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実験:影色は光色の補色って本当か?

影ってなに色を使えばいいんだろう?

そんな疑問を持ったことありませんか?

・影に補色を入れた方がカッコイイ
・影色は固有色を暗くする
・影は青い(青空の下では)

いろんなことを聞くんですが
じゃあどうすればいいの?
本当はどうなるの?
どうすればいいの?

僕はずっと知りたかった
今でも答えを探してるんですが
見つかりません

そこで
影色は光の色の補色になるのか
実験してみました


実験結果の後に実験内容を説明します


実験結果

白色の環境光がある場合には
影色は光色の補色に見えるが
目の錯覚と考えた方がよさそう
(光の色に関わらず影の色は同じと考えられる)

下の図を見てください

明度や彩度の数値はある程度変化していますが
色相に関しては218を中心に±5の範囲です
これは影に色の付いた光の
反射光の影響を受けていると考えることができそう
です

実験内容について詳しく説明します

実験

今回僕がやった実験は
10年以上前に読んだ

色の技法―基本篇 絵具の色に強くなる
鈴木輝實(著) グラフィック者

という本の内容と似たような実験をしたんですが
この本には結果の写真が載っているだけで
理由など具体的なことは書いてありませんでした


光源は2つの昼色光LED
1つに色付きのセロファンをつけます

210228黄色の影

色付きセロファンのみの光では
影はただ暗くなるだけでした

フォトショップで明るくしてみましたが
影は黒っぽくなっているだけで
色があるようには見えませんでした

そこで
たまたま、もうひとつ電灯を点けてみたところ
驚くほど鮮やかに影に色がつきました

思っていた以上に綺麗で
ビックリです

210304実験

この写真を
ツイッターにあげたところ

カメラの補正の影響が大きいのではないか?
ホワイトバランスは固定してあるのか?

との意見をもらったので
ホワイトバランス色温度5000Kで再撮影しました

完全に盲点でした
思った以上に影色がきれいだったんで
デジカメのモニターで確認しながら
影色がうまく写っているかしか
頭にありませんでした
上の写真はデジカメのオート設定で撮影してました


下が最初の画像と再撮影の比較です

210305色温度5000K実験1
210305色温度5000K実験2

Jpeg撮りっぱなしで
色調補正していません

肉眼の印象としては
オートほど鮮やかではないけど
5000Kより鮮やかな影色が見えたって感じでした

上の写真だけを見て
色温度固定したら
やっぱり影グレーじゃんって思う人もいれば
紫の場合はオートより黄色がわかりやすいって
思う人もいるでしょう

影色をフォトショップのスポイトツールで確認したところ
次のような結果になりました
(最初の2枚の画像と同じ画像です)

あまりにも影に鮮やかな色が付いて見えたので
数値を調べてみて驚きました
もしかしたら色が付いて見えるはずという
先入観が強かったのかもしれません

白色の環境光がある場合には
影色は光色の補色に見えるが
目の錯覚と考えた方がよさそう
(光の色に関わらず影の色は同じと考えられる)

まとめ

僕は頭で理解できないと描けないタイプなんで
色数を増やすためとはいえ

本当に影は補色になるのかよ!流行ってるだけだろ?

みたいな感じで
実際に肉眼で見えない
影色に補色を使うのが好きではありませんでしたが
実際にそう感じるなら仕方ありません
影中に補色を入れるという考え方も取り入れていこうと思います

光や色について
まだわからないことも多くありますが
絵を描くには結果だけわかれば十分です

なんでこんな簡単な実験
10年以上もやらずに放置していたんだろう?
もっと早く(気になった時にすぐに)
やっていればよかったと思っています

色や光に興味のある方は
簡単な実験なんで
ぜひ自身で試してみてください
少なくとも僕は
やってよかった
自分の手を動かして得た経験は大きいと思いました


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