第2波・第3波に備えて

第2波・第3波への備えをしておきたい。ただし、ここでは感染防止対策という意味ではなくて、「つながり」と「コミュニティ」という意味においてです。

■高齢者
コロナウイルスの影響で、独居高齢者でリスクにさらされている人がいます。普段は地域の集会所・通いの場に集まって交流したり、道端で何気ないおしゃべりをしたり、福祉的なケアによって様々な状況確認やコミュニケーションが行われていたのに、それができない状況が発生しています。

この状況が長引くと、運動不足になったり、認知機能が低下したり(認知症が進んだり)、うつが進行したり、場合によっては孤独死ということもありえます。重症化リスクを考えて外出を控えている高齢者の方も多いでしょうし、支援側もアプローチしづらくなっていると思います。普段の「つながり」と「コミュニティ」が一時的に失われています。

■家族
外出自粛や在宅勤務によってみんなが家に居る時間が増えて、それが家族の親密度を上げた場合もあれば、それによって起こる家族の中の難しさ・トラブル・居心地の悪さ(逃げ場のなさ)という状況も発生しています。

この状況が長引くと、暴力・虐待といったことが起きかねません(起きています)。良くない関係性においては、空間的・時間的距離が縮まることはリスクです。暴力・虐待をしてしまう側も、それにさらされてしまう側も、双方にとって“外”の「つながり」と「コミュニティ」が断たれてしまうことは、より暴力・虐待のリスクを高めてしまいます。

■第2波・第3波に市民活動こそ備えよう
いま起きつつある第2波の予兆も気になりますが、ここで考えたいのは秋や冬に起きるかもしれない第2波・第3波への備えです。冬に備えて、医療体制の整備が急ピッチで進んでいると思います。企業は在宅勤務・リモートワークができる体制を徐々に整えていくでしょう。市民活動・コミュニティ活動は今がチャンスです。来週6月1日から経済も学校も社会活動も少しずつ動き始めていくと思います。感染防止対策をしながら、少しずつリアルで集まることもできるかもしれません。この間にいろいろ整えておきたいと思います。

来月6月〜8月にかけて活動の再開を進めると共に、第2波・第3波に向けて備える月間にもしてみてはいかがでしょうか。私は80歳になる母にiPadを買って、使い方を説明して、オンラインで会えるようにします。2年間は続く(波が何回もやってくる)と思っての判断です。また秋や冬に緊急事態宣言のような規制・制限のかかる状態になったとしても、独居高齢者が誰かと「つながれる」「ケアできる」仕組みを今のうちに整えたいですね。

また秋や冬に外出自粛でステイホームになったとしても、誰かが身体的・精神的暴力にさらされないような予防・緩和のコロナ対策(外出自粛対策)をしたいですね。それが起きにくいような予防、その構造に入ってしまったとしても助けを求められる対応策。今回の3ヶ月を振り返り、いろいろな知恵を絞りたいです。

■「つながり」と「コミュニティ」の媒介者としての市民活動・コミュニティ活動
市民活動・コミュニティ活動全体としても、活動を少しずつ再開する時間にしていくと共に、第2波・第3波が来て、また外出自粛を求められるような状況になっても、「活動を続けられる体制」をつくりたいです。今からオンラインミーティングに慣れておくことも必要かもしれませんし、そのためにWi-Fiやパソコン・タブレットを装備することも必要でしょう。感染予防対策をバッチリしながら、人数減らして集まれるような訓練(?)をしておくのも良いかもしれません。(私はフェイスシールドを10個買いました)

コロナ時代は「つながり」と「コミュニティ」の重要性が再認識されています。しかし、「つながり」と「コミュニティ」は自動的にはできないし、個人だけで創るのも大変です。活動・コミュニティが媒介者となって、つながりや居場所はできていくわけです。人間や社会にとって「つながり」と「コミュニティ」は重要で、それを媒介者となって創っていく市民活動・コミュニティ活動には大きな役割があるのです。社会的な活動や趣味の活動を通じて創られる「つながり」と「コミュニティ」。それがコロナのような危機(コロナショック)に対するセーフティーネットになるのだと思います。



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