見出し画像

僕がグラデーション幅をコントロールできるようになった理由

僕は専門学校のとき下図のような
ポスターカラーの3色のグラデーションの課題が苦手でした
思ったようにグラデーションの幅をコントロールできなかったんです
青空にも使う基本的なものなんで
これができないと雲の練習もできません

210331三色グラデ



今思えば原因は次の2つのことが分かっていなかったからだと思います
・絵の具によって混ざりやすさが違う
・いつも同じペースで筆を動かしていた

この2つの関係性を理解したら
グラデーションの幅を自在にコントロールできるようになりました

結論から言えば
絵の具の混ざりやすさの知識は無くても
グラデーション幅をコントロールできます
筆先の絵の具の混ざり具合を見ながら
欲しいグラデーションになるように
筆をコントロールすればいいんです

混ざりやすい絵の具かどうかの知識があれば
混ざりにくいから丁寧にやろうとか
混ざりやすいから簡単でいいやと
心の準備ができるというくらいの感じです


車でアクセルの踏み込みを一定にしていたら
道の傾斜によって速度が変化しちゃいますよね
同じ速度で走るためには
アクセル一定だと道路の傾斜によって速度が変化しちゃう
っていうことを理解して
同じ速度になるようにアクセルを調整する必要があるんです
出したいスピードと現在のスピードを意識さえすれば
道路の傾斜に関係なく出したいスピードを維持できます

「絵の具の混ざりやすさ」と「道路の傾斜」
「筆の動かし方」と「アクセル」の関係も同じようなものです

絵の具の混ざりやすさに関係なく
欲しいグラデーション幅になるように
筆の動かし方を調整すれば
望んだグラデーション幅になります


僕のグラデーション幅が
使う絵の具によってバラバラになっちゃってたのは

なんでグラデーション幅が一定にならないんだろう?
と思いながら
いつも同じペースで筆を動かしてたんです
これではスピードメーターを見ずに
同じようにアクセルを踏んでるのと同じです

一定のグラデーション幅になるように
筆を動かす速度や回数、力加減を調整すればよかったんです

できるようになってしまえば当たり前なんですが
全然気づかずに長い時間を無駄にしました


車で走っていて前の方に坂が見えたら
スピード調節のための心の準備ができますよね
絵の具の混ざりやすさも同じくらいの感覚です
さっきは混ざりやすかったけど
次は混ざりにくいから筆を動かす回数を増やそうとか
心の準備ができるんです


ポスターカラーの性質

ポスターカラーには
白っぽいものと
そうでないものがあって
(透明、不透明だと違う意味かもしれないんで)

白っぽいもの同士、白っぽくないもの同士の方が混ざりやすいんですよ

白っぽくないものは「水」
白っぽいものは「水に小麦粉を溶かしたもの」みたいな感じって
例えればいいのかな?
同じくらいの粘りがあるもの同士の方が混ざりやすいんです

210401白濁



下にグラデーションの例を載せます
下の明るい色を先に塗り
上方から暗い色の筆を横方向に筆を往復させながら
下方向に移動させながらグラデーションをかけていきます

2色のグラデーションの場合は似たもの同士であろうとなかろうと
問題ありません
とにかく筆を動かしてグラデーションかければいいだけなんで

210405グラデーション1

210408ライトブルーとフレンチブルー2



問題は3色以上の色でグラデーションをかける場合に
性質の違う絵の具がある時なんですよ

同じペースで筆を動かしていたら
絵の具の性質が変わったところで
突然グラデーション幅が変わっっちゃいます

ホワイトとライトブルーのグラデーションをかけた後
同じ感覚でフレンチブルーでグラデーションをかけてしまうと
フレンチブルーとライトブルーが混ざりにくいため
グラデーションがうまくかからず
グラデーション幅が狭くなってしまいます

210401白濁

210405筆と筆跡

上の画像は刷毛をかける前のものです
(参考までに使用した平筆との対比画像をのせています)

絵の具の種類や水分量によって筆跡の残りかたが違うんで
一概には言えませんが
横方向に筋状に見えるムラが筆を動かした回数だと
思ってみてください
「白とライトブルー」より「ライトブルーとフレンチブルー」の方が
筆を多く動かしてるのがわかります

焦らず力加減を調節しながら
欲しいグラデーション幅になるように何度も筆を往復させます


僕は専門学校在籍時は
「鉛筆で描けるようになれば
絵の具でも、すぐに描けるようになる」っていう先生の教えで
あまり絵の具に触らず
一人で鉛筆デッサンに時間を使っていたんで
久しぶりに絵具を使うと一日中グラデーションの練習って感じで
絵の具の水分量とかの感覚が全然つかめませんでした

毎日絵の具を使うようになると
なんだ、こんなもんかって感じで理解できたんで
慣れは重要ですね

就職してからは刷毛で力業でムラをなじませるようになったんで
なんで学生時代は、あんなに神経質に悩んでたんだろう?
っていう身も蓋もない結論に至ります


独学で背景模写をしてる学生の参考になれば幸いです


気に入っていただけましたら、スケッチブック1冊分のサポートよろしくお願いします