就活特集①ESの書き方について

今回の記事で記述している内容と読むべき人について

本記事は、ESの構成をどうすればいいのかわからない、ESをあまり書いたことがない、ESがなかなか通過しない人に向けて、ESの書き方をまとめているものです。概ね企業の選考フローは、ES ➡ WEBテスト ➡ GD ➡ 面接複数回 となっています。ESで落ちてしまうと、WEBテスト、面接の練習も積めませんし、自信も喪失してしまうと思います。そこで、選考の第1歩であるES選考をしっかり通過するための、ESの書き方について記述してゆきたいと思います。私自身はESでこれまでに、某日経金融専門職1社以外落ちたことないので、ある程度真似する事で通過率の向上が見込めるのではないでしょうか。(※本記事はすべて無料で読むことが出来ます。)


本記事のコンテンツについて

本記事のコンテンツ内容は以下の通りです。

  • 業界ごとのESの重要さについて

  • ESの基本構成について

  • 通過するために工夫すべきポイントについて

  • まとめ

では、さっそく内容に移ります。

業界ごとのESの重要さについて

実は、業界によって選考でのESの重要度合いが違ってきたりします。私が受けている業界は、金融業界とコンサルティング・シンクタンク業界なのですが、ESの位置づけが大きく変わってきます。例えば、外資系金融機関や日系証券の金融専門職ではESは結構需要です。業務をしっかり理解していることは前提で、なぜうちで働きたい(成長したいのか)について具体的なエピソードを混ぜながら書かないといけないという点で、ESにかける比重は大きくすべきです。一方で、コンサルティング業界はネガティブチェックの場合が多いです。具体的には、学歴の足切りや卒業年度の違う人の排除といった意味合いが強いと思われます。ただ、コンサルティング業界を志望している方であってもきれいなストーリーを用いてESを書くことに慣れるべきです。また、メーカーやデベロッパーなどの他業界は受けてないのでこれらの業界のESの重要度は分かりませんが、ある程度本記事の記述内容でアナロジーを効かせることでESは難なく通過できると考えます。では、早速ですがESの基本構成に移ります。

ESの基本構成について

ESの設問内容は、大きく3種類に分けられると思います。1つ目が、「志望動機系」、2つ目が「自己PR系」、3つ目が「お題に対する論述系」です。各パターンにおいてどのような構成・内容を記述していけばいいのかを順番に記述します。


①志望動機系
字数制限が400字である場合、志望動機系の設問では「A:志望動機のまとめ(一文でまとめた志望動機)」「B:なぜその業界で働きたい(興味を持ったのか)」「C:なぜその部門で働きたいのか」「D:なぜ、その職種で働きたいのか」「E:その会社でこそ志望動機に記述していることが実現できるという理由付け」の5つの要素を記述すれば過不足ないでしょう。また、読みやすくするように志望動機をいくつかの要素(できれば2つ、多くても3つ)に分解して、読み手が頭の中で理解しやすくする工夫を行いましょう。しかし、字数が指定の文字数に収まらない場合もあると思います。その場合の対処方法についても考慮した例を以下に示します。

証券会社のグローバルマーケッツ部門の場合(機関投資家を相手に金融商品の組成・売買を行っている部署)
Q「弊社のGM部門を志望する理由を400字で教えてください」
A「私が貴社のGM部門を志望する理由は2つある。1つ目は、金融市場の変動環境に魅力を感じたからです(A、C:まとめと何故その部門)。私はこれまでの人生で○○~。また、金融市場で流通する商品の仕組みが自身の研究と似たような知的好奇心を刺激する面白さが~○○(B:きっかけの原体験)。2つ目は、債券セールス職の業務でこそ自身のキャリアを叶えることが出来るからです(A、C:まとめと何故その部門)。債券売買は相対取引であることから~○○。(D:なぜその職種)また、貴社は債券市場の中で世界的に高いプレゼンスを誇っており、~○○であることから、自身のキャリアを実現する上で最適な環境であると考えた。(E:なぜその会社)」

Q「弊社のGM部門を志望する理由を200字で教えてください。」
A「志望理由は2つある。1つ目は、金融市場の変動環境に魅力を感じたからです(A,C)。私はこれまでの人生で~(B)。2つ目は、貴社の債券セールス職でこそ自身の夢を実現できるからだ(A,C,E)。貴社は、世界的に○○な金融機関であり、○○な環境で成長する事に魅力を感じた(E)。また、債券セールス職は、○○という点で自身の知的好奇心を満たしながら専門性を磨くことが出来るとともに、人間力も磨くことが出来ると点で、自身の夢を実現することが出来るため強く惹かれた(B,D)。」

自作(フィクション)

上記のESを参照すると400字では、必要要素を具体例を交えて比較的余裕をもって記述することが出来る一方、200字ではすべての要素を組み込んで志望動機を入れることは難しい場合もあると思います。(今回は、かろうじて必要な要素を入れることが出来ましたが、、(笑)) その際は、伝えたい要素の重みづけを行い要素を取捨選択して、内容を記述したらいいと思います。例えば、夏インターンの時点では会社についてよくわからないと思うので「E:何故その会社なのか」を削って他の要素の肉付けを行うといった次第です。また、このESを記述していく際には、3つのステップを経る必要があると思います。第1ステップとして、A~Eまでの要素を準備する事です。これは、ワンキャリアといったサイトや内定者、OB社員に質問する事でブラッシュアップしてゆきましょう。第2ステップとして、要素を並び替えることできれいなストーリーを作る事です。第3ステップとして、文字数の調整、第三者にストーリーを読んでもらいましょう。3ステップで80点のESは完成します。

②自己PR系
自己PR系のES設問では「①志望動機系」と比べた際に、書くべき要素が変わるだけなので、要素の変化について記述します。自己PR系で書くべき要素は2つあると思います。1つ目は「A:自身の強み」、2つ目は「B:その強みが実際の業務でどのように生かされるのか」です。

例えば、IBDのカバレッジ志望の就活生の場合、

私の強みは2つあります。1つ目は、ニーズ把握力です(A)。これは、お客様のに相対しながらニーズをくみ取ることでこそ最適な成長提案を行うことが出来ると思います(B)。

自作

上記は、非常に簡素にかつ適当に書いたので引用すべきではないですが、構成については容易に理解ができると思います。準備した要素をもとにロジックを組み、きれいなストーリーを作ることを試みましょう。

③お題に対する論述系
お題に対して論述する形の設問は、実際にどのような内容を答えればいいのかわからないという方も多いかもしれません。しかし、論述系で大切なことは自身が持っているビューや価値観をオリジナリティをもって伝えることです。以下に例を示します。

【30年後の世界において、大きく伸びていると考える産業、サービスなどを自由に述べてください】
30年後には、「高齢者恋活産業」が大きく伸びていると考える。
本題では、①なぜ高齢者恋活産業が伸びるのかについて②実際にどのようなサービスが現れるのかについて述べたいと思う。
①なぜ高齢者恋活産業がのびるのかについて
ここではまず前提として、高齢者を「65歳以上の男女」、恋活産業を「恋愛や出会いに関連するサービスを提供する業界」と定義している。この前提のもとで、本産業が伸びる理由は3つあると考えた。1つ目は、恋活市場に参入する高齢人口の増加が見込まれるからだ。医療の発達により健康寿命が延びると想定される。また、30年後に高齢者になる世代は、現代のITに比較的順応している世代であり、対面での恋活に限らず、マッチングアプリなど非対面形式での出会いに寛容な層が増加すると考えた。2つ目は、未婚率の上昇が見込まれるからだ。例を挙げると、男性の生涯未婚率は1985年の3.5%から2020年には25.7%へと増加しており、今後もこの割合が高まっていくと考えられている。一方で、未婚理由をヒアリングしたデータでは、未婚理由の1位が「出会いの少なさ」に起因するものだった。必ずしも皆が恋愛を求めているわけではないが、今後も結婚していない層が増えるということは、潜在的恋活市場規模の拡大が予想される。3つ目は、副業や投資の浸透により人々が現代よりも資金的に豊かになるからだ。今後、個人がより自由な働き方を選択する事が奨励され、副業により個人の収入源が増加していく。また預金から投資へと移行していることから、今後も長期的な資産形成の流れが進むと考えられる。こうした理由から30年後には人々は豊かになり、恋愛に興じる余裕のある層が増加するのではないかと予想を立てた。
以上の3つの理由から、30年後に本産業の成長が見込まれる。
②実際にどのようなサービスが現れるのか
私は、ビッグデータや工学、心理学を融合した「マッチングプラットフォーム」が形成されると考えた。現在、心理学に基づいて他者とマッチするマッチングアプリは存在しているものの、個人の意向に即したマッチングになっているとは言い難い。今後のビッグデータの普及により、より詳細な性格のマッチや個人の細かな好みに応じた相手の推薦がプラットフォーム上で可能になり、理想の恋愛相手を見つけることが可能になるだろう。また、デートにおいても対面にとらわれず、プラットフォーム内の仮想空間内でデートまで行えるサービスが誕生しているかもしれない。

自作

お題に対する論述系において大切なことは、世の中に対して高いアンテナを張り、自分なりの独自のビューを持っておくことであると思います。例えば、「最近気になったニュースは?」という問いに対して「リセッション機運の高まりによる米国のインフレ鎮静、円高ドル安の流れが起こると思う」だけではなく、「リセッションが世界的に波及し金利差の影響で円高ドル安が一定進むものの、日銀の金融政策の方向性は変わらないことから、比較的円安の状態が続くと思います。一方で輸出先の景気が悪化する事で円安の恩恵を受けにくくなるでしょう。また、輸入コストの上昇による物価高が見込まれることから国内消費は減少すると考えられると思います。」といった独自の深いビューを持っておくとよいと思います。日々日経新聞やモーニングサテライトを視聴する事で、このような設問が出たとしても容易にこたえることが出来ると思います。

通過するために工夫するべきポイントについて

先章までに述べた内容を踏まえて工夫すべきポイントについて以下にまとめます。
【工夫すべきポイント4つ】
①業界、業務研究を行う事
②自身の過去をしっかりと深堀、自己分析を行うこと
③日々、アンテナを高く張って情報収集を行う事
④時間があれば、資格や特筆すべき経験で志望動機を補えるようにすること

上記の4つを準備することが大切であると思います。特に前半の3つは意識的に早期から行うことで就職活動は楽になると思います。
まず①業界、業務研究を行う事についてです。納得感のある志望動機を創っていくにあたり、どういった業界でどんな業務を行っているのかを理解する事は非常に大切であると思います。
次に②自己分析についてです。こちらも自己分析を行っていないとオリジナリティのあるESを創ることが出来ないと思います。ちなみになんですが、ワンキャリアのコピペなどをしてもなかなかESは通らないと思います。しっかりと自己分析をしてオリジナリティのあるESを作ってゆきましょう。
3つ目に、日々の情報収集です。日々情報収集を行い、独自の見解を持ち続ける事は主に論述系のESお題で真価が発揮されますが、それに限らず面接でもかなり高評価を得ることが出来ます。というのも、知的好奇心の強さを間接的にアピールすることが出来るからです。どのような業界においても積極的に市場変化をキャッチアップして、それを基に独自のアイデアや解決策を持つ「変革を起こしうる」人材は貴重になるのではないでしょうか。ヘッドラインのニュースだけではなく、それを自分の頭でかみ砕いてみましょう。
最後に、④ESに書く資格についてです。これは、本質的なお話ではないかもしれないのですが、資格は錯覚資産ですので持っておくに越したことはありません。外資系の企業を目指しているにもかかわらず、英語にアレルギーを持っているようじゃダメですよね。せめてもの英語に対するアレルギーがないことを示す錯覚資産としてTOEIC(できれば900以上)は有効であると思います。TOEIC900点などは、3か月くらいガチで英語を勉強すればとれる資格なのですでに就活を始めている就活生は取っておいて損はないと思います。また、財務関連職を志望する場合などには、独学でコーポレートファイナンス勉強しているといったことをほのめかす事もいいかもしれませんね。しかし、相手もその道のプロなので面接の際にはある程度想定質問「君は具体的にどんなこと勉強してる?どこがおもしろい?○○について説明して?」を準備しておくことはマストですが。以上が工夫すべきポイントです。

まとめ

今回はESを書く際の構成とTIPsについてまとめました。必ず通るようになるというわけではなくて、イチ就活生の感じた事をまとめたものとして受け取っていただけたら幸いです。また、何か質問等がありましたらDMに来ていただけたらなと思います。

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