ようこそ 犬語の世界へ その犬のペースを尊重する。
あっという間に立秋ということで、夕暮れの風にもホンの少し秋を感じるようにはなってきましたが、これからが残暑……犬の付き人である私にとって紫外線との戦いは長丁場です。
それでも犬の散歩の付き人という重要なポジションは犬と暮らす犬バカにとって一番の贅沢な時間とも言えます。
数通う川原は日陰が少なく行くと家に帰るまでに1時間はかかるので、夏場は住宅街の散歩が多くなります。
木陰も多くて良いのですが犬の散歩時間ともなればラッシュアワー。
見知らぬ犬との出会も必然となります。
ある朝、街路樹での散歩で100m先ほどに黒い中型犬よりはやや大きな犬が伏臥をしています。
付き人さんはリーシュいっぱいに離れ、犬の首にテンションがかかった状態です。
立ち上がることを拒否して、道路にへばりついているように見えます。
ここの道幅は何故か40mほどあり、犬のすれ違いでも十分なのでこのペアの前後どちらでも余裕があるのでグローネンダールのチェシアはそのまま進んで行きます。
黒い犬は首にかかるテンションに抗らいつつも少しずつ付き人さんに引きずられています。
犬のボディランゲッジを観ると、チーの接近を認識しつつも、緊張がある身体の硬さがあります。
恐怖であれば逃げるに十分な距離とチーののすのすの速度ですが、この黒い犬はそこへ留まることを選択しているようでした。
そしてとうとう私たちは追い付いてしまいました。
黒い犬は黒ラブでまだ若そうで艶やかです。
距離は3mほど、黒ラブには怯えはあるが嫌悪や不快はなく、不安はあるが少々相手(チー)への好奇心もあるのか、付き人さんがリーシュを引けば引くほど道路にへばりつきます。
まずは人間から朝の挨拶をして、感じとしてはお話しできそうな付き人さんか探りを入れてから、犬同士どうしたいのか観察して観ることに……。
本当に恐怖を感じているなら逃避/逃走を選択できる環境なのですが黒ラブはそれをせず、そこに留まりました。
チーが少し距離を詰めると黒ラブは地面にへばりつきながらヴ…ヴと唸り、付き人さんがそれはダメとハーフチーヨークでチェックを入れます。
ビビりで怖がり(ラベル)で困っているんです、と付き人さんは言います。
確かにチーが近づくとサッと背中の毛が立ち、軽く唸りますが、これはチーへの要望でしょう。
“もう少し待ってほしい”という、犬同士の会話です。
チーはそれを受けて黒ラブのパーソナルに入ることはせず、頭部を下げて地面に漂うであろう相手の臭いの情報収集を始めます。
付き人さんが言うには犬と仲よくしたいのか、したくないのか、吠えてしまうこともあるのに犬を観ると地面にへばりつきながら犬の接近を待つということでした。
付き人同士の会話中に緊張がやや溶けたのか、黒ラブBちゃんはチーへの距離を自ら詰だしました。
それを感じたBちゃんの付き人さんのリーシュに力が入ります。
それに対してだけ私はチーの付き人として、チーの安全のためにもリーシュを引かないようにお願いしました。
Bちゃんは目を細くしながらホンの少しチーの鼻面の臭いをかぎ、少しホッとしたのか目の緊張が溶けて黒ラブの穏やかな眼になりました。
ため息も出ました😊
黒ラブBちゃんの自分で選択した行動がうまくいった“やった❗”感が伝わってきた瞬間です😊
その後、チーのお尻の臭いも嗅げてホクホクし全身もリラックス。
その場にチーとは古い犬友Mちゃんも通りすがり、驚いたことに黒ラブBちゃんは地面にへばりつくことなくMちゃんに近づき挨拶がスンナリできたのです。
黒ラブBちゃんの世界が拡張したのです❗
それは違う社会の扉を自ら開く力を得た犬の行動が拡張していくキラキラの時間に立ち会えたのです😃感激です。
あ、でもね、この時間に感動したのはたぶん私だけ、犬バカって言われてもかまいません、犬語が観えるって違う社会の扉を開けるのですよ~。
ではでは~~👋
#犬の散歩 #犬のボディランゲッジ#ドッグトレーナー#犬の社会
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