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あの頃俺は若かった

2014,4,26
さて、またまたいつものように退屈な週末なので昔話を。
 懲罰、懲罰って言ってるけど、じゃあ俺はこれまで、どんな事で懲罰座ったのかって話で、最初の懲罰の時の話を。

 2度目の懲役で甲府に行った時、
 俺は懲役のメシを作る"炊場場“に降りた。
 経理工場(生産しない)である炊場は、一般工場と違ってやさぐれた者のいない。全くのサラ制だ。
 新人の仕事はたくさんあっても、古株は楽だ。2度と新入の作業をすることはないので上から目線でうるさく言うのがいる。
 下手に出てたら何も言ってこないと思って、チクチクとうるさい。
 皆が休憩してても言われるままに俺は、デッキブラシで床を流していた。
 するとさっきから、何かとうるさい奴が現われ、ブラシを片手に床を流し出した。
 おっ!手伝ってくれるなんて、本当はいい奴なのかな…と思うと、
 ブラシを掛けながら俺に近づいてきて一言。
『俺がこんな事やってるようじゃしょうがねえぞ。』だって。

 作業が遅いと言いたいのか、頼みもしないのに手伝いだしてこの言い草だが、そこは辛抱が大事。

 明けて2日目。各工場に朝メシを
運搬するも炊場の仕事なので、台車を引いて、皆についていく。
 新入りの俺は、エレベーターの入口で積み込みをしろというので、先に行こうとした時、バケツも持って来てと言われて台車を振り返ると、 そいつがまた一言。呆れた顔で、首を傾げ、舌打ちしながらこう言った。
『チェ。何日やってんだよ』。
『2日目だ』と言って顔面パンチ。
 5年も刑期打たれて不貞腐って来てんだから、投げやりなもんだ。
 刑務所来て最初の工場は1日半しかもたなかった。
 ここから俺の懲罰が確変に突入してゆく。
あの頃俺は若かったよ。
25日座った。

2023/1/15
世の中大抵のことは暴力で方がつくと思ったら大間違いだ。今ならわかる。

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