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無縁仏のある町

1月19日
 2008年、受刑3回目の府中で新入工場にいるとき偉い刑務官の講話の中にさ、「ここは毎日、収容人員日本一の座を、大阪刑務所と競っているマンモス刑務所です。
 3000人の収容者がいるので、そうなると一つの村と同じです。学校や病院も必要になるし、もちろん亡くなる人もいます。
 ここ、府中刑務所では年間で、平均10名の方が息を引き取られて、昨年は11人。
 そのうち、家族が遺骨を引き取りに来たのがたったの一名でした。
 ご家族のほうに連絡は取れても、本人が働いて得た報奨金だけ受け取りに来て、あとはこちらに任せるというのが以外に多いです。
 なので無縁仏となった遺骨は池袋にある、雑司ヶ谷霊園で供養されることとなります。ですから皆さん。生きて出てください。」
 なんて講話だったことをおぼえている。
 家族のいない年寄りってのが多いみたいだけど、本人が働いた金だけとりに来ても、あとは知らないってのもちょっと寂しい。
 初犯で東京拘置所の図書係をした時に、統括ってオヤジの事務所の黒板にひと月分の予定を書き入れていたが、毎月の予定の中に「雑司ヶ谷霊園」てのが必ずあった。当然死刑になって無縁仏となったものに対しての供養だとは思っていたが、まさか獄死者の遺骨も各施設から集められて来ているとは思はなかったよ。サンシャインのある場所に大昔、巣鴨プリズンがあったためにそんな流れになってるんだろうね。
 それにしても、東拘のオヤジの仕事として、月に一度、供養に行く予定になってるんだから、もしかしてそうしないとならない秘密があったりして。

2019.1.8 しかしこのタブレットで色入れるの、うまくできないなあ。

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