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シャブ教って?

2014/1/25
 覚せい剤禁絶教育。これが正式名称だ。
 シャブで刑務所来てる奴は、この教育を出所までに数回受けることになる。
府中にはなかったが、甲府と東拘にはあった。
 プログラムは一時間程度のものが全部で6回。甲府のそれはホントに身になった。外部から精神科の先生が来たり、山梨学院大学から科学の先生が講師としてやってきた。
 科学の先生にはすげえ質問したヨ。せんせい!
「見た目だけで覚せい剤だと見分ける方法はありますか?」
「覚せい剤の結晶は針状結晶といって割ったときに針の束を掴んでいるような状態になるのが特徴です。」
 「純度の良い、悪いの見分け方はありますか」
 「最も水に溶けやすく、沸点が低いというのも特徴の一つですから、水に溶けないものは粗悪品で、加熱した際に先に帰化する部分が最も純度が高いといえますね。」
 「直接注射器の中に薬を詰め込んで、水を吸えば液体の中はほこりが多くてそのまま注射すればごみも体内に入れてることになって脳血栓とかになってしまうんですか」
 「人間の体はそんなにやわじゃないです。ごみも不純物も肝臓がろ過してくれます。それよりも粗悪な覚せい剤に含まれる、人間の体ではろ過、排せつができずに体内に蓄積されてしまう成分のほうが怖いですね。これは眠剤や安定剤に含まれているものと同じなのでそれらを長く服用することのほうが怖いと思いますよ。」
 「先生、メタンフェタミンとアンフェタミンの違いってなんですか?」
 「うん。皆さんがよく耳にするのはアミノプロパンのほうですね。科学記号で言うと・・・・・・」
 「・・・・・?」
 「あの、あなたさっきから・・・質問・・・薬を辞めるために聞いてるんですよね?」
 「おい後藤!もうやめろ。質問はもういい。」とオヤジの一言で終了。

東拘のシャブ教
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甲府で受けたシャブ教の前に、初犯の投稿でもシャブ教をやった。
しかしこっちはホントにふざけたものだったよ。
 シャブには何の知識もない統括のオヤジが視聴覚室に15人を集めて自分の前にパイプ椅子に座らせ並ばせた。
ダルクのように、それぞれの体験談を話ししていくミィーティングをやろうとしているようだが、オヤジの態度はそんな感じじゃない。背もたれが稼働する椅子に尻が落ちそうになるほどふんぞり返って足を投げ出し、帽子を深くかぶって目をつむっている。
 『おい、一番恥の奴から、覚せい剤をやったきっかけを言ってみろ。』
驚きつつも端に座っていた彼はしゃべりだした。すると、
 『なんだお前は、ああ?ちゃんと立って話せ』ときたよ。
お前のほうこそ、ちゃんと座ってろと言いたいが、ここはぐっと抑える。
『ええ、私は普通に社会人になってから・・・』立ち上がって話し出した彼をまたぶち切って、オヤジが言う。
 『おい待て。おまえは学校行ってねえーのかよ』
 『行ってますけど』
 『じゃあ、そっからだろ。楽しようとすんじゃねえよ。』
くー。俗にいうひっつきというやつだな。それがこのオヤジだと100倍にくたらしい。
彼もさすがにむっとした感じで再び話を始める。
 『高校を中退して私は』とたんにまたかぶせてくるほんとにしつこい。
 『おい、お前さっき普通に社会人になったって言ったよな。中退してんのが普通か?』
 『・・・・』
 『どうなんだよ、ええ?』
さすがに本人頭にきたらしくもろに顔に出ている。
『そんな顔して話ができんのかお前は。だからこういうところにきてるんじゃねーのか。少しは考えろよ。わかったら続けろ。』
 顔をつくったまま、彼は話し出した。
 『社会人になってから・・・』
 『だからどういうところに勤めたんだよお!』もうしつこいにもほどがある。人間がダメなんだな。ほかの14人も完全にあきれ顔だ。
 『休日に場外馬券場に行ったとき、・・・』
 『だーから学校中退してそんなところに出入りしてるからおかしなことになるんだってお前分かんねーのかよ』もう全く覚せい剤の話にすすめない。
 彼はついに切れた。
『じゃあ、どうやって話すればいいんですか!』と、居直った。
 するとオヤジ。チッ、と大げさに舌打ちして、
 『もういい、駄目だお前は。おい、次の奴、やれ。』
と、言ったときチャイムが鳴って終了となった。なんと彼は一時間も引っ付かれていたことになる。一時間で話は一人だけ。しかもシャブの話まで行かないんだからこれがシャブ教なんて笑わせるよ。
 こんなやつらばっかりだよこの東拘の刑務官は。いつか大けがするだろうよ。

最低の男だった。

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