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3段階ある「グレーを光らせる方法」

グレーを絵具で光らせる方法って
どうすればいいか思いつきますか?
いくつ思いつきますか?

「知っている」と「できる」では大違い

本で読んで知っていたとしても
技術として使えなければ知らないと同じです

そこで僕が背景会社に就職して
知識と経験が結びついていった結果
身につけた順に
3段階の「グレーを光らせる方法」について解説します


はっきり言って「明度」「彩度」「混色」この関係性のみです


光を絵の具で再現する「混色」の話と内容がかぶってるんで
タイトルの図を見て内容が想像できる人は読み飛ばしてください


3段階ある「グレーを光らせる方法」
1. グレー~白のグラデーション
2. グレー~赤っぽい黄色~白のグラデーション
   (日光:赤っぽい黄色)
3. グレー~青~赤~黄~白のグラデーション


201129作例2

1. グレー~白のグラデーション

左上の作例です
モニターでは光って見えるかもしれませんが
紙では白っぽくなっているだけです
(グレア錯視で光って見えているかもしれません)

これは、まず最初にする間違いです
「色を明るくするには白を混ぜればいい」と考えてしまうんです

絵を描くときに明暗については意識しますが
彩度に関しては完全に頭から抜けてしまいます
「明度」「彩度」が関連付けられていない段階です

まず光があたっている場所は
光の影響を受けて明度だけでなく彩度も高くなります

白を混ぜただけでは白っぽくなるだけで明るくなったとは感じません

201202ピッカー1

確認するために
ポスターカラーで描いた作例をスキャンして
フォトショップのスポイトツールで確認してみました

201202ピッカー2

絵を描く場合は
純色のグレーは使わないので
今回の実験も混色で作ったグレーを使いました

明度と共に色味が変化したのは
絵の具の顔料によるものかもしれません

この点は意外でしたが
彩度が下がりつつ明度が上がる黒⇒軌道は予想通りでした

2. グレー~赤っぽい黄色~白のグラデーション
   (日光:赤っぽい黄色とする)

次の段階では前回の失敗をふまえ
色を明るくしたり光らせたりするには「明度」だけじゃなくて「彩度」も
あげなきゃならないんだ~と学んだ段階です

昼間の日光は「赤っぽい黄色」として考えて
作例でも強烈な直射日光が当たったとして描きました
(昼間の光は青いとか色々な意見もあるようです)

こちらの軌道も予想通りでした
最初に一回彩度が低くなる黒⇒の方に
行っちゃいましたが
以降は赤⇒軌道です

「明度」「彩度」共に高くなっていき
「彩度」に限界が来たら「明度」のみ上がっていく感じです

201203ピッカー

今回は黄色い光としましたが
ベースの色より彩度も明度も高い色なら
赤でも青でも何でも構わない
んですよ

だから、この方法を使えるようになって
一番良かったのは
1から10まで色を作ってから塗り始める必要がなくなったことですね

新人の頃は先輩が何を根拠に色を作っているのか分からなかったんで
壁とか床とか、それぞれ3色ずつ作ってから塗ってたんで
準備に20色作らなきゃならなかったりしたんですけど
一番暗い色だけ作れば紙の上で色を合わせられるようになって
次第に事前に混色せずに色を合わせられるようになりました


3. グレー~青~赤~黄~白のグラデーション

最後は「混色」が絡んできます

「赤」「青」「黄」を均等に混ぜるとグレーになるって
知ってますよね?

そこで2.と同じように強烈な直射日光を受けたグレーを
「赤」「青」「黄」の分解を使った作例を示します


201119作例2.5

左上の作例は
右上のグラデーションをかぶせて混ぜ込んだものです

ギリギリ「赤」「青」「黄」の色味が残るように
混ぜすぎて汚い色にならないようにしています

色味のコントラストが強い色が並んでいると
目がチカチカしてしまうので
それを利用して光っているように見せています


直射日光を赤っぽい黄色として考えているんで
内側から「黄」「赤」の順にしていますが
順番を変えたり比率を変えたりすれば
光の色が赤だろうが緑だろうが表現できます


いかがでしょうか?


就職してから先輩に質問したり
混色の本を何冊も読んだりしましたが
結局、ここにたどり着くまで1年半くらいかかりました
後輩に他社での色の考え方を聞いて腑に落ちるまで
暗中模索でした

でも
たったこれだけです
この3段階が理解できれば
「明度」と「彩度」の関係性については十分
だと思います

これが使いこなせるようになると
「なんか白っぽい絵だな」っていうレベルから抜け出せます
「描き込んでも目を引くポイントが作れない」なんて悩まなくてもよくなります

ピカッとカッコいいハイライト入れてみてください

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