俺の負けです
2014/9/21 記
昨日の話の続きは俺のことになるけど、昔こんな敗戦があった。
甲府で同じ舎房のオッサンと揉めた。俺も若かったので、相手を見て全力で向かうほどもないと判断し、ちょいと懲らしめてやるか…
くらいの余裕。
顔面パンチはオッサンが可哀想と情けをかけて先制パンチは左ボディ一発。
オッサン効いたらしく、グォっと唸って体を前に折り曲げた。
俺の方に倒れ込んできたので、終わったと思って気を抜いた俺はオッサンと一緒に畳んである布団の上に転がった。
その瞬間、なんとこのオッサン、俺の金玉を握っていた。
ヤバい!と思ったけど、もう遅い。
体を密着させたまま、必死の形相でオッサンは金玉握ってる手に全力を注ぎ込む。
「潰すぞこの野郎」
オッサン目は真剣だ。
「待って待って待って!俺の負けです!」
と叫んだ俺は根性のない男だろうか?
オッサンはそのままドヤ顔で手を離し、立ち上がった。
背を向けたオッサンの後ろから思いっきり飛び蹴りの体制に入るも、用心深いオッサンは、素早く箸を握って振り向いた。
あのオッサンとことんまで来そうな気がした。やられたよ。
だってありゃ、迷わず刺すよ。
思えば顔面ぶん殴ったら可哀想なんて考えて喧嘩売ってる時点で俺の負けだな。
きっとほんとに喧嘩の強い奴って、ためらいなくなんでもできる奴だ。金玉が卑怯とか、箸で刺したら殺人未遂、なんて関係ないね。
拳銃持ってても、俺は人の頭に向けて引き金を引く勇気はないし、ナイフを持ってても、人は刺せない、
喧嘩に向かない優しい男だと言うことだな。分かる?
PS
もう今は喧嘩なんかしたら、大変だ。これからは穏やかに人生送りたいな。
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