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慰問演芸って?

さて、連休なので昔話を。
今はもうないね。月形も佐賀も、一切ないらしい。
 外部からいろいろな演芸を見せに来るボランティアのことだよ。
 東拘では売れない歌手や落語を見た記憶があるし、甲府なんて高校のブラスバンドや、ぺぺをはじめとしたマイナー歌手やラジオのDJやソウルシンガーなんかも来て、特に和太鼓なんて腹に響く太鼓の音にすげー感動した。
  物まね芸人や、近所のじいさんばあさんによる、趣味のマジックショーなんてのもあったよ。
この何一つ成功しないで、すべてネタバレのおそまつマジックショーに関しては、見せてもらった感は全くなくて、見てあげた感じでこっちが慰問しているような気持になったけどね。
 とにかく毎月何かやってくれたよ。
 府中じゃメジャーな歌手がたくさん来たね。演芸が決まると、数月も前から体育館にポスターまで張り出しちゃってさ。坂本冬美、島津あや、藤あや子、山本譲二を見たけど出所の二年前ぐらいからはいっさい誰もこなくなったよ。
 今日、長期刑務所に勤めている懲役が書いて出版されたという本を読ませてもらったら、「今の刑務所は楽だよ。うるさく言われなくなったし、三度三度飯が食えて、映画も充実していて娯楽まであるんだから。娑婆にいるより楽だよ」という声が大半だって書いてあった。
 そんな本を出版させて世間の目に触れ世論をあおるから刑務所側も改めてちゃうんじゃないの。
 罰を与えて懲らしめているのに、娯楽なんかいらねーだろって。
ホント、馬鹿な事書くんじゃねえよ。昔と同様今の刑務所だって楽じゃないよ。
うるさく言われるし三度の飯もありきたり、映画なんて見せなくなったし慰問だって全くないんだ。俺にとっては苦しいばかりだっつーの。

ホントにふざけたマジックショーだった。
全然マジックじゃないんだから。

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