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時間は未来からこちらに向かってくる_プランニングの基礎の基礎

こんにちは。
照明器具メーカーでライティングデザインを生業にしおります
gotoと申します。
年間200件ほどデザインをこなしています。
照明の事を考えるのは超めんどくさいので、私たちにぶん投げて
くださいの精神の持ち主。


私たち照明器具メーカーは日ごろから「照明プラン」というものを
作成しお客様にご提案します。
数千種類の商品群から適切な器具をこちらで選定することで
ご購入いただく、販促サービスです。

どこに何を使うかを見える化

プランを作成する上で最も大事なこととは?

見た感じ「ふーん」という感想しかないと思います、
これを作る方は中々しんどいのです。
なぜならば正解が無いからです。

こちらが良いと思ってもクライアント様がNOとなる事もあります。
かと言ってそのクライアント様もはっきりとした正解を
お持ちでないor言語化できないケースが大半です。

重要なのは「プランとは時間を逆行させる行いである」という事です。
(個人的な意見で業界の統一された見解ではありません)

時間の流れには2種類ある

その2種類はどちらが正しいの?
という議論(議題は他にもたくさんありますが)を300年間されていた
時期が仏教にありました。
後世、アビダルマ仏教またはアビダルマ哲学と呼ばれています。
仏陀の説いた教えは大変ロジカルといいますか、フローチャート式に
教えやその順序を明確化しています。
そのロジカルな部分にフォーカスしてひたすら議論をしていたようです。
その中でも「経量部」と「説一切有部」という2派がメインの派閥でした。

1.過去、現在、未来で時間が流れるよ派←「経量部」

過去の積み重ねが現在、未来になるという馴染みのある解釈

1.は身近というか認識しやすい時間の解釈かと思います。
昨日のぎっくり腰がまだ痛むけど今日病院でコルセットや薬を処方して
もらったので明日には良くなるだろう…的な。

2.未来から現在に向かってくるんだよ派←「説一切有部」

ちょっと特殊な印象の解釈

2.は、最初に設定した理想や目的を実現させるために残りの時間を
いかに活用するか…という時に用いている概念です。
「半年で5Kg痩せてやる!」に対し
◯脂肪1Kg落とすには-7,200Kcal
◯半年では-36,000Kcal
◯1月あたり6,000Kcal
◯運動と食事制限の割合は3:7とする
◯運動で-1,800Kcalを消費する
◯食事で-4,200Kcalを減らす
◯上記を無理なく行うには…
というようにいつまでに何をどれくらい行うのか?が
明確になります。

「プラン」とはゴールにどのような理想をすえるか?から

このようなプラン図は
・理想を叶えるための必要な器具は何か
・いつまでに必要か(納期に在庫があるか等)
・どの位置にどう取り付けるか
を見える化したものです。
正解が無いので、まず「理想」を設定します。
とにかく安く、かも知れませんし
ホテルのような特別感のある空間、かも知れません。

もし照明計画を頼むとしたら…

自分が望む理想はコレだ!
というものを決めておくことが大事です。
言葉でも良いです。
雑誌の切り抜きでも構いません。
後はメーカーのプランナーやデザイナーが、それを実現可能にする
「地図(プラン)」を描きます。
でもその理想はどのように導き出せば良いの?…


理想を見つけるヒントは「色即是空ではなく空即是色」

アビダルマ仏教時代の喧々諤々の議論は約300年続きましたが
とどめを刺したのはナーガールジュナ(龍樹)という天才僧侶です。
「どっちも正しいと言えば正しい、正しくないと言えば正しくない」
物事は全て関係性で成り立っているのだからどちらもアリでナシだろ。
といったところでしょうか。
ハイゼンベルクの「重ね合わせ」に先んじた思想とも言えます。
そして自身の思想を「中論」として後世に遺しました。
大乗仏教のコアである「空」の思想に大きな影響を与えたといわれています
(もともとあった概念を明確にした、が正解かも)。

「空」の思想を端的かる分かりやすく解説したのが「般若心経」です。
お経としては大変ロックというかパンクというか、形式や決まり事を
ガン無視したシド・ヴィシャスな大ヒットナンバーです。
(サーリプッタさんに恨みでもあんの?というか…)
その中でも有名な一節が
色即是空 空即是色
です。
「色」はこの世に存在する物質的な諸々
「空」は確かではない状況です。
色即是空→この世のものは例外なく形を変えてしまう
空即是色→今は何もなくても未来は分からない
だから何も無い今じゃなく、あって欲しい未来を夢見ていいんだぜ!
という解釈が自分は大好きです。
その未来を見つけてから実現のために今何をするか?を考えればいいのさ。
「正解」なんて他人が与えてくれるものをあてにするなよ。
例え実現不可能な事でも「最高の未来」を思い描けるのは人間だけ。


「最も大事なこと」が「目の前の現実」に埋没してしまう

そもそも仏教は「苦しみをいかに滅して幸福になるか」を追及する
教えです。
それをそっちのけにして「オレが正しい」「いやオレが」などと
いつまでやっとるんじゃという思いもあったかも知れません。
それ仏教じゃないじゃん。
龍樹さんはそんなことを伝えたかったのかもしれません。
これがホントの龍樹の伝言 なんつっ(ry

仕事も同じです。
「こうありたい」「こうあって欲しい」
そんな願いを無視して進めても、現実的な常識的な無難なものが
出来上がってしまいます。

もし、プランなるものを依頼する際は、思い切りあなたの持っている
理想をブチ上げてください。
それをどう現実に落とし込むかは、プランを作る側の「仕事」なのです。



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