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ターミネーターの釈放

2014/11/24 記
 それじゃ今日は「それで済んじゃうの?」シリーズの極め付けの3発目。
 やはり前刑行く前の小金井署の同房にいた若いサーファーの話。
 彼は飲み会で彼女に振られ、ヤケになって持病の喘息の薬をまとめて飲み、よれたまま自慢のアメ車に乗り込んだ。
 その後車をあちこちぶつけながら走るも車はボコボコ。タイヤはバースト。挙句に炎上した。
 炎に包まれた車をコンビニの駐車場に停め、店に入って
「消化器を貸せ」と店員に。
 この時の防犯カメラに映った奴の写真が供述調書に載っているのを見たが、まるでターミネーター。完全に目が座っている。
 店員に断られると外へ出て、駐車している客の車に近づき、運転手に
「金を出せ」
と殴り出した。小銭を出した客に
「こんなはした金じゃねえ」
とかなんとか言って顔に投げつけ、客をそのまま助手席に追いやり、自分が運転してコンビニを出発する。
 これで強盗と逮捕監禁が成立している。コンビニに置いてきた燃える車で下手したら放火もありうる。
 そのまま車は都内を抜けて静岡に向かうが、まともに運転できる状態ではないのであちこち車をぶつける始末。ミラーはなくなり、フレームは歪み、ボディーはでこぼこだ。
 途中で被害者を叩き降ろすのだが、この時被害者は左手首と指を骨折する。これで傷害罪も追加だ。
 その後一人で運転していくのだがパトカーの追跡を振り切るべくカーチェイスの末逮捕された。
 奴の供述調書を読んだが、誰もが刑務所行きを疑わなかった。
 勿論俺だってそうだ。
 こんな悪質な事件はない。
 いくら喘息の薬で正体をなくしていたとしても情状酌量の余地はない。

 俺の後輩で眠剤でわからなくなったパターンを知ってるが、そいつは8年務めた。
 …なのにそのサーファーは執行猶予で出やがった。
 示談が成立したんだろ。全ての相手に対して。
 親の職業は教えてくれなかったが、デカいアメ車に乗ってることや、家には妹のためのグランドピアノがあって、年に数回は家族で海外へ。今も妹は海外留学中など、話の所々に今回のスーパー判決を匂わせるものがあったよ。
あいつは素直ないい奴だったから、俺も嬉しかったけど、あの写真はなかったな。(笑)

PS
来月東京に帰るチケットを取った。
夏休みの最中なので割高だ。
もっと早く取っておけばよかった。

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