点が多々あったかと思いますし、評価は見たところ高いようなので、こういった意見は少数派かと思いますが。
でも、FC版、SFC版のほうをやり込んだ年寄りからすると、「買わなくても良かったなぁ・・・」と思わせる作りでした。

というのも、ピクセルリマスター発売時に、すでに3DSで1~6をバーチャルコンソールで出来るような状況が手元にあったので、どうしても比較できてしまっていたのです。

「リマスターが発売されるというのに、FC版、SFC版を一通り買ってしまった!!」

というのをネタにしようかと企んでいたのですが、結果としては買っておいたのが、ある意味救いになってしまいました・・・。
3DSではいずれ買えなくなりますし。
あ、Switchではまだ買えるんでしたっけ・・・。

で、新要素なしの原作準拠・・・はまだいいとしても、
多数のバグ、エフェクトの共通化、あまり意味のない改変・・・というものを見てしまうと、がっかりせずにはおられなかったのです。

FF1や2などの初期の作品に関しては、FC版を遊ぶのはかなりしんどいところもありますので、仕様を修正しているものを遊ぶ価値はありましたが、シリーズが進むにつれて色々と快適になっていきましたので、
外見が綺麗になった昔のゲームに、価値を感じなくなってしまいました。


FF3については、これでも足りないくらい語りたいことがあるのですが、これくらいにさせていただきます。(気づいたらすごく長い・・・)

次はFF4。元作品はSFCに移り、リアルタイムな戦闘などの新システムが目白押しになっていきます・・・。

それでは、またお会いしましょう・・・。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?