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シャブはどうしていけないの

2014/9/17 記
 脱法ハーブは危険ドラッグと呼び名を変えて、連日ニュースや警察の密着番組で取り上げられている。
 危険ドラッグを使用した上での車の運転が死者を出すまでの事件になっているからだ。
 こいつらは人の命を奪っておいて、飲酒運転同様に道交法で裁かれるだけだ。
 一方、覚醒剤に関わったチャゲ&ASKAのASKAは、執行猶予付きだが3年の実刑判決を食った。
 彼は誰かに迷惑をかけたのだろうか?薬によって前後不覚になり、他人を轢き殺したりしたのだろうか?
 覚醒剤は社会的印象が悪い。
 世間から抹殺されたも同然だ。

 覚醒剤の裁判になると、弁護士との打ち合わせの際、いつも言われることがある。
 法廷でどうして覚醒剤がいけないのか質問するので答えてくださいと。
 本人が覚醒剤の善悪について認識し、反省していることをアピールするためなのか知らないが、この質問には毎回困る。
 体を悪くするだとか、頭がおかしくなるからだと答えるも、弁護士の先生方は決まってそれじゃダメだという。
 それじゃどう答えりゃいいのかを問えば、
 覚醒剤の入手に使われる金は暴力団の資金源になること。薬は人間のやる気を奪い仕事を失って、最終的には社会全体を滅ぼすことになるからだ。
という具合に答えてくれと。

何かおかしくないか。
 俺は30年びっちり覚醒剤に浸ってきたが、頭や体が、社会生活が困難になる程おかしくなった気はしないし、社会を滅ぼさせた様子もない。
 前回の裁判では、この質問に「よくわからない」と、弁護士のアドバイスを無視して正直に答えたところ、このよくわからない理由を、裁判長は俺に諭すように教えてきた。
 だから俺は言ったんだよ。
「覚醒剤を買うために末端の客が一万円を握りしめてくる時、自分の払う一万円が、暴力団の資金源集めに協力している。ましてや、社会を滅ぼそうとしている。なんて考えてる奴なんているわけないよ。
むしろ薬欲しさに借金作ったり、それで夫婦仲が悪くなったりの方がよっぽど身近で切実な問題じゃないのか」って。

裁判長、渋い顔してたけど、そんなこと言っちゃったから判決が1割増しになっちゃったのかな。

何が悪いのか、どこが悪いのか。
色々あるけど、過ぎればやはり、良いことは何も無いのが現実かもな。

2014/9/18 記
今日は作業開始すぐに処遇が来て、一名連行された。
 およそ半年ぶりの吸い込みだから、ここは優等生工場なわけだ。
さて、連れてかれたやつは一体何をしたのか?皆の気になるところ。
 当然オヤジに一番近いところにいる経理の二人。計算工と衛生の俺なら何か知ってるかとこぞって聞きに来ることになる。
 知らねーよ。
 俺はオヤジとは必要最低限の会話しかしない。懲役にはフレンドリーでも、オヤジとはいっさい雑談したりは無いのだ。
 「何したか聞けませんか」
「なんとか戻って来れるよう頼めませんか」

だから知らねーってんだよ。自分で言えよ。
本当めんどくさいポジションだ。

のちの講話で、工場で毛抜き作ったのがばれたとか。
そんなのかばっていちいちオヤジに頭下げられるか!
くだらねーことでオヤジとの接点作らせんな!

懲役にとってなんと役にも立たない衛生係だよ俺は。
今月の報奨金33238円なり。

PS
多分カレンダーの写真を描いたんだろうな。結構良いかも。

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