初老になったんだよ

2014.3.4

 便秘だからうんこを出したくて、夕食が住んだ後は薬と一緒にづい分お茶を飲むんだよ。そのせいか夜中に必ずトイレに行く。頻尿というやつか。結構な回数の時もある。
 今日、この刑務所においては初めての医務診察を申し込んだ。
 医者からは普通だあよと言われて終わり。ついでに最近小便の切れが悪いというと、それも普通。薬なんていらないから、自分で工夫しろとか言われた。
 最後に一言。「君も初老になったんだよ」。
 ショックだった。
 年を取ってしまったことではないよ。
まだまだ若いなと言われた初犯のころから、初老になったといわれるまでの大半を刑務所で過ごしてしまったことを、はっと気づかされたことだよ。
 若いねと言われたころから初老の今日まで。この長い月日は俺にとっていったい何だったんだろう。ドラッグとともに、自分のやりたいことやって生きて来たのは間違いない。それはそれで、普通では経験できないこともできた。しかし、その代償はあまりにも大きかったんじゃないだろうか。
 なんと空っぽの人生だったことか。
これまでの人生で俺が残したものなんて何がある。
 馬鹿な俺は気づくのが遅いのさ。
それともわずかながらも人生が残っているのだとしたら、今気づいたことをラッキーと思って残りの人生自分自身に懸けて見るしかない。

初老になったとはいえ人生逆転するパワーはまだ残っているはずだ。

生きることに懸命だったのがいつの間にか死ぬために生きるようになるのか

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