■かたちを変えても活動は続く

2020年度も上半期が終わり、下半期に突入しました。コロナによって上半期に動かせなかった活動計画を動かして行こうとする動きもちらほらと出始めています。

この半年間でみなさんのNPO・市民活動・サークル活動はどのようになりましたか。この状況下に適応して、うまく活動できている団体もあるでしょう。一方で、なかなかみんなで集まれない、コミュニケーションが取れない、モチベーションが下がってきているという団体もあると思います。

私はコロナから約半年が経って、これからいよいよ活動停止・活動休止・解散に至る団体が増えていくのではないかとうすうす危惧しています。大学のサークルはこの春は新歓ができていないところばかりで、そろそろ後継者問題に悩む時期です。地域の集まりは、感染予防対策をしながら会議なども開いていますが、イベントによる交流は難しく、コミュニケーション量も減っています。ぎりぎり生命維持はできても、新たな仲間の巻き込みや次年度以降の担い手づくりにとっては難局です。

「どうしたもんかねぇ」と言いながら時が過ぎ、状況を改善できないままにただただ時間だけが過ぎていくような状態もあると思います。チームがあって、仲間がいて、ミーティングやコミュニケーションがあればそこからいろいろと気持ちも湧いてきますが、それもないとなると状況を改善したいという意欲・モチベーションすらも湧かなくなってくることもあるかもしれません。

そんなときは、焦らず、落ち着いて、長い目で状況を捉え直してものごとを考えていきましょう。今年度は一旦いろいろあきらめて、2021年4月以降の活動計画を考えてみるのも良いかもしれません。「未来に向けて今は作戦を練っている時期だ」「次なる変化・進化のために休息して英気を養っている時期だ」と今の自分を肯定できれば、そこからまたパワーも湧いてくることでしょう。今こそ「自分は何がしたかったんだっけ?」「自分が突き動かされる問題意識って何だったっけ?」「自分の身を投じて何を解決したかったんだっけ?どんな社会をつくりたかったんだっけ?」とじっくり深く考えるときかもしれません。それができたとき、あなたの活動の熱源はまた回復していくことでしょう。

市民活動やコミュニティ活動は、本質的には「気持ち」によって成り立っています。法人格や事務所や財務などの基盤によるところもありますが、一番のリソースは「人」と「気持ち」です。(だから非営利組織のマネジメントはおもしろくて難しいのです)
逆に言えば、「気持ち」があればいくらでもやりようがあります。目の前ではミーティングができなかったり、イベントができなかったり、みんなのモチベーションが下がったりして、活動が停滞・停止しているように見えますが、そんなのは表面上の張りぼてです。市民活動・コミュニティ活動の中心的な核は「気持ち」なのです。「気持ち」があれば活動は続いているのです。

いまこうして「これからどうしようかぁ」と考えている時間も活動です。誰かのために、何かのためにと四六時中考えているような時間も活動なのです。その「気持ち」が続く限り活動は続いています。そして、場合によってはかたちを変えながらも、これからその気持ちにまた“かたち”が与えられていくことでしょう。コロナによって一時的には今までのようには行きませんが、「気持ち」があればいくらでもまたかたちを変えて活動は展開されていきます。

ここではたっぷり語ることは控えますが、結論だけ言うと、これからの時代には市民活動やコミュニティ活動が大切なのです。活動があって、人々の参加があって、それによって「つながり」ができたり、「居場所」や「仲間」ができることが、これからの人間・生活・暮らしにとって大切ですし、地域や社会の安定・豊かさにとっても大切です。たかだかサークル活動と言われたり思われたりするかもしれませんが、そのような活動が地域にイキイキとたくさんあって、一人ひとりが自分に合ったコミュニティにつながれていることが人々の健康や幸福や豊かな暮らしにとって重要なのです。私たちの活動はそれくらい重要なものの一翼を担っているのです。

最後に、私の大好きなブルーハーツの「人にやさしく」の歌詞を送ります。
「僕が言ってやる。でっかい声で言ってやる。がんばれって言ってやる。聞こえるかい?がんばれー!」
「気持ち」があればまだまだ行けます。焦らず、じっくり行きましょう。^_^


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