受刑者減少の理由
2014/9/5 記
この月形刑務所ってのはさ、1棟から3棟までか旧舎で7〜800人の収容が限界だったのだけれど、今は4舎から8舎が増設されて、そこは前にも書いたようにエアコンの入ってる綺麗な旅館のようなところだ。
今俺がいる旧舎とは天と地ほどの差がある。この新舎ができて収容人員はおよそ1800人に拡大したがご存知のように近年では刑務所に来る人間が劇的に減少したために、現在ここは1000人弱の収容者しかいない。
俺が府中刑務所にいた頃、過剰収容で刑務所が満帆だったことを懸念して、この月形刑務所も新舎を増設したのに今のところそれは裏目に出た感じだ。
今日、工場で配食してたら副担が例の如く盛り付けを確認しながら言ってたよ。
受刑者が減ったのは、世の中の景気が良くなったからなんだと。
受刑者の数と景気は比例しているらしい。
なるほどね。俺はてっきり昔と違って留置場にいる連中が、痴漢や盗撮、援交だとかの迷惑防止や、強制わいせつできてるのが多いためかと思っていた。
奴らは皆、不起訴や罰金、悪くて執行猶予で帰るような、刑務所に行くまでもない奴らが警察の手を煩わせるようになったからと思っていた。
はは。素人の浅はかな読みだったな。
まぁ、景気が良ければ仕事もある。食うにやまれず、万引きしました。なんてやつが減ったということか。
しかしながらこの話で俺は、胸にグサリとくるものがあったよ。
これほど刑務所に来る人間が減ったというのに、俺は刑務所に来てる側の少数派にカテゴリーされてるって事だ。
ちょっと本気で考えよう。
今更でも。
PS
その後も、少数派にいるままの自分。どうしたものか。
まずはそこからの脱出が重要課題だ。
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