人からもらったお題文~猛烈にカップラーメンが食べたい人~

23時40分に書き始めたぞ!行くぞ!

「なあ、最後の瞬間何が食べたい?」

「最後の瞬間って?」

「いや、最後の晩餐って奴だよ」

「ああー、なんだろうな…母親の料理と言いたいけど、母親は料理が凄い下手だったんだよね。そう言われるとなんだろうな…君は?」

「俺?俺…カップラーメン…日清の普通のやつ」

「そんなので良いの?カップラーメンなんて何処にでもあるし、最後にそれってどうなのかな?」

「俺もそう思うんだよね。でも、これ以外に浮かんでこないんだよね。カップラーメン…いつ食べてもさ、どんな気持ちで食べても同じ味じゃない?だからそれが心の中に強く残っているのかなって思うんだよね。」

「ああ、俺も浪人生の頃よく食べたよ。なんて言うか…お湯を注ぐ前の…さあ食べよう!って思った瞬間から味が予想出来るよね」

「そうなんだよね。だからかもしれないけど…本当に最後の最後はカップラーメンが食べたいんだよね。これってさみしいことなのかな?最後の瞬間って時にカップラーメンが思い浮かぶってさみしい事なのかな?」

「そうは思わないよ。やっぱり慣れ親しんだ物を欲しがるって言う気持ちは分かるしさ。なんて言うか…銀座で寿司!とか言うよりも健康的で前向きじゃないかな?最後の瞬間もいつも通りに過ごす事で自分を全うすると言うか…なんて言うんだろう…最後の瞬間まで自分で有り続けた様な…そんな強い気持ちを感じるな」

「そう言ってくれて嬉しいよ。でも、やっぱりカップラーメン…食べたいな…そう思うとさ、毎日食べるカップラーメンが最後の晩餐みたいな感じがしてこない?このカップラーメンが食べたら世界が終わる!!って言う気持ちになってくるんだよね」

「カップラーメンを食べるって事で世界が終わるって事?世界が終わるからカップラーメンを食べるって事じゃなくて?」

「そうそう、今までは受身で世界の終わりを感じて何を食べようかって思っていた俺が、俺がカップラーメンを食べる事で世界を終わらせる事が出来るんじゃないかって思うんだよね。今まで俺は世界の付属物だったと思うんだ。でも、さっきの考えを使ったら、俺がカップラーメンを食べる事で世界が終わるって思えてきたんだ。」

「じゃあカップラーメン食べられないじゃない。世界終わっちゃうんだから」

「そうなんだよね。それで、もう五年も経っちゃった。俺がカップラーメンを食べる事で…世界が終わるんじゃないのかなって思って…」

「食べてみる…?」

「え?何を?まさか…」

「いや、カップラーメン食べてみる?世界…終わるかもしれないけど…」

「いやいやいや、食べたいけど…五年も食べてないし…まさかだけど…世界…終わったりとか考えるし」

「味、想像してみて?お湯も沸いてるよ?」

「ちょっと辞めろよ。マジで食べたくなるじゃないか。今もずっと我慢してるんだよ?本当に世界が終わってしまったらどうするんだよ」

「でも…カップラーメン食べないと…わからないよね?世界が終わるかどうか…」

「終わったらどうする?世界終わるかもしれないよ?俺が思っている方が正解かもしれないんだよ?」

「でも…それで世界が終わるなら、その終わりを見たく無い?俺は…みたいな…」

「そっか…そっか…世界終わるかもしれないけど…食べる?」

「俺、ドキドキしながら見とくよ。思いっきり食べてよ」

「任せて!俺、食べるよ!世界…終わるかもしれないけど…」

「ちょっと待って、俺、カップラーメン一個あった気がする!!」

「うわあ!怖いなあ!ドキドキするなあ!世界…終わるかもしれない!!」

「あ!これで良い?わかめラーメン!」

「…………日清は?」

「これしかないなあ。ダメ?」

「ダメじゃないけど…これじゃあ世界終わらないかもしれないよ?」

「………」

「………」

「………」

「ねえ…」

「何?」

「何を食べたら世界が終わると思う?」

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