失敗しない部屋探し その0(筆者紹介も兼ねて)

「良い部屋を・いかにお得に・いかに効率よく見つけるか」のノウハウをご紹介!業界裏話もあります!

画像1

『こんなのが許されるんだ~』

私が初めて賃貸不動産の会社に入社したのが20代半ばの頃で、それから色々ありながらも今も賃貸不動産の会社にいます。業界歴でいえば15年くらいになります。

私がこの業界に入った頃の最初の印象は

「景気良いな~」

「こんなのが許されるんだ~」というものでした。


まず「景気いいな~」についてですが、当時の営業マンはみんな羽振りがよかったです。

私が最初に入社したのは、東京都心部に賃貸店舗を複数展開している会社でした。

業界ではまあまあ名前が知られていたものの、個人経営の小さな会社(駅前の「○○不動産」みたいな)が圧倒的に多い不動産業界の中では比較的大きいというだけで、一般的には全然有名じゃない小企業でした。一店舗の従業員は10名程度でした。

そんな小規模の会社でしたが、店長クラスで月100万近くは貰っていたようです(歩合制なので波はありますが)。

不動産業界に入る前は本屋のアルバイトをしていた当時の私から見たら別世界でした。

上司の人も毎回ご飯をおごってくれたり、引越のときには洗濯機を買ってくれたり、とにかく羽振りが良かったです。

じゃあ誰がその給料を出しているのかと言うと会社なんですけど、その会社にお金を払っているのはお客さんなんですよね。

「お客さんからいかに1円でも多くのお金をふんだくるか」って、言葉は汚いですけど商売の基本だとは思います。

それでも当時の私から見たら、そこまでやるんだ~という感じでした。それが次の「こんなのが許されるんだ~」の話に繋がるんですが・・・


『こんなのが許されるんだ~その1:広告はウソばっかり』

まずはお客さんをお店に呼ぶための広告についてですが、おとり広告が多かったですね。

おとり広告は大きく分けて2種類あって
「建物は存在しているけど部屋は成約済でもう募集していない物件(A)」

「そもそも建物自体が存在していない物件(B)」
があります。

私の会社の場合、ネットに発信している物件のうち60%は(A)だったと思います。残りの40%は実際に募集している物件。

(B)については私の会社ではやってなかったですが、他の会社ではやっているところがそこそこありました(プロが広告を見れば、それが架空物件かどうかすぐ分かります)。

ちなみに(A)については、ネット発信開始時は本当に募集していて、その後成約したとしても載せ続けるという感じです。

同じ物件を載せ続ければ、新しい情報を発信する手間が省けるので、不動産屋からしたら楽ですよね。

で、そういう物件でお客さんから問い合わせが来ると「募集してます」と言うわけです。本当はすでに成約しているのに・・・

それでお店に来てもらうわけですが、そこでどうするのか?

その物件の悪いところをひたすらまくしたてるわけです。
「日当たりが悪くてジメジメしてすぐカビる」「虫がすごい出る」「オーナーがうるさい」「隣の入居者の騒音がひどい」等々・・・
もちろんほとんどウソです。

とにかくデメリットを並べて、お客さんにその物件を諦めてもらう。すると「他にありませんか?」となるわけで、そこから他の物件を紹介して成約を取る、という流れなんですね。

こんなのが許されるんだ~って思いますよね。
実際は別に許されているわけではなくて、おとり広告は明確に違法なんですが、当時はそこまで取り締まりが徹底されていなかったので、こんなやり方が横行していたんですね。

『こんなのが許されるんだ~その2:礼金を○○○』

物件紹介の段階でも売上のためにやることは色々あって、「礼金を上乗せ」するのは普通でしたね。

「もともと礼金は家賃1か月分だけど、2でも決められるなら上乗せ分はあげるよ」っていうオーナーの物件は優先して紹介してたし、礼金上乗せをしなくても元々バックマージンがついている物件もあって、そういう物件は当然プッシュするわけです。最初からそういう物件しか紹介しないという徹底した営業マンもいましたね。
ちなみにバックマージンの内容は「成約したら賃料○か月分バック」というのがスタンダードで、中には「商品券○万円分」なんてものありましたね。

これについては違法性はないし、高い礼金を払ってもその部屋に住みたいとお客さんが思っている(思わせられる)なら、それも営業マンの腕なのでいいんですが・・・。
でもなんかえげつない感じはしますよね。


ちなみに最近ではおとり広告はだいぶ減っています。広告規制も取り締まりがだいぶ厳しくなって、広告停止や営業停止のリスクが高まったからだと思います。

また礼金上乗せも、昔は礼金2か月が一般的だったのでできたことですが、最近は1か月や礼金なし物件も多くなってきたので、やる会社はあまりないと思います。
(ちなみにバックマージンつき物件は今でもあって、それを優先的に紹介するやりかたは今でもスタンダードです)

そのせいか、賃貸不動産業界は昔ほど儲からなくなっているし、店舗も縮小傾向にあります。私たち社員の給料もそんなに良くないですし(笑)。

ただそんな「冬の時代」なだけに、不動産屋は少しでも利益を確保するためにあの手この手でお客さんからお金を貰おうとする姿勢は今でも変わらないです。もちろん合法的な企業努力もあれば、いまだに「ズル」をしている会社もまだまだたくさんあります。


『良い部屋を・いかにお得に・いかに効率よく見つけるか』

ところで私のような不動産業界で働く人間も、部屋を借りるわけです。
できる限り安くて良いお部屋を借りたいのは当然ですが、上記のような業界裏事情も含め知識やノウハウがあるので、一般のお客さんよりも「良い部屋を・いかにお得に・いかに効率よく見つけるか」ということについて絶対的に有利なわけです。

今後は、そんなお部屋探しのノウハウ記事を書いていこうと思いますので、ぜひあなたのお部屋探しの参考にしてもらえればと思います!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?