ランボー 怒りのバイクの描き方
イラストやマンガを描くnoterの割合は結構多いと思いますが、みなさんご自分のキャラクターをバイクに乗せてみたいと思った事ありませんか?
何も「バリバリ伝説」のようなゴリゴリのバイク漫画を描きたいわけじゃないけど、
日常の一場面に自分のキャラがバイクにまたがって現れたら・・・。
普段おとなしそうな女の子がバイク乗りだった!ギャップ萌え☆
なんて事ぐらいは想像した事あるんじゃないでしょうか。
「でもバイクの事よく知らないし」
「ごちゃごちゃしてて描くの難しそう」
大丈夫です!
基本さえ押さえておけば、バイクなんて机や椅子と同じです!
今回はバイクに特に詳しくない人にも、上手く描けるコツをつかんでもらうため、
なるべく複雑な専門用語は使わず解説していこうと思います。
1 : キャラの姿勢について
人馬一体と言いますが、バイクは車と違って走っている場面を描く場合、
必ず人間も描かなければなりません。それがハードルを高くしているんですね。
しかし恐れる事はありません。
大雑把に言うと、バイクには3つのタイプしかないのです。
⚪︎ スーパースポーツ
⚪︎ ネイキッド
⚪︎ アメリカン
以上の3つに対応する乗車姿勢さえ覚えてしまえば、自分のキャラをどんなバイクに乗せようが平気ということです!
図に書きましょう。
ここで注意して欲しいのは、それぞれのグリップとステップの位置です。
以前のnoteでも書きましたが、ここでキャラの手と足の位置が決まり、ポーズの基本となります。ですから、キャラが身体を傾けようがのけぞろうが、この位置は変わりません。
金田くんのバイクもこの分類で言うと「アメリカン」という事になります(ビッグスクーターも同様)
2 : バイクはいくつの「ブロック」で出来ているか
「バイクが描けない!苦手!」という人の理由の多くは、メカが苦手、構造がわからないということじゃないでしょうか。あのごちゃごちゃしたパーツがむき出しになってる様子に惑わされてはいけません。メカだと思うからいけないのです。「ブロック」だと思いましょう!
大雑把に言ってしまうと、
バイクはたった6つの「ブロック」で出来ている
ということです。6つと言っても前後のタイヤを入れてですから、実質的にはたった4つです。
ほら、もう描けそうな気がしてきたでしょ?
どういう事か、図で解説しましょう。
話をややこしくするので、ハンドル、タンク、シート、マフラーなど他の部品は省きましたが問題ありません。他の部品はいわばお化粧みたいなもんです。あとからどうにでもなります。
ではこのブロックを組み合わせるとどうなるか見てみましょう。
どうでしょうか。6つのブロックだけでもバイクらしく見えませんか?わかりやすく省略した部品も薄い青で加えてみましたが、目を細めて見ると、6つのブロックだけでバイクが出来ているのがわかると思います。
補足:「お箸」「せんたくばさみ」について
図2の②を「お箸」③を「せんたくばさみ」と書きましたが、この二つは「サスペンション」と呼ばれる大事なパーツです。道のでこぼこを走った時にそのショックを和らげるため、中にバネが入ってます。
どういう動きをするか知っておくと絵を描く上で役立ちますよ♪
3:タイヤについて
さてタイヤの描き方です。バイクの絵は実はその半分は、タイヤがちゃんと描けてるかどうかで決まってしまいます。逆に言えば、タイヤさえ描ければバイクは描けたも同然です!バイク的にではなく、絵的に難しい話になるかもしれませんが頑張って付いてきてください!
タイヤは多くの「円」で出来ています。そして、その円がバイクのパースに沿って正しく描かれていなければなりません。
「円を描くのは苦手で・・・」という人も多いかもしれません。そういう人はコンパスやテンプレートを使っても構いません。デジタルにも同様のツールがあるので、活用できる人はして下さい。
あとフリーハンドで描きたいけど円は苦手という人、キレイな曲線が得意なペンの方向があるはずです。ぜひその方向を活用して原稿用紙の方を回しながら描いてみて下さい。練習すれば必ずキレイな円が描けるようになります。
ここからはキレイな円が描ける、という前提で、じゃあバイクを描くにはどういう円を描けばいいのかという話をします。
では図5を見て下さい。
フリーハンドの汚い図で申し訳ないですが、あくまで概念として見て下さい。円の概念を理解してもらうためあえて歪ませてませんが、パースに沿って円を歪ませて描く場合、中心で交わる十字線を基準にします。線の交わる中心点は90度、パース線と交わる箇所は両端とも同じ角度です。これは常に変わりません。
では、一点透視のパースに乗せて歪ませてみましょう。
おわかりいただけたでしょうか。
ちなみに透視図が2点でも3点でも、円がどのパース線に沿って歪んでいるかの違いなので、同じ理屈が通用します。興味ある方はやってみて下さい。
では実際に僕の描いた絵で検証してみましょう。
だいたいこんな感じです。
難しい話が続いたので疲れてないでしょうか?僕は疲れてきました(笑)
補足:前輪の傾きについて
この章ではパースによるタイヤの歪みについて解説してきましたが、同じパース上で描けるのは、ハンドルが真っ直ぐで前輪と後輪が同じ直線上にある時に限ります。
バイクが停止している時などは、スタンドを出して傾いてる方にハンドルが曲がってたりします。当然その時は、前輪と後輪を別のパース上で描かなければいけません。
簡単に図解しましょう。
とにかく、ここで覚えて欲しいのは、ハンドルを切った時回転する軸の傾きです。一対のお箸(フロントフォーク)の間に平行にあります。お箸が3本あると考えたほうが良いかもしれません。
この章は難しい話でしたが、自分でバイクを描くとき意識してみてください。きっと出来上がりのグレードが1〜2段違うと思いますよ!
4:最後に
ここまで自分流のバイクの描き方を、できるだけ簡単に解説してきましたが、いかがだったでしょうか?
とりあえず2章までの内容を頭に入れたら、あらためて手近のバイクの写真を見てみて下さい。バイク王のチラシでも雑誌の広告でもなんでも結構です。今までと違って見えたらしめたものです。
そしてお気に入りのバイクの写真があったら、ぜひ、トレースで構わないので絵にしてみましょう。
そして、そのバイクに自分のキャラクターを乗せてみてください。あなたの作品世界がぐっと広がるはずです。
いつかこれを読んだみなさんのうちの誰かが、noteに自分のキャラのバイク絵をアップする事を楽しみにしています!(了)
※下の絵のバイクは写真をトレースしたものです。
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