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あなたを象る証

しっとりと香り華やぐ 夜の花
ねぇ 震えているの? 空に映る星々の輝き
こんなにも 寂しい夜には そう
天翔ける 流星の群れを追いかけ
ずっと 一緒に行こうね

もう何も寂しくはないから
ふと悲しくなってしまうのは ねぇ
どうしてなの? ううん
こんな夜には そう 手を握ってあげる から

そばにおいで 零れ落ちる 水滴に
水面は煽られ 乱された 心 ここに見せてみて

なにも怖がらなくてもいいから
ねぇ 雨の降る夜には きっと
想いの端々に 産まれる 感情
淋しくて 辛いから そばに居て どうか

もう何も寂しくはないよと
頭 撫でて欲しいから
ううん 傷ついた心
慰めの言葉なんて 要らない から
ただ ここに居て欲しい

昏れなずむ 陽に 心擽られて
なんだか 恥ずかしくて そう
もうこの世界には 帰らないと 決めたから

ねぇ 何かちょうだい?
震える夜には こんな事しか言えなくて
ごめんね
抱き寄せて 精一杯の優しさを くれるけど
もう既に ここには

ねぇ こんな夜には 手を握って居て
ずっとこのまま 離さないでと 瞳を丸めるけど

ううん 解ってる そう
こんな夜には きっと あなたは居ないから
そう 星空の向こうに消えた 流れ星は
もう この世界には居ないから

ううん 解ってる そう
こんな夜には きっと
もうあなたは居ない から
夢を見ているようね まるで
ここには居ない あなたを 想像していると

触れ合う 度に 流れた悲しい感情が
淋しくて 淋しくて つい 求めてしまうから

そうそれは 確かに居た あなたを象る証
ううん もういいの
でも 決して そんなんじゃなくて

そうね あの夜空の向こうで瞬いて
いつまでも こうして 夜が更けて行くのを
ただ 見ていたくて だから
もう行かなくちゃ
ううん そんなんじゃなくて

どうか また廻り逢えますように
この広い世界のどこかの時代で 再び

ねぇ 遥か遠い未来のどこかで また
あなたと出逢えたらいいね
その時までは 永遠に

「さよなら」

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