Dream バイバイ。11話目

『時代は西暦20××年、今より少し未来のお話。
私達は夢を売り買いする、夢制作会社
『Dream buy bye』

今日も、夢を買いに来られたお客様がいらっしゃいました。
まずはどの様な夢をお求めか、お聞き致しましょう。』

ーーー山口 桃子(50歳)、 梅子(??歳)の場合ーーーー

桃子「こんばんは。今年もいつもの夢をお願い致します。」
男性店員「まだ、娘さん、目を覚まされ無いのですか?」
桃子「そうですね。事故に遭って、眠り続けてから6年目になります。
毎年こうして誕生日になると、夢を買いに来ていますが、いつか生きる希望を見つけて、自ら目を覚ましてくれるのを待っているんですが。。

何か脳に障害があるわけでは無いんです。でも目を覚まさないんです。

お医者さんが言うには、娘自身、目覚めたいという意志をもっと強く持つ様になったら、目覚めると思うのですが、と。

娘は目を覚ましたく無いのでしょうかねぇ。。

小さい時から、夢を作る仕事がしたいと言っていた子なので、自分が夢を作り売る仕事の夢を見ていたら、いつか生きる気力が湧いて、目を覚ますのでは無いかと毎年こうして夢を買いに来てるんですが。。
なかなか、覚さないものですね。
もう今年でこの夢を買いに来るのも最後にしようかと思ってるんです。

娘も今年で20歳になります。
夢を追うにはそろそろ厳しい歳になるんじゃ無いかと。
夢を買うのは私にとって唯一の希望だったんです。」

男性店員「では今年は娘さんには夢を売る仕事の夢では無く、違う夢にしましょう。恐れ入りますが、お母さんの事、お父さんの事、娘さんの事、差し支えなければ、詳しくお聞かせ願いますか?」

桃子「はい。分かりました。主人は娘が5歳の時に交通事故で亡くなり、、、。」

そうして桃子は男性店員に自分の事、娘の事を時間のある限り話して、会社を後にした。


一ヶ月後、さぁ、山口様。
お待たせ致しました。山口様の商品が出来ましたので、取りに来て頂けますでしょうか?!

continue…
Dream バイバイ。12話目に続く。


よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!