パチスロサクラアルバイト六分咲き伝 #4
サクラのアルバイトは毎日1日打てる訳では無く、平均で週に3、4回の頻度で打てる感じでした。
それ以外の日は並んで抽選を受ける、所謂「引き子」です。
週でなんだかんだ七万円位の収入になったのでAは恐怖心などすっかり忘れ、毎日サクラのバイトをしました。
1ヶ月経ち、サクラ軍団の感じにも慣れてきた、ある日。
その日も変わらず朝から北斗の拳。
Aはサクラにもかかわらず設定差のある子役や、ゲーム数などをメモるスロキチ。
いつもの様にデータを取りながら1日打つはずでした。
しかしその日は、いつもと違い
子役やBB後のモードは6なのですが投資が全然止まりません。
北斗の拳の当たりはBB(バトルボーナス)と言って、10ゲームの小役ゲームとJACゲーム(レギュラーボーナス)が1セットであらかじめ決められた継続率(66%、79%、84%、88%)でループしていく仕様です。
なのでいくら設定が良くても1セット、単発で終了してしまうと約140枚くらいの出玉しか得られません。
つまり当たりが軽いとしてもBBが継続しないと、まとまった出玉が得られません。
朝、種銭として四万預かり使い切った場合ボスに連絡し、その後指示を仰ぐのですがAは今まで一度として四万使い切る事はありませんでした。
しかし継続に恵まれずAは初めて四万を使い切り、ボスに連絡すると
「2階と3階の階段の中間に集合」
と一言。
階段で待っているとズボンの尻ポケットに何やら感触が、
ボスがすれ違いざまに追加の金をねじ込んでいたのです。
ボスから何か目配りや、鼓舞が少しあるのかと鷹を括っていたAですが、現実を目の当たりして恐怖心が蘇って来たそうです。
台に戻り、再び追加投資を開始したAですが当たりは軽いのですが、いつまでも終わらない
単発地獄
追加で預かった三万も使い切ってしまいました。
怯えながらもボスに連絡すると
「B店(少し離れたゲーセン)の2階トイレに集合」
と、またしても簡潔な文章。
とりあえず指示に従い集合場所で待っていると、ボスがやってきました。
しかしボスはAに一瞥もくれず、電話をしながら小便器へ
「なかなか難しいけどさぁ、もう少し頑張ってくれないかなぁー。入荷して2分後な。」
と、少し怒った感じで話していました。
ボスが去った後小便器の上を見ると小さく折り畳まれた三万円が。
Aは全てを察しました。
さっきの電話は自分に言っているのだと。
あの感じだと、このままでは何かしらの罰を受けてしまうと。
2分後トイレを出て、急いで店に戻り、再び打ち始めました。
が、いくらやっても単発しか引けません。
よくて3連。
一万使い、二万使い、様々な事がAの頭を巡ります。
(本当は設定6じゃ無くて、俺を騙して失敗させて金を巻き上げ様としてるのか)
(ボコボコにされる‥?)
(てか、ここまで負けたらもしかして殺される?)
などと考えながら台そっちのけ、スイカそっちのけ、
なんならリプレイすら取りこぼしながら打っていると。
総投資九万六千円でBBゲット、赤7揃いの緑オーラ。
(ボーナス図柄が2種類あり赤7と北斗、赤7<北斗の順に継続率に期待が変わる、同じくオーラの色にも示唆があり白<青<黄<緑<赤<虹の順に期待が変わる。今回の赤7+緑は一般的にはワンチャンスあり)
継続ジャッジでケンシロウとラオウが戦っているのですが、その時のAはまるでケンシロウの夢想転生よろしく強敵(とも)が如く一緒に動き、一打一打今までに無い程に真剣に打ちました。
「お前が死ななきゃ俺が死ぬ!」
本気でこう思ったそうです。
ちなみにBBが20連以上した後、継続に漏れるとラオウが昇天する演出が発生するのでそれを意識したのでしょう。
結果43連、約6,000枚の出玉を獲得しました。
その後公園で回収金をボスに渡すと
「良かったよ、次も頼むな」
と言われ、バイト代を受け取り足早に家路に着いたそうです。
しかしAは懲りる事なく、次の日もまた次の日もサクラのバイトへ行くのでした。
次回 沖スロの洗礼
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