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臆病者のなせるワザ

2014/8/20 記
 この前、俺が歯科治療で歯を少し削ってもらいに行った時、一緒に行った同囚は抜歯したんだ。
 そして昨日も歯を抜いてきたものがいたうえ、今日もいた。
 この30人足らずの工場で、わずかな間に3人も抜歯して、4人目として待ってる俺がいるのだから刑務所1000人ちょっとの人数を考えたら歯医者もフル稼働しているようだ。
 この分じゃ、俺の順番は当分来ないな。先日の歯痛でやっとのこと抜歯する覚悟を決めたのに、早くしてくれないと決心がぐらつく。
 歯医者は苦手なのだ。
 先日一緒だった同囚に、抜歯の様子を聞くと、不思議と痛くなかったという。注射もそうだし、抜歯後も特に痛まなかったと。そして昨日抜歯した同囚にも聞くとやはり痛みはなかったという。
 注射の前に歯茎の表面を麻酔してくれたかと聞くと、いきなり注射だったらしい。そのことだけでもちょっと引く俺なのだが、ちょっとチクリとするだけで全然楽だったという。馬鹿野郎俺はそのチクッていうのが嫌いなんだよ。
 先生が上手いのか、12年前の抜歯で俺が死ぬ思いをした頃より医学が進歩しているのか、なんだか少し安心することができた。
 しかし自分が呼ばれる前に色々聞いている俺は小心者か。
 「大丈夫ですよ、後藤さん、痛くないですから」(笑)

「別にビビってねーけど」

PS
本当に歯医者の技術は進歩してるのをこのあと感じるんだな。
お陰でジャバに戻った時歯は全部治せたもの。
 

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