頑張れという”呪い”

「頑張れ!頑張れ!」

赤ちゃんが初めて歩き出すとき
真夏の運動会、かけっこをする子供
インターハイで勝つか負けるかの瀬戸際

誰かが一生懸命になっている時に
この言葉は使われると思います。

その言葉は人を奮い立たせて
普段の実力以上のパフォーマンスを発揮させ、
絶望的な状況でも諦めない気持ちを途切れさせないようにしてくれます。

すごくいい言葉です。
ただ、僕自身はあまり使わないようにしています。

なぜなら、この言葉が”呪い”になる時があるから。

頑張り尽くしたと本人が思っている時
すでに絶望的な状況で挽回しようと思っていない時
などなど。

当人が限界を感じているのなら、
背中を押す言葉も
当人の中では鋭利な刃物として
ブッ刺さってくるんです。

絶望的で体がうまく動かない時に
刃物を突き立てられる。
さらに絶望的ですよね。

そしてもう一つ。
声をかけた者が
蔑むように声をかけた時です。

漫画やアニメ、映画の中では
「せいぜい頑張りな」
と言ったような直接的に悪い言葉として
使われていますが、
現実では
「(せいぜい)頑張って」とか
「(俺には敵わないけど)頑張って」
みたいな。

言葉が隠されることがあるんですよね。
声をかけられた方は何か違和感を覚えるはずです。

その逆も然りですね。
心の底から応援の気持ちがあっても、
受け取り側が素直に受け取れない。

これも刃物になりうるケースです。

一見、応援のような言葉に見えがちですが、
明確な上下関係や親密度がなければ
危険性は高いです。

何が原因なのか。
結論から言うと
心の問題です。

言い手としては、
こいつには負けられない
こいつは俺より劣っている
と言ったようなプライドかもしれないし、
先に行かせないように足を引っ張る
と言う依存や執着といったものかもしれない。

受けて取り手としては、
私なんかが頑張っても変わらない
もう頑張ったし、、、
といったような逃げの気持ちかもしれないし
あんたに言われたくない
私の方があんたより頑張ってる
などのこれもプライドや相手を下に見ている場合かもしれない。

たった一言で作り上げた関係性も
相手によっては崩れかねない。

だから僕はこの言葉を使わないようにしています。

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