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ようこそ 犬語の世界へ ふたりのベルジアンシェパード
花が咲き誇る春や緑濃くなる季節に、歴代の犬たちは私の知らない世界へ行ってしまうことが多い。
シェルティたちも春という季節に或いは初夏という季節に向こうの世界へ逝っている。
そして、ターヴュレンのリデルは2020年の5月に、グローネンダールのチェシアはこの4月にいってしまった。
明るい季節に悲しいことを迎えると、それはいくらか明るく感じながらも、そこから離れると悲しいことが一層に深くなるのは何故なんだろうと思う……。
明るい季節に迎えた悲しみには空を見上げると花のひとつ、花びらの一枚、緑の木洩れ日にひらっと映りそれが微笑みになるからかもしれない、それが地に移ると、長く長く共に歩いた道の4つの脚を探そうとするからかもしれない……
チェシアと一方的に交わした散歩の花を見る約束の大半はできたのだろうと思う。
カートに乗って横臥で空を見ていたチェシアの目には、確かに春の花や木々は映っていたのだから。
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桜を見たかい?
ハナニラは?
水仙 花桃 馬酔木に河津桜も見たかい?
ああ、もっともっと見たはず、あの角の家のモッコウバラの蕾を見たはず、今度花が咲いたら見に来ようと言っていたのにそれは叶わずだった。
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ベルジアンシェパードドッグターヴュレンを初めてみたのはある映画の中だった。
ヒースの丘を走るもふもふでオオカミを少し彷彿させるその犬にいつかリアルで会ってみたいと願っていたら、ショー会場で観てしまった。
リンクの中を軽快に動くターヴュレンといつか暮らしてみたいと願ったら、ターヴュレンのリデルが来てくれた。
リデルによって犬語の世界が拓け、リデルがいたから犬のことを更新できてきた。
当時は嫌悪刺激首輪の風潮強く、大型犬にもハーネスをというと物凄い逆流にあってもいたが、多くの仲間ができて、今の広がりを見ているとやはりと微笑んでしまう。
時間はかかってはいたが「犬にはとりあえずハーネスを」活動を継続できたのはベルジアンシェパードドッグたちがいたからでもある。
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「グローネンダールのチェシアのこと」
チェシアはブリーダーのNさんのところで偶然出会ってしまった。
本当は2頭目のターヴュレンをお願いしてあって見に来て良いと言われて見に行ったのに、その数日後、ターヴュレンじゃなく小熊のような黒くてもふもふのグローネンダールを抱いて帰ってきてしまった。
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誰にでもやさしいチェシアはその性格と合間って、多くの犬や人の交流に一役も二役も担ってくれた。
剛のリデルと柔のチェシアはティーチングドッグとしても優秀なペアでもあった。
犬の良いところだけを集めたようなチェシアには、私の不甲斐なさで無理なこともお願いしてしまったことも多々あると思う。
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チェシアが立派すぎて泣けてくるともしばしばあって、チェシアとの別れが刻々と迫る中で思うことはたくさんあって、それを言葉にしようとするとはらはらと散っていってしまう。
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長い距離を歩くのが大好きな犬だった。
寝そべりながら撫でてもらうのが大好きな犬だった。
美味しいものも好きだったが、穏やかな日々の中で家族と過ごすことを一番に望んだ犬だった。
「さよならチェシア また会えるよきっと会える 此処ではない世界で それまでのさよならなだけだから 安心してみんなと遊んでいておくれ」
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最後に昨年の今ごろ、近くの公園で出会えたご婦人との一期一会のツイートをリンクしておきます。
犬と暮らせるのも平和だからこそ。
*誤字あり、ご了承くださいませ。
散歩中に高齢女性に「その大きな犬は東独の犬?」と訊かれました。ドイツシェパード?と訊かれる琴はあっても東独は初めて😲
— へちまこ7 (@Chicoli07) March 27, 2022
ベルギーのシェパードでグローネンダールですとお伝えすると流暢な英語でグロゥネンダニエィルと発音(私にはそう聴こえた😆)
仕事の関係でまだ壁のある東独ベルリンにご主人が pic.twitter.com/saWkG0LrWp
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