見出し画像

「理解って」しまったこと

お久しぶりです。新垣結衣です。

今回はちょっと真面目な話になりますが、最後まで読んでいただけると嬉しいです。

はいドン!!!!!!!!!

去年の1月(成人式直前)、思いつきで決行した東京往復ライドです。

「成人式のネタに何か面白いことしようかな」

「今から東京行って、即Uターンして帰ってみるか!!!」

実は、2019年末までの最長走行距離は180km程度でした。
年末恒例行事 #Festive500 の最終日にソロで自走ビワイチ(合計300km)をサクっと済ませ、そこから1週間ちょっとで東京往復に挑戦してみる頭の悪さ。
なんだかんだ理由をつけてサボりがちな今の自分としては見習うべき部分もあります。

当時の愛車、KUOTA KULT(平坦クッソ速い)

シートポストを反転させてTTバイクとしても使えるエアロフレームに、そこそこの重量があってめちゃくちゃ丈夫な50mmハイトのホイール。脚をくるくる回すだけで勝手に進んでくれるので、かなり助けられました。
ステム下にモバイルバッテリーを取り付けたり、あちこちに反射テープを貼って被視認性を高めたり……突貫工事ですがロングライド用の工夫も施してあります。さて、

ここから本題に入ります。

突然ですが、幻覚を見たことはありますか?
ブルベをやっている人の間では定番らしく、「赤信号の点滅が他の参加者のリアライトに見えた」から「葉っぱや石ころ全てに『顔』ができて笑いかけてくる」「交差点にデカいタケノコがある」まで様々なケースがあるようです。

僕が「それ」を見たのは、箱根を越えて湘南の海沿いを走っている時でした。

自分の最長走行距離(最近更新したばかり)とほぼ同じ300kmを走ってから、平坦特化のバイクで箱根峠を登る地獄。
なんとか登り切ったところで道を間違え、急勾配のつづら折りが続く旧道でダウンヒルする地獄。

補給に気を遣ったのでハンガーノックにはならなかったものの、想像以上に疲労が溜まっていたようです。


車の魂が見えてしまった


車の後輪の2m上に、バスケットボールほどの大きさで黄色く輝く車の魂があります。

これが本当に綺麗なんです。

僕を抜いていく車にも、対向車線の車にも、黄色く輝く車の魂があります。
チョウチンアンコウの群れのような、美しい光景でした。
軽自動車、ミニバン、スポーツカー。どんな車でも、魂の大きさと色は一緒です。しかし、例外もあります。

黒いセダンです。

黒いセダンだけは、魂がやけに小さかったり大きかったり、魂の色がオレンジっぽかったり、赤に近かったり……。何故でしょうか。


魂が車から離れている理由

これは簡単で、「車体と魂は繋がりが弱いから」です。
通常、車の魂は車の上を浮遊してついて行きます。しかし、事故などで車体にダメージを負うと、紐から手を離した風船のように魂が飛んでいきます。
つまり、事故車には本来あるべき魂が無いのです。車は大切にしましょう。

車が「理解している」こと

車は、人間が乗るために作られたものです。それを車も理解しています。人間を乗せて走ることが彼らの幸せなので、いくら走ろうが文句一つ言いません。
人間のミスで事故に遭えば自分の魂が無くなってしまうことも理解しています。それでも人間のために走り続ける車は非常に健気な存在と言えるでしょう。


米津玄師の歌を「理解ってしまった」

海と山椒魚 という歌に、こんな歌詞があります。

青く澄んでは日照りの中
遠く遠くに燈が灯る
それがなんだかあなたみたいで
心あるまま縷々語る

「ああ、なるほど。『遠く遠くに燈が灯る』のは『車の魂』だな。健気なところも『あなた』らしいな。」と微笑んでしまいました。

あなたの抱える憂が
その身に浸る苦痛が
雨にしな垂れては
流れ落ちますように
真午の海に浮かんだ
漁り火と似た炎に
安らかであれやと
祈りを送りながら

これは、人間のせいで離れてしまった魂を労い、供養する歌詞です。
人間に酷使された魂の苦痛が少しでも楽になりますように。「漁火と似た炎」=「車の魂」です。


当時のLINEのトークです。

「理解ってしまった」感動を、誰かに伝えたかったのです。彼が理解したのかは不明です。

これは別の友人です。

当て逃げされた友人と風呂に入った時にこの話をしたのですが、こちらには結構響いたようです。
みなさんも車の気持ちになりましょう。


理解ってくれる方が、一人でも増えてくれると嬉しいです。車の魂も喜ぶと思います。

ではまた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?