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懲罰の時って?

12月12日
 今日も狭い個室で袋貼りというつらい一日が終わったよ。
 移送の声も掛からず、明日から指導日を含む3連休の間は、どうやらここで過ごすことになりそうだ。
 何も書くことがないので、昨日の話の続きをしようか。
 審査会の後、言い渡される懲罰は軽い5日程度のものから、最高60日まである。薬のまとめ飲み。火事、脱走未遂なんかが重い。
 懲罰が始まると部屋の荷物はすべて外に出されて、残るのは洗面用具と布団。それに箸とコップ。
朝飯が住んだらすぐに扉に向かって座る。1日中だ。
 飯の時と、許可を取っての用便以外はひたすら座る。夕食の後は通常はいつもと同じ様に9時まで過ごせるが、ラジオもならなけりゃ本も新聞も入らない。
 すると無性に活字が恋しくなって、普段は見もしない生活の心得なんてのを開いたりする。
 アウシュビッツの収容者達が風に吹かれて飛んできた新聞の切れ端を何度も何度も読み返したというのがわかる気がする。
 風呂も1週間に一度程度になり運動も同じ。ひげも自由にそれないので伸び放題だ。なあ、自分の家でこれ何日できる?
 せいぜい1時間が限界だろ?これを続けてると、どっかいかれてくるんだね。俺の場合は数々の経験上だいたい12日~14日でおかしくなるね。
  独り言が始まるのだ。座ってるだけだから頭でいろいろ考えてそのうち声が出て相づち打ったりする。「まいったなあ」とか「あの野郎」なんて。
 そんなところを看守に見られても「こらあ!じっとしてろ!」とは怒られないんだよね。心配になるんだろ。言ってくるのは「おい。「だいじょうぶか」?だ。

もう慣れたよ。

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