第2期V名人戦自戦記 Roi将士 vs 五反田えぬ

ウルトラ筆無精な私ですが、せっかくなので時間ができたときに自分の対局の振り返りをしてみます。感想戦に参加できなかった罪滅ぼしも兼ねて。何より多くの方が観戦記を書いているのが楽しそうで、私も書いてみたくなりました。

Roiさんが0勝1敗、私が1勝0敗で迎えたお互いにとっての2局目。Roiさんにとっては負けると降級がちらつき、私にとっては勝てば挑戦者決定戦が見えてくるというお互いにとって大事な一戦です。

事前準備

初戦の雨宮エイスリン戦からわずか1週間での対局ということであまり対策を練る時間はとれませんでした。Roiさんは使う戦法も幅広くて具体的な対策もたてづらいということもありましたし。

最低限、詰将棋だけ解いて平日を過ごすことに。7手詰めハンドブックと、将皇の実戦詰将棋ですね。ところで詰将棋って詰み筋をたくさん覚えるという効果もありますが、頭の中で駒を動かして数手後の盤面を正確に脳内に描く練習という側面もあると思うんですよね。後者のためならムズカシイ5~7手詰めよりバラして並べて簡単に詰む11手詰めを解く方が効果的なのかなーとか思ったり思わなかったりしています。

そんなこんなで過ごしていましたが、なんと、別の配信予定が対局当日の21時に組み込まれます。V名人戦の対局からわずか2時間後です。ま、21時を指定したのは私なのですが。雨宮エイスリン戦がだいたい1時間で対局終わって2時間で配信終わったので今回もそんな感じで間に合うでしょーと思っていました。その対局でさえかなり長い中盤を戦ったという感触があったのでいくら粘りのRoiさん相手といえど対局自体はさすがに1時間30分以内で終わるでしょうという読みでした。今にして思えば甘すぎる。

当日準備

当日は早めの食事をとって対局に備えました。カフェオレとチェダーチーズのホットドッグです。濃いコーヒーを飲むと夜眠らなくなるのでカフェオレ。これ食べながら将棋ウォーズ3局やって準備運動!のつもりだったのですが全くいいところなく3連敗。不安がたちのぼってくる……気を取り直して詰将棋をして何とか心を落ち着けました。

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ついでにRoiさんの最近の戦型選択も調べました。圧倒的角換わり腰掛銀です。まあそれならそこまで序盤で劣勢になることもあるまいて、と余裕ぶる。振り飛車を選んで避けることもできるけれど私はRoiさんのエルモ囲い急戦の方が怖いので角換わりなら喜んで受けようという考えです。相掛かりは指したくない。

対局

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Roiさんの先手で始まった対局。戦型はやはり角換わり。じっくり腰掛け銀になると思いきやいきなり▲35歩からの開戦でおののきました。45桂速攻の対策は正直あまり知らない。とはいえトルシカナイ。△同歩▲45桂。ここで△22銀と引いて後から44歩を狙うのが普通だと思うのですが、さすがにその手順は深い研究があるはず。多少不利でもなるべく研究の浅い方に進みたいと思って△44銀。

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しかしこちらの手順ももちろん策があったようです。1筋を入れてから▲34角が痛い。はっきり作戦負けを自覚します。

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▲24歩が来る前に最低でも飛車先は軽くしておかないといけません。というわけで△88歩。正直無視されて▲24歩と突かれて負けかなとは思っていましたが、そこはブラフで何とかするところ。先まで読んで成算ありますよとアピールするために時間を使って打ちました。これが入って少しはマシに。

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千載一遇のチャンス。△77角成▲同桂△45飛が次の37角打を狙って形勢挽回です。ただそこで▲58玉と我慢してまだまだたいへんだとは思っていました。実戦は▲37歩。これもいい我慢。

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△48銀があった気がしましたが▲38金△59角▲69玉△37銀の順になぜか自信が持てなかったです。残り10秒で方針転換して△28角。たぶん悪手。▲38金とされていたら自信なし。

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ここは△14飛で何でもないはずなのになぜか飛車回れないと錯覚。有利だった形勢が戻り焦り始めます。

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Roiさんの崩れない指し回しに業を煮やし、暴発の△58馬。▲同香に△47銀と絡めば詰めろっぽいので(詰めろではないのはわかっていました)受けに金を投資するしかないから逆に私の玉が安全になるでしょという読みでしたが、そんなわけなかった。将棋ウォーズならこういう手も通るイメージがありますが……

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ここもなぜか△同玉としてで危ない方にいってしまいました。△同歩は▲23成香が王手で入るからイヤだったのですが、別に逃げてなんでもないじゃん。感想戦の通り、△同玉に▲55金とされていたら負けでしたね。本譜は▲55銀△34玉▲59金。△28飛成と馬を抜いて自玉が寄らなくなりました。


しかし今度は別の危機!このとき既に20時40分を回っていました(たぶん)。ここらへんから21時までに対局が終わらないのではという焦りが生まれ始め、1手30秒で指すことを決意。優勢だから即指しするなんて将棋に対して真摯な態度ではないことは重々承知でしたが、21時からの予定も初対面コラボなので絶対遅刻するわけにいきませんでした。Roiさんにも中継解説の方にも視聴者の方にも申し訳なかったです……

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普段の激辛棋風の私なら絶対△57桂成らずの詰めろ龍取りで龍を抜く場面。焦っていたのかなぜかこの手が指せない。龍を抜くのが最善かどうかはともかく、自分らしい手が指せなかったのが悔やまれます。

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最後まで徹底抗戦のRoiさんでしたが、何とか詰まして勝つことができました。

全体の感想

通してみると、私は序盤中盤終盤隙だらけでしたね。特に序盤、45桂対策を知らないで角換わりを指すのがそもそも甘かったです。中盤はお互いに読みが噛み合ってしまって、悪手をたくさん見逃してもらいました。信用されてるのでしょうか。

あと、次回からスケジュール管理にはちゃんと余裕を持たせます。これが今回の最大の反省かもしれません。

次局にむけて

次の対局は川山一誠さんが相手です。強敵です。受け将棋が3人も集まった勾玉リーグでもしかしたら1番受けが強いかもしれません。受け将棋同士は長い対局になりがちなので、集中力を切らさないようにしたいですね。


そんな感じ。お付き合いいただきありがとうございました!


英語で書く気力はありませんでした。

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