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影中を描く際の2つの陰影のつけ方

日光のあたらない路地や神社などのような影の中を描く際、雨や曇りで光が乱反射している場合、どのように立体表現をしているだろうか?

光源がはっきりとしていれば描きやすいが、光源のない(はっきりしない)状況を描かなければならない場合は、どのように考えているだろうか?

四角い物を描くときには誰が描いても明暗のつけ方に大きな違いはないが、
円柱を描くときにハイライトをどこに持ってくるかで2つの考え方がある
その2つの考え方の長所と短所をまとめる


・z軸方向(紙面方向)に円柱が接するところをハイライトにする場合
・円柱と視点の距離が最短になるところをハイライトにする場合

200816暗闇の立体表現

基本的には真上からの光があると考えて陰影をつける。立方体は変わらないが、参考に描いた。左図はハイライトから暗い階調の分割。右図は階調を滑らかにしたもの


・z軸方向(紙面方向)に円柱が接するところをハイライトにする場合

円柱の中心と消失点を結ぶ線と円柱の接するところがハイライトになる。
この時、円に外接する四角を描き、円柱を四角に当てはめて正面、側面、背面と4つの面として考えて階調をつける

紙面に対して垂直に弱い光があると想像すると考えやすいかもしれない。

長所は四角として考えて階調を決めるので、鉄格子など円柱が並んでいたり四角との組み合わさっている立体でも考えやすいが、短所として説明的になりやすい


・円柱と視点の距離が最短になるところをハイライトにする場合

円の中心と観測者の視点(想像で勝手に決める)を結び円に接するところがハイライトになる。光は距離に従って弱くなることから、観測者に近い部分が明るくなると考える。

長所は慣れれば主観的で自然な仕上がりにできるが、短所として、観測者の立ち位置を限定することになり、見る人によっては距離感に違和感を感じる


この2つ以外にも考え方はあるだろうが、自分が今使っている方法はこの2つだ。ただ何となく円柱っぽく描いていた時は時間が過ぎるばかりだったが、考え方を知って頭がすっきりした

絵によって「わかりやすい」や「かっこいい」を使い分けるのも必要だろう。ただ何となく明暗をつけるだけでなく、はっきりとした自分ルールを決めて描いてみると、意外と他者のルールを受け入れるのも楽になる。1つ目の方法は背景会社に就職してすぐに教わった方法だが、2つ目の方法は10年くらいしてから教えてもらったものだ



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